ダウ平均は横ばい 米CPIは利下げ期待正当化もIT・ハイテク株に売り ローテンションの動きも=米国株序盤
NY株式11日(NY時間12:46)(日本時間01:46)
ダウ平均 39738.00(+16.64 +0.04%)
ナスダック 18349.57(-297.88 -1.60%)
CME日経平均先物 41680(大証終比:-690 -1.66%)
きょうのNY株式市場、ダウ平均は横ばいで推移している一方、IT・ハイテク株は利益確定売りが活発化しており、ナスダックは大幅安となっている。この日発表になった6月の米消費者物価指数(CPI)は予想を下回り、インフレ鈍化を示す内容となった。米株式市場も発表直後こそポジティブな反応を示したが、買いが一巡するとIT・ハイテク株には売りが強まっている。
今回の米CPIはインフレ鈍化を示すとの期待が事前に高まり、直近の最高値更新の原動力にもなっていた。そのことから、過熱感も指摘されていたIT・ハイテク株は材料出尽くし感が出ている模様。
一方、セクターローテンションの動きが見られており、金利低下による恩恵が期待できる住宅や不動産、産業、公益などの銘柄が買われている。
市場では9月利下げ期待が高まっているが、本日の米CPIはその期待を正当化する内容となった。短期金融市場ではこれまでの年内2回の利下げ期待から、確率はまだ低いものの、3回の可能性も見出している模様。
米CPIはガソリン価格下落で総合指数が前月比0.1%の予想外の低下となったほか、コア指数も前月比0.1%の上昇に留まっている。また、住居費・エネルギーを除くサービス価格である、いわるゆスーパーコアも前月比で0.05%低下と2カ月連続の低下となった。これは昨年秋以来。今回の結果は第1四半期のインフレ上昇は異常であったというシナリオを補強する。
テスラ<TSLA>に売りが強まっている。8月に予定していたロボタクシーの発表を10月に延期する予定だと伝わった。
デルタ航空<DAL>が決算を受け下落。1株利益が予想を下回ったほか旅客収入も予想を下回った。ガイダンスも公表し、第3四半期の1株利益の見通しが予想を下回っている。国内市場での競争激化が航空券の価格を押し下げた。
シティグループ<C>が軟調。データ品質管理とリスク統制に関する問題を巡り、米銀行規制・監督当局に対し、約1億3600万ドルの制裁金支払いに応じる。
アルミのアルコア<AA>が上昇。前日引け後に4-6月期(第2四半期)の暫定決算を発表し、EBITDAが3.10ー3.30億ドルを見込み、予想を上回る見通しを示した。
潤滑油など化学品メーカーのWD-40<WDFC>が決算を受け上昇。1株利益、売上高とも予想を上回った。通期ガイダンスは据え置いている。
仮想通貨関連のマイクロストラテジー<MSTR>が上昇。取引開始前に1株を10株への株式分割を発表した。
加工食品のコナグラ・ブランズ<CAG>が決算を受け下落。売上高は予想を下回ったほか、25年度通期のガイダンスも公表し、予想を下回る見通しを示した。
デルタ航空<DAL> 44.50(-2.36 -5.03%)
シティグループ<C> 65.61(-1.38 -2.05%)
アルコア<AA> 39.25(+0.79 +2.05%)
WD-40<WDFC> 226.30(+6.55 +2.98%)
マイクロストラテジー<MSTR> 1348.00(+42.28 +3.24%)
コナグラ・ブランズ<CAG> 28.07(-0.74 -2.57%)
アップル<AAPL> 228.49(-4.49 -1.93%)
マイクロソフト<MSFT> 455.03(-11.22 -2.41%)
アマゾン<AMZN> 194.84(-4.95 -2.48%)
アルファベットC<GOOG> 187.86(-4.80 -2.49%)
テスラ<TSLA> 247.41(-15.85 -6.02%)
メタ<META> 515.22(-19.48 -3.64%)
AMD<AMD> 178.87(-5.09 -2.77%)
エヌビディア<NVDA> 129.58(-5.33 -3.95%)
イーライリリー<LLY> 927.49(-12.29 -1.31%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。