クアルコムが決算受け下落 スマホ需要が依然として弱い アップルも連れ安=米国株個別
携帯用半導体のクアルコム<QCOM>が下落。前日引け後に1-3月期決算(第2四半期)を発表し、売上高は予想を上回ったものの、1株利益は予想範囲内となった。ただ、第3四半期のガイダンスでは1株利益、売上高とも予想を下回る見通しを示したことが嫌気されている。モバイル機器の需要が依然として低迷していることを示した。
同社は、携帯メーカーが在庫を消化すれば、受注は回復すると投資家にコミットしている。しかし、今回の決算はそれが予想以上に時間がかかっていることが示唆された格好。
同社のエイモンCEOは声明で、「この厳しい環境を乗り切るために、コントロールできる重要な要素、すなわち、最先端の技術ロードマップ、クラス最高の製品ポートフォリオ、強力な顧客関係、および業務効率に引き続き注力して行く」と述べた。「最優先事項は多角化戦略を実行し、長期的な価値をもたらす分野に投資することだ」とも語った。
同社は中国メーカーから売上げの大部分を得ている。同国ではゼロコロナ政策による封鎖で個人消費が抑制されていたが、同社によると、まだ迅速な回復は見られていないという。
アナリストからもネガティブなコメントが聞かれ、「今回の決算はスマホ市場の弱さが持続していることが秘めされた。ガイダンスは、これらの厳しい状況が短期的に持続する可能性が高いことを示唆している」と述べている。一方、「年内には在庫が一掃され始め、来年には市場が安定し始めるだろう」とも語った。
同社の決算を受けて、本日引け後に決算発表を予定しているアップル<AAPL>も軟調な値動きをしている。
(1-3月・第2四半期)
・1株利益(調整後):2.15ドル(予想:2.15ドル)
・売上高:92.7億ドル(予想:90.9億ドル)
QCT:79.4億ドル(予想:77.1億ドル)
QTL:12.9億ドル(予想:13.6億ドル)
携帯:61.1億ドル(予想:53.2億ドル)
オートモーティブ:4.47億ドル(予想:4.28億ドル)
IoT:13.9億ドル(予想:13.9億ドル)
・営業利益:29.9億ドル(予想:29.8億ドル)
(4-6月・第3四半期見通し)
・1株利益(調整後):1.70~1.90ドル(予想:2.20ドル)
・売上高:81~89億ドル(予想:92.5億ドル)
QCT:69~75億ドル(予想:77.8億ドル)
QTL:11.5~13.5億ドル(予想:13.5億ドル)
(NY時間09:44)
クアルコム<QCOM> 105.21(-7.62 -6.75%)
アップル<AAPL> 164.74(-2.71 -1.62%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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