ダウ平均は横ばい ナスダックはプラスに浮上 イベント前にポジション調整中心=米国株概況
NY株式6日(NY時間16:21)
ダウ平均 33485.29(+2.57 +0.01%)
S&P500 4105.02(+14.64 +0.36%)
ナスダック 12087.96(+91.10 +0.76%)
CME日経平均先物 27700(大証終比:+170 +0.62%)
きょうのNY株式市場は様子見気分が強まり、ダウ平均は小幅な値動きに終始した。一方、IT・ハイテク株には買い戻しが見られ、ナスダックはプラスに浮上。
序盤はこの日発表の週間の米新規失業保険申請件数が22.8万件と予想を上回ったこともあり、売りが先行して始まった。しかし、下押しする動きまでは見られない中、次第に買い戻しが膨らんだ。なお、米労働省は季節調整の手法を更新し、今年の米新規失業保険申請件数がこれまでに発表された数字よりも多かったことを明らかにしている。
今週発表の米経済指標は弱い内容が相次ぎ、FRBの利上げ期待の後退および年内利下げ期待と伴に、市場には景気の先行き警戒感が広がっている。市場からは、「過去数カ月間、景気後退の兆しがFRBの利上げ方針を変更させる可能性があるとの期待から、投資家は景気後退を歓迎していた。しかし、いまは、FRBがインフレを冷やそうとするあまり、景気を引き締め過ぎて、景気減速や景気後退に繋がるのではないかと懸念している」といった指摘も出ている。
今週は特に、雇用関連指標が労働市場の軟化の可能性を示唆す中、市場は明日の米雇用統計を注目している。ただ、明日はグッドフライデーで米株式市場は休場となることもあり、来週以降の値動きに備えている状況。
短期金融市場では利上げはもうないのではとの期待を織り込む動きが出ている。しかし、米地区連銀総裁などFOMC委員の発言からは、その期待は若干行き過ぎの感じもある。もう少し利上げを行いたい意向を滲ませており、夏までにあと1回は利上げを実施との見方が有力と思われる。
来週は米大手銀を皮切りに1-3月期の決算シーズンが開幕することもあり、きょうはそれらのイベントを前にポジション調整中心の値動きになったようだ。
会員制倉庫型スーパーのコストコ<COST>が続落。前日引け後に3月の米既存店売上高を公表し、0.9%の増収に留まり、2カ月連続で伸びは鈍化した。2020年4月以来の低い伸びとなり、パンデミック開始以来の小幅な伸びとなった。
フェデックス<FDX>が続伸。前日に分離していた事業会社を1つの組織への配送網統合を発表したほか、四半期配当の増配を発表し、株価は上昇していたが、きょうもその流れが続いている。本日は複数のアナリストから、投資判断の「買い」への引き上げや目標株価引き上げが伝わっている。
光通信機器販売のルメンタム<LITE>が下落。1-3月期(第3四半期)の暫定決算を公表し、売上高が3.80-3.84億ドルと予想レンジの下限以下を見込んだ。予想は4.44億ドル。
アパレルのリーバイ・ストラウス<LEVI>が決算を受け大幅安。粗利益率が前年から低下し、予想も下回ったことが嫌気されている。同社の利益は輸送コスト上昇や、昨年積み上がった過剰在庫を処分するためのプロモーションの増加により、ここ数四半期圧迫されている。第1四半期の在庫は33%増加した。
人工知能(AI)のアプリケーション開発を手掛けるC3.ai<AI>が3日ぶりに反発。同社は今週、投資会社のケリスデール・キャピタルが空売りのポジションを形成したうえで、3月6日に同社の会計と開示の問題について、同社の監査法人に書簡を送付したことを明らかにしたことをきっかけに、売りが強まっていた。きのうまでの2日間で38%急落させている。これに対して同社のシーベルCEOが前日にラジオのインタビューで、ケリスデールからの空売り書簡は株価操作だと非難した。
コストコ<COST> 485.98(-11.15 -2.24%)
フェデックス<FDX> 232.10(+2.17 +0.94%)
ルメンタム<LITE> 46.33(-4.98 -9.71%)
リーバイ・ストラウス<LEVI> 15.14(-2.89 -16.03%)
C3.ai<AI> 22.84(+1.75 +8.30%)
アップル<AAPL> 164.66(+0.90 +0.55%)
マイクロソフト<MSFT> 291.60(+7.26 +2.55%)
アマゾン<AMZN> 102.06(+0.96 +0.95%)
アルファベットC<GOOG> 108.90(+3.95 +3.76%)
テスラ<TSLA> 185.06(-0.46 -0.25%)
メタ・プラットフォームズ<META> 216.10(+4.62 +2.18%)
AMD<AMD> 92.47(-0.09 -0.10%)
エヌビディア<NVDA> 270.37(+1.56 +0.58%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。