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今年に入ってダウ平均のパフォーマンスは他の指数より鈍い=米国株

株式 

NY株式8日終値
ダウ平均   33949.01(-207.68 -0.61%)
S&P500    4117.86(-46.14 -1.11%)
ナスダック   11910.52(-203.27 -1.68%)

 昨年に低迷した米株式市場の中でダウ平均は比較的明るい話題だった。30銘柄で構成されるダウ平均は今年に入って2.4%上昇しているが、14%急騰しているナスダックや7.2%上昇しているS&P500と比較すると大きく溝を開けている。今年に入って投機が復活している一方、ダウ採用銘柄のブルーチップは遅れをとっていることが要因。

 IT・ハイテクなどの成長株が多いナスダックは今年、1991年以来最高のスタートを切っており、指数間のスプレッドは前日までのどの年においても2000年以降で最も大きくなっている。

 今年に入って市場は一転して上昇に転じた。昨年に市場をリードしたディフェンシブセクター、すなわち消費財や公益、ヘルスケアは今年最も弱いパフォーマンスとなっている。一方、IT・ハイテクやその他の投機的資産の猛烈な上昇は、パンデミック時代の強気相場を彷彿とさせる。一部からは、「強気派も弱気派もこの上昇で勢いづいている。ただ、どちらかが降参するようなことはないだろう」といった声も出ている。

 昨年は高インフレとそれに伴う金利高騰で、金融市場は大混乱に陥った。投資家はシェブロン<CVX>やキャタピラー<CAT>などの優良企業に避難し、消費財やヘルスケアなども大きなキャッシュフローを生み出す低成長企業として人気を博した。半面、IT・ハイテクや仮想通貨など、これまで投資家に愛されてきた投機的資産は急落。ダウ平均は高成長の新興企業とは対照的に、オールドエコノミー企業が多く、昨年は8.8%安で1年を終えたが、他の主要株価指数よりも遥かに良いパフォーマンスを残していた。

 ダウ平均はナスダックやS&P500とは異なり、採用銘柄の株価を単純に足し、銘柄入れ替えや株式分割などの変化を考慮したダウ除数と呼ばれる係数で割って算出される。日経平均と同様。そのため、時価総額ではなく、株価の高い値がさ株の値動きの寄与度が大きい。

 今年、ダウ平均の足を最も引っ張っているのが、ダウ採用銘柄で最も株価の高い医療保険最大手のユナイテッドヘルス<UNH>で、年初からこれまで8.9%の下落を記録している。ダウ採用銘柄の他のヘルスケア銘柄の株価も下落しており、ジョンソン&ジョンソン<JNJ>とアムジェン<AMGN>はそれぞれ7.4%と8.5%下落。メルク<MRK>も3.9%下落している。ただ、株価がユナイテッドヘルスほど高くないことから、ダウ平均への影響度は比較的小さい。

 アナリストは医療保険のバリュエーションは昨年に伸びきってしまったと指摘している。医療保険株は年初こそ市場と同程度のパフォーマンスだったが、昨年はS&P500に対して株価収益率(PER)で約20%のプレミアムで取引されていた。ただ、メディケアに高額な処方薬の支払い額を交渉する権限を与える新法が昨年に成立し、投資家はこの法律が業界に与える影響を見守っている。

 その他では、消費者がインフレ上昇の影響を消化するに連れて消費関連株が苦戦している。ダウ採用銘柄のP&Gとコカ・コーラ<KO>の株価は今年に入ってそれぞれ8.6%、6.1%下落。P&Gは10-12月期決算で販売価格は10%上昇したものの、販売量は6%減少した。P&GのモーラーCEOは先月の電話会議で「経済と金利の環境について、信じられないほどの不確実性が残っている」と述べてた。

 FRBは今月初めに政策金利を0.25%ポイント引き上げ、あと2回で利上げを停止したい意向を示唆し、市場の年内利下げ期待を後押しした。しかし、先週の米雇用統計が驚くほど強い内容で、失業率は53年ぶりの低水準に留まり、FRBが景気を冷やすために高金利を想定以上に長く維持するのではないかという新たな懸念が生まれている。

 今年の投機的銘柄の高騰は米国債利回りの低下とセットになっている。10年債利回りは3.60%付近で推移しており、昨年末の3.83%から低下している。ダウ採用銘柄のIT・ハイテク株も買い戻しが膨らみ、セールスフォース<CRM>は今年に入って28%上昇し、アップル<AAPL>は約17%、マイクロソフト<MSFT>は約11%上昇している。

 ただ、投資家は現在の幸福感の持続には懐疑的で、昨年に引き続き、循環株の優良銘柄に強気と述べる市場関係者も少なくない。現在の決算期を「Cマイナス」と評価しており、さらに警戒すべき理由として、金利上昇とCEOの自信喪失を指摘している。この盛り上がりは非常に短命に終わりで、まもなく現実が見えてくると思うとも語っていた。

8日終値
ユナイテッドヘルス<UNH> 483.22(+6.34 +1.33%)
メルク<MRK> 106.64(+0.96 +0.91%)
アムジェン<AMGN> 240.20(-3.80 -1.56%)
P&G<PG> 138.57(-1.45 -1.04%)

セールスフォース<CRM>  169.63(-1.65 -0.96%)
アップル<AAPL>  151.92(-2.73 -1.77%)
マイクロソフト<MSFT>  266.73(-0.83 -0.31%)

シェブロン<CVX> 170.00(-4.09 -2.35%) 
コカ・コーラ<KO> 59.72(-0.35 -0.58%) 
キャタピラー<CAT>  248.87(-0.79 -0.32%) 

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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