ダウ平均は下げ渋るマイナス圏 6月利上げを見送る可能性が再浮上=米国株後半
NY株式31日(NY時間15:49)
ダウ平均 32955.85(-86.93 -0.26%)
ナスダック 12979.84(-37.59 -0.29%)
CME日経平均先物 30785(大証終比:-65 -0.21%)
NY時間の終盤に入って、ダウ平均は下げ渋っているものの、マイナス圏での推移が続いている。午後になって伝わった2名のFOMC委員の発言で、FRBが6月利上げを見送る可能性が再浮上している。短期金融市場では据え置きの確率が一気に70%超まで高まっている状況。
ジェファーゾンFRB理事とハーカー・フィラデルフィア連銀総裁の発言が伝わり、ともに6月利上げを見送るべきとの考えを示唆した。ただ、利上げサイクルの終了は意味しないとの考えも示している。来週からFOMCを前に委員は発言を控えるブラックアウト期間に入る。その直前での発言でもあり、市場も敏感に反応している面がありそうだ。
週末の米雇用統計の内容次第なのかもしれないが、予想を下回る内容であれば、6月13日の米消費者物価指数(CPI)の結果を待たずして、据え置きを決めるのかもしれない。
ただ、きょうは相場をリードしていたエヌビディア<NVDA>が反落し、IT・ハイテク株は軟調に推移。本日は月末ということで、5月の上昇の調整が出ている模様。市場からは、エヌビディアを筆頭に人工知能(AI)関連株が活発に取引されているが、その他のセクターへの広がりがないとの指摘も出ていた。米債務上限問題はまだ完全な着地を見せていないものの、概ねデフォルト(債務不履行)は回避できると楽観視している。
年後半にかけての米景気後退への懸念が依然として根強い中、ここに来て中国経済の弱さを示す指標が相次いでいることも雰囲気を悪化させた。特に原油相場から鉄鉱石まで商品相場が下落しており、エネルギーなどの資源株の下落が投資家心理を圧迫している模様。
「中国の成長ストーリーは明らかに大きな失望感を与えている。米景気後退のリスクもあり、リスク資産に大量に投資するような環境ではない」との指摘も出ている。
インテル<INTC>が逆行高。エヌビディア<NVDA>のファンCEOが「インテルと将来的なAI半導体製造にオープンだ」と述べたことが材料視されているほか、同社のジンスナーCFOがコンファレンスに出席し、第2四半期の売上高が先月発表した予想レンジの上限に達するとの見通しを示したこともフォローなっている。同CFOは売上高を前回の115億-125億ドルという予想に対し、約120億-125億ドルと予想していると述べた。
HP<HPQ>が決算を受け下落。PCの需要低迷の影響が継続していることを示した。
HPエンタープライズ<HPE>が決算を受け下落。売上高が予想を下回ったことが嫌気されている。コンピュート部門が不調だった。
高解像度映像の圧縮処理用半導体を製造するアンバレラ<AMBA>が決算を受け大幅安。ガイダンスで予想を下回る売上高見通しを示したことが嫌気されている。
クラウド通信APIのトゥイリオ<TWLO>が上昇。アクティビスト(物言う株主)として知られる投資会社のレギオンが同社の取締役会および経営陣と面会し、取締役会の変更を提案したと報じられた。
自動車部品販売のアドバンス・オート・パーツ<AAP>が決算を受け大幅安。既存店売上高が予想外の減収となったほか、1株利益が予想を大きく下回った。また、通期のガイダンスも公表し、既存店売上高の見通しを減収の可能性もある水準に下方修正したほか、1株利益の見通しも大きく下方修正している。四半期配当の減配も発表した。
インテル<INTC> 31.95(+1.96 +6.52%)
トゥイリオ<TWLO> 69.23(+6.56 +10.47%)
HP<HPQ> 29.25(-1.69 -5.45%)
HPエンタープライズ<HPE> 14.55(-0.98 -6.28%)
アンバレラ<AMBA> 71.46(-10.50 -12.81%)
アドバンス・オート<AAP> 72.90(-39.30 -35.03%)
アップル<AAPL> 179.20(+1.90 +1.07%)
マイクロソフト<MSFT> 330.93(-0.28 -0.08%)
アマゾン<AMZN> 120.54(-1.12 -0.92%)
アルファベットC<GOOG> 124.49(-0.15 -0.12%)
テスラ<TSLA> 200.18(-0.98 -0.49%)
メタ・プラットフォームズ<META> 263.93(+1.41 +0.54%)
AMD<AMD> 118.25(-7.02 -5.60%)
エヌビディア<NVDA> 384.71(-16.40 -4.09%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。