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ダウ平均は反発 ナスダック急落 中国新興AIのニュースでIT・ハイテク株が崩れる=米国株概況

株式 

NY株式27日(NY時間16:22)(日本時間06:22)
ダウ平均   44713.58(+289.33 +0.65%)
S&P500    6012.28(-88.96 -1.46%)
ナスダック   19341.84(-612.46 -3.07%)
CME日経平均先物 39095(大証終比:-385 -0.99%)

 きょうのNY株式市場、ダウ平均はプラスに転じ反発した一方、IT・ハイテク株には売りが強まり、ナスダックは急落した。中国の新興AI企業であるディープシーク社が先週、オープンAIの技術と競合を可能にする最新のAIモデルを発表。同モデルは先端半導体を搭載しなくても実行可能で、コスト効率が良いとの観測が広がった。

 このことはエヌビディア<NVDA>を含む米国のIT・ハイテク企業の優位性に疑念が生じる可能性がある。一部からは「ディープシーク社はより低コストで強力なAIモデルを開発できる一例となる。米国の少数のIT・ハイテク大手の高額投資が主導するAI関連サプライチェーン全体の現状を覆す恐れがある」との指摘も出ている。本日のエヌビディアは大幅安。約5900億ドル(約91兆円)の時価総額が喪失。一方、アップル<AAPL>とメタ<META>は上昇。

 米国では今週、マイクロソフト<MSFT>やアップル<AAPL>などIT・ハイテク大手の決算発表が予定される。利益の伸び鈍化も想定され、バリュエーションがなお過大評価されている現状は、AI主導で大幅に上昇してきた同セクターの株価に不安を生じさせている。

 規制緩和や減税など、市場から見てトランプ大統領の経済政策の良い点を市場は織り込み、次の材料を模索している。今週から決算発表が本格化し、高値警戒感からの持ち高調整の雰囲気もある中、本日の中国の新興AI企業のニュースは、その背中を後押したのかもしれない。

 本日の米株式市場はひどい状況となっているが、一部のバリュー株は底堅い展開を見せ、ローテーションの動きが見られている。ヘルスケアや生活必需品、産業株の一角は買われ、ダウ平均は序盤の397ドル安からプラス圏に浮上している。

 ストラテジストからは、これまでバリュー株は成長株に比べて圧倒的にパフォーマンスが低かっただけに、追いつく余地は十分にあるとの指摘も出ている。バリュー株は成長株よりも遥かに割安であることに加え、これらの株式は最終的に成長が拡大し、米経済が回復するにつれて利益を得る可能性が高いと考えているようだ。一方、主にIT・ハイテク関連銘柄で構成される成長株は、前述の通り、競争激化やAIへのさらなる支出の警告により、さらなる混乱も警戒されるという。

 AT&T<T>が上昇。取引開始前に10-12月期決算(第4四半期)を発表し、1株利益、売上高とも予想を上回った。スタンキーCEOは声明で「われわれは2024年を勢いよく終えた。2025年には光ファイバーネットワークの拡張、ワイヤレスネットワークの近代化、事業の成長、そして下半期には自社株買いを開始する予定で、顧客と株主にさらに多くの価値を提供できることを期待して頂きたい」と述べた。

 仮想通貨関連株が下落。リスク回避の雰囲気が広がる中、ビットコインが10万ドルを割り込んだことが嫌気されている。トランプ大統領が行政措置で、デジタル資産業界を米国でイノベーションの重要なけん引役と指摘してから数日を経て、投資家が利益確定に動いているようだ。

 GEベルノバ<GEV>が大幅安。アナリストが先週末引け後に、投資判断を「中立」に引き下げた。また、中国の新興AI企業のニュースでデータセンターへの電力供給で期待を集めていた電力関連株が一斉に売りが強まり、同社株も下落した。

 学生ローンなどフィンテックのソーファイ・テクノロジーズ<SOFI>が決算を受け下落。経常収益、EBITDAとも予想を上回ったものの、第1四半期と通期のEBITDA見通しが予想を下回ったことが失望感に繋がっている。

 デジタルサプライチェーンの構築を手掛けるロジリティ・サプライチェーン・ソリューションズ<LGTY>が大幅高。同業のアプティアン社が1株14.30ドルで同社を買収することで合意した。

 バイオ医薬品のアケロ・セラピューティクス<AKRO>が急騰。代謝機能障害関連脂肪性肝炎(MASH)による肝硬変患者を対象とした同社の「エフルキシフェルミン」の中間試験で有望な結果が得られた。アナリストは今回の結果を最良のシナリオだと述べている。

 ソフトウエア開発のアスペン・テクノロジー<AZPN>が上昇。筆頭株主の産業大手エマソン<EMR>が未保有株を1株265ドルの現金で買い取ることで合意した。

 不動産投信(REIT)のアップル・ホスピタリティー・リート<APLE>が上昇。アナリストが投資判断を「買い」に引き上げ、目標株価を従来の16ドルから17ドルに引き上げた。

 カジュアル・レストランのポルティローズ<PTLO>が上昇。アナリストが投資判断を「買い」に引き上げ、目標株価を従来の13ドルから16ドルに引き上げた。

AT&T<T> 24.14(+1.42 +6.25%)
GEベルノバ<GEV> 330.00(-90.49 -21.52%)
ロジリティ<LGTY> 14.12(+2.80 +24.73%)
ソーファイ<SOFI> 16.08(-1.84 -10.27%)
アケロ<AKRO> 51.71(+25.53 +97.52%)
アスペン<AZPN> 263.50(+8.34 +3.27%)
アップル・ホスピタリティー<APLE> 15.59(+0.43 +2.84%)
ポルティローズ<PTLO> 13.39(+0.90 +7.17%)

アップル<AAPL> 229.86(+7.08 +3.18%)
マイクロソフト<MSFT> 434.56(-9.50 -2.14%)
アマゾン<AMZN> 235.42(+0.57 +0.24%)
アルファベットC<GOOG> 193.77(-8.13 -4.03%)
テスラ<TSLA> 397.15(-9.43 -2.32%)
メタ<META> 659.88(+12.39 +1.91%)
AMD<AMD> 115.01(-7.83 -6.37%)
エヌビディア<NVDA> 118.42(-24.20 -16.97%)
イーライリリー<LLY> 808.17(+22.76 +2.90%)

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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