【中銀チェック】日米の金融政策会合はともに注目=米FOMC&日銀会合
【中銀チェック】日米の金融政策会合はともに注目=米FOMC&日銀会合
今週は日米の金融政策会合が予定されています。
11日、12日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では政策金利は据え置き見通しです。3月ごろまで今回のFOMCでの利下げ開始期待が強かったですが、その後の米指標動向、特に物価の下げ止まり傾向などから、利下げ開始時期見通しが先送りされています。据え置きとなった場合、7会合連続となります。
今後の利下げ開始に向けて、声明の変化は要注目ですが今回に関してはそれほど大きな変化はないという見方が一般的です。ただ、前回の声明で第1パラグラフに加えられた特徴的な一文「ここ数カ月インフレ目標に向けたさらなる進展は見られない」に関しては、その後の物価の反発傾向が収まってきたこともあり、削除や表現の変更がある可能性があります。
パウエル議長会見は従来からの政策判断はデータ次第という姿勢を継続するとみられます。今後の利下げに向けた期待が強まるとすると、前回の会見で見られた2%への低下の道筋確認にはまだ時間がかかりそうという表現の変更が見られた時となります。
そして今回のFOMCで最大の注目ポイントとなりそうなのが、四半期に一度公表されるFRBメンバーによる経済見通し(SEP:Summary of Economic Projections)です。中でも年末時点での参加者の政策金利水準見通しを示すドットプロットの変更がどこまで進むかがポイントとなります。
前回3月のFOMCで公表されたSEPの中でのドットプロットは、2024年末時点での政策金利見通しの中央値が4.50%-4.75%となっており、年3回の利下げを織り込んでいました。現在の状況でここから年内3回の利下げはかなり難しいという見方が強いです。修正された中央値が年2回になるのか、年1回になるのか、1回と2回で拮抗するのかなどが注目ポイントです。年2回になるという見方が現状では強いようです。1回以下の見通しが予想よりも強いようだと、ドル高となります。また、2025年以降の利下げ回数見通しについても、注目したいところ。前回は年3回ずつの利下げとの見通しになっていました。より少ない回数の利下げを見込むようだと、ドル高になります。また、LongerRunという長期の見通しについては、FOMCメンバーが考える中立金利水準として注目されています。前回は18名中8名が2.50%としている一方、半数の9名がより高い水準を示し、中央値は2.5625%となっていました。こちらがはっきりと引き上げられるようだと、ドル高につながる可能性があります。
13日、14日には日本銀行金融政策会合が開催されます。政策金利は据え置き見込みです。注目は国債買入れの減額があるかどうか。現行で月額6兆円規模となっている国債買い入れについて、減額と据え置きで見方がかなり分かれている状況です。
今月に入って関係者筋報道として減額を具体的に検討との報道がある一方、中村審議委員から当面は現状政策の維持が望ましいとの発言がありました。実際に減額があった場合は円買い、現状維持で円売りとなりそうです。
MINKABUPRESS 山岡和雅
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執筆者 : MINKABU PRESS
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