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【来週の注目材料】米雇用統計はやや弱め予想、流れを変えるきっかけになるか?

為替 

 注目されたジャクソンホール会議でのパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演では、必要に応じて利上げの準備があると、追加利上げの可能性に言及。今後については慎重な姿勢を示したものの、ドル円が一時年初来高値を更新するなど、ドル買いが目立つ展開となりました。実際の利上げについては、経済指標などのデータを踏まえて慎重に進むと発言しており、米国の重要指標に対する市場の注目度が高まる展開となっています。

 そうした中、1日金曜日に8月の米雇用統計が発表されます。前回7月の米雇用統計は非農業部門雇用者数(NFP)が前月比+18.7万人と市場予想の+20.0万人を下回る伸びに留まりました。また6月のNFPが速報時の+20.9万人から+18.5万人に下方修正されています。これまで堅調であった雇用の伸びの鈍化が進む状況となっています。一方、失業率は3.5%と6月の3.6%から改善しています。

 7月のNFPの内訳を確認すると、民間部門は+17.2万人と、6月の+12.8万人から増加しました。6月は数字自体が弱かったことに加え、景気動向と直結しない政府部門が+5.7万人と大きくなっていました。しかし7月の政府部門は+1.5万人と落ち着いた水準になっています。
 
 民間雇用の内、財部門は+1.8万人。6月は小幅ながらプラス圏推移となった製造業が-0.2万人と小幅ながら減少に転じました。

 サービス業では景気に敏感なだけに6月にマイナス圏となったことが警戒を誘った小売業が+0.9万人とプラス圏を回復。金融業が+1.9万人と6月の+0.9万人から伸びが強まっています。好調さを維持する教育・医療部門は、医療・社会扶助サービスの+8.71万人に支えられて+10万人と全体を支えました。一方直近弱さが目立つ情報業は-1.2万人と3カ月連続でのマイナスとなりました。また雇用全体の先行指標とされるテンポラリーヘルプサービスは-2.21万人と2カ月連続で2万人を超える減少となりました。また、同部門を含む対事業所サービスは6月の+2.3万人から-0.8万人となっています。アフターコロナで雇用の大きな回復を示し、雇用統計を支えてきたものの、今年の4月以降は低調な伸びが目立つ娯楽・接客業は+1.7万人と6月の+1.9万人とほぼ同水準の伸びとなりました。6月に前月比変わらずと2020年以降で最も低調であった飲食業が+1.34万人と少し持ち直しましたが、全体としての低調さは変わらずとなりました。

なお、今回は1日の発表ということで、いつも関連指標として発表前に参考にされるISM製造業及び非製造業は米雇用統計後の発表となります。市場予想は製造業が47.0と7月の46.4から小幅な改善見込み、非製造業が52.7と7月と同水準見込みとなっています。
その他の関連指標を見ると、週間ベースの新規失業保険申請件数は、調査期間が同じ12日を含む週の数字で、7月が22.8万件、8月が23.9万件となっており、わずかながら悪化しています。

給与計算代行大手ADPによる全米雇用レポートは7月の雇用者数が+32.4万人と大幅増となりました。8月分は30日に発表されます。予想は+19.8万人と前回からは伸びが鈍化する見込みとなっています。ただ、前回が市場予想の+18.9万人を大きく超える伸びになったにもかかわらず、雇用統計本番が予想を下回る伸びになるなど、雇用統計本番とADPとの相関があまりうまく見られておらず、市場の注目度自体が落ちています。

 こうした状況を受けて今回の市場予想ですが、NFPは前月比+16.8万人となっています。弱めに出た6月、7月をさらに下回る伸びに留まるとの見方です。アフターコロナで雇用の大きな伸びが続いていましたが、今年に入って2月から5月までが20万人台、6月、7月は節目の20万人を割り込んできており、今回はさらに伸びが鈍化する見込み。パンデミックによって雇用が最も減少し、その分アフターコロナで著しく回復していた飲食業がここ数カ月低調な結果となっているように、アフターコロナでの雇用者増の押し上げが収まったということだと思われます。ただ、コロナ前10年(2010年-2019年)の月平均は前月比+18.3万人程度ですから、+16.8万人はいずれにせよやや弱めの数字です。

 予想前後もしくは予想を下回る弱さを見せるようだと、データ次第というFRBの姿勢もあって、追加利上げの期待が後退し、ドル売りになる可能性があります。前回は強めに出た失業率は、今回横ばいが見込まれていますが、予想に反して悪化となった場合の雇用者数の伸び鈍化は特に要注意です。

MINKABU PRESS 山岡和雅

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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