BIS ノンバンクに国際規制必要
国際決済銀行(BIS)は6日公表した四季報で、銀行システム以外で行われる投資活動特有の不安定性に対処するため、新たな包括的国際規制が必要との見解を示した。ブルームバーグが伝えた。
BISのチーフエコノミスト、クラウディオ・ボリオ氏によれば、過去10年の急拡大後にグローバル金融資産全体の約半分を占めるようになった資産運用会社やヘッジファンド、他の投資会社を含むノンバンクの金融仲介機関は、銀行の「取り付け」に相当する流動性の引き揚げに対し、なお十分保護されていない。
昨年のパンデミック初期段階では、コマーシャルペーパー(CP)などを主な投資対象とするプライムMMF(マネー・マーケット・ファンド)からパニックに陥った投資家が2カ月足らずで1550億ドル余りの資金を引き出し、CP市場や国際的なドル資金調達の混乱を招いた。
BISは、破綻した英金融ベンチャーのグリーンシルが運用していたサプライチェーンファイナンス(SCF)や、ビル・フアン氏のアルケゴスが借り入れに依存し持ち分を開示せずに行っていた株取引などの分野も網羅する幅広い規制の議論を進めるよう提唱している。
BISはまた、法定通貨などの資産価値に連動する仮想通貨ステーブルコインの利用を通じて実体経済にも影響が波及しかねない分散型金融(DeFi、ディーファイ)普及に伴うリスクも四季報で指摘した。
執筆者 : MINKABU PRESS
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