パウエル会見を受け買い強まる ダウ平均は一時600ドル超の上昇=米国株後半
NY株式15日(NY時間15:49)
ダウ平均 30729.26(+364.43 +1.20%)
ナスダック 11130.63(+302.28 +2.79%)
CME日経平均先物 26625(大証終比:+345 +1.30%)
NY時間の終盤に入ってNY株式市場は買い戻しが強まり、ダウ平均は一時647ドル高まで上昇した。午後にFOMCの結果が発表され、0.75%の大幅利上げを打ち出した。注目のFOMCメンバーの金利見通し(ドット・プロット)では、年末時点の金利見通しの中央値は3.375%となっていた。3.25-3.50%を意味する。従来までは中立金利水準の2.25-2.50%が見込まれていたが、先週の米消費者物価指数(CPI)の強い内容を受けて、大幅に上方修正した格好となった。
株式市場は売りの反応を示したものの、その後のパウエルFRB議長の会見を受けて、今度は買いが強まっている。議長が「0.75%ポイント利上げが普通になるとは想定せず」と述べたことに敏感に反応したようだ。買いを強めるような発言でもないように思われるが、これまでの売りも「一旦そろそろ」といった雰囲気もあるのかもしれない。
ドット・プロットは今回の利上げサイクルの見通しをかなり具体的に示して来た印象があるほか、タカ派の急先鋒となっているブラード・セントルイス連銀総裁の主張を受け入れた感じもある。ドット・プロットの中央値だけを見ると、2023年は3.625%(3.50-3.75%)、2024年は3.375%(3.25-3.50%)となっていた。年内に急速に金利を引き上げ、来年は0.25%の利上げを1回実施し、利上げサイクルの最終地点(ターミナル・レート)に到達。2024年には利下げを想定している印象だ。
ただ、市場もそれらをだいぶ織り込んでいることから、きょうの株式市場はこれ以上の売りに躊躇した可能性もありそうだ。
エネルギー株は下落しているものの、その他のIT・ハイテク株や銀行、産業株などは買い戻されている。
音楽配信のスポティファイ<SPOT>が上昇。アナリストが投資判断を「中立」に引き上げた。
モデルナ<MRNA>が上昇。FDAの委員会が全会一致で、同社の小児用ワクチン「スパイクバックス」の緊急使用許可(EUA)を支持したことが好感されている。
レンタカーのハーツ・グローバル<HTZ>が上昇。取引開始前に同社の取締役会が新たに20億ドルの自社株買いプログラムを承認したと発表した。
クラウド技術を活用したビッグデータの保管・分析サービスを手掛けるスノーフレーク<SNOW>が続伸。同社の投資家説明会での潜在的な市場拡大や新しいソフトウェア機能に関する経営陣のコメントを受け、アナリストの楽観的な見方が伝わっている。
プライベート航空サービスを手掛けるホイールズ・アップ・エクスペリエンス<UP>が大幅高。アナリストが「買い」でカバレッジを開始し、目標株価を5ドルに設定した。前日終値の2.5倍以上。
アパレルのタペストリー<TPR>(旧コーチ)が上昇。アナリストが投資判断を「買い」に引き上げた。目標株価は45ドル。
リバティ・メディア-リバティ・フォーミュラー・ワン<FWONA>が上昇。同社はF1レースなどを中心にスポーツ放送権を取扱う。アナリストが投資判断を「買い」に引き上げた。
スポティファイ<SPOT> 105.68(+7.63 +7.78%)
モデルナ<MRNA> 128.60(+7.04 +5.79%)
ハーツ・グローバル<HTZ> 18.17(+0.93 +5.40%)
スノーフレーク<SNOW> 122.92(+9.05 +7.95%)
ホイールズ・アップ<UP> 2.36(+0.44 +22.92%)
タペストリー<TPR> 32.86(+1.26 +3.99%)
リバティ・メディアF1<FWONA> 55.91(+2.58 +4.84%)
アップル<AAPL> 135.77(+3.01 +2.26%)
マイクロソフト<MSFT> 252.48(+7.99 +3.27%)
アマゾン<AMZN> 107.84(+5.53 +5.41%)
アルファベットC<GOOG> 2216.28(+72.40 +3.38%)
テスラ<TSLA> 702.92(+40.25 +6.07%)
メタ・プラットフォームズ<META> 169.87(+6.14 +3.75%)
AMD<AMD> 89.78(+2.79 +3.21%)
エヌビディア<NVDA> 166.32(+7.96 +5.02%)
ツイッター<TWTR> 37.99(+0.77 +2.06%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。