HPエンタープライズは好決算も株価は軟調 通期1株利益の見通しは上方修正=米国株個別
HPエンタープライズ<HPE>が前日引け後に5-7月期決算(第3四半期)を発表し、売上高は予想範囲内だったものの、1株利益は予想を若干上回った。ガイダンスも公表しており、景気への懸念にもかかわらず、顧客企業がテクノロジーをアップグレードしていることを確信し、通期の1株利益の見通しは上方修正した。ただ、売上高やフリーキャッシュフロー(FCF)は維持している。
同社のネットワーク事業の力強い成長と、ハイパフォーマンス・コンピューティングおよび生成AIのハードウェアおよびサービスに対する需要の増加に牽引され、堅調な業績を達成した。同社は過去最大の受注残を記録したHPCおよびAI部門について、「AIに前例のないパフォーマンスを提供する、われわれ独自の機能を顧客が発見し、規模が拡大したため、第3四半期には加速する需要の波が見られた」と述べた。
一方、ネリCEOはインタビューで「利益率の高い事業の成長により、コンピュート・サーバー部門への依存度が下がっている」と述べた。同社で最も急成長しているインテリジェント・エッジ部門の売上高は50%急増。売上高全体の20%を占めるようになり、同事業からの利益が全体の49%を占めるようになったことも指摘した。
この部門は従来のハードウェアから脱却する同社の変革計画の重要な部分を担っており、企業がデータを外部のストレージセンターに送るのではなく、発生した場所でデータを収集・処理できるようにする製品を扱っている。
ただ、株価は軟調に推移している。
(5-7月・第3四半期)
・1株利益(調整後):0.49ドル(予想:0.47ドル)
・売上高:70.0億ドル(予想:70.0億ドル)
コンピュート:26.2億ドル(予想:26.9億ドル)
HPC&AI:8.36億ドル(予想:8.71億ドル)
インテリジェント・エッジ:14.2億ドル(予想:13.4億ドル)
ストレージ:10.7億ドル(予想:10.8億ドル)
金融サービス:8.73億ドル(予想:8.53億ドル)
・粗利益率(調整後):35.9%(予想:35.6%)
・営業利益率(調整後):10.3%(予想:10.6%)
(8-10月・第4四半期見通し)
・1株利益(調整後):0.48~0.52ドル(予想:0.50ドル)
・売上高:72~75億ドル(予想:74.4億ドル)
(通期見通し)
・1株利益(調整後):2.11~2.15ドル(従来:2.06~2.14ドル)(予想:2.11ドル)
・売上高:4~6%増を維持(予想:4.8%増)
・FCF:19~21億ドルを維持(予想:20億ドル)
(NY時間09:40)
HPエンタープライズ<HPE> 16.65(-0.20 -1.16%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。