ドル円一時141円台半ば近くまで調整も、その後買い戻し入る=ロンドン為替概況
ドル円一時141円台半ば近くまで調整も、その後買い戻し入る=ロンドン為替概況
ロンドン市場でドル円は東京午後の流れを引き継ぐ形でドル売り円買いの動きが強まった。日本時間昼前に首相官邸を訪れた黒田総裁は、岸田首相との協議後に記者団の質疑応答に答え、急激な為替変動は企業の不確実性高め好まししくない、1日で2円も3円も動くのは急激な変動と認識、為替市場を今後とも注視などと発言。市場を注視するなどの発言はいつも通りであったが、1日で2円も3円も動くなど具体的なレベルを示しての発言を、急激な円安進行への牽制ととらえた市場が円買いを強めた。
発言直後に143円台後半から142円台半ば前後まで値を落としたドル円は、その後143円台を回復する場面が見られたが、ロンドン市場に入って再び円買いの動き。海外勢を中心に黒田総裁は円安進行に許容的という意識が見られた中でのけん制発言だけに、相場への影響が大きくなったと見られた。
また週末を前にドル買い円売りポジションを整理したいという意識も強まり、ドル円は下げ幅を拡大。一時141円50銭台まで値を落としている。
もっともそこからの反発も大きなものに。基調はまだドル買いという意識が強いこともあり、142円80銭前後まで一気に戻す展開が見られた。買い戻し一服後は142円20銭台を付けており、上下に荒っぽい展開に。
東京午後の動きはドル売りというよりも円買いの動きで、ユーロドルなどの動きは限定的なものにとどまった。ロンドン市場に入ってドル主導の展開に復し、ドル円が141円台半ばを試す中で、ユーロドルは1.01台を回復する動きに。もっとも、その後ドル円が大きく買い戻されると、ユーロドルでもドル買いが強まり、1.0030台まで下落と、こちらも不安定な動きを見せた。
ユーロ円は東京午後の円買いに144円台後半から143円台に値を落とすと、その後のドル円の下げがドル主導で、ユーロドルでのユーロ買いドル売りと、ドル円でのドル売り円買いが強まる中で、ユーロ買いと円買いが交錯する形に。円買いがやや優勢となる形で142円60銭台を付けたものの、その後143円40銭台を回復。
MINKABU PRESS 山岡和雅
執筆者 : MINKABU PRESS
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