ドル高強まり、ドル円一時105円台
ドル高強まり、ドル円一時105円台
ユーロドル1.2050台、先月の安値に迫る
【東京市場】104円台後半でのもみ合い
週明けの東京市場でドル円は104円台後半での推移が続いた。先週末の海外市場で株安を受けたドル高円安の動きが見られ、ドル円は一時104円94銭まで上昇。105円手前の売りを崩せなかったものの、その後104円台後半での推移となり104円80銭前後で週の取引を終えた。週明けの東京朝もほぼ同水準でのスタートに。105円手前の売りがまだ残っていると見られたことや、先週末の海外市場で一時1.1%前後まで上昇した米10年債利回りが、1.08%前後での推移となったこともあって、少し調整が入る展開となったが、押し目は104円60銭前後までにとどまっている。
ユーロドルは1.2120台を中心に1.20台前半での推移に。先週末の海外市場では対ドル、対円でしっかりとなり、一時1.2150超えを付ける動きが見られた。ドイツ、フランス、スペインなどの第4四半期GDPが予想ほど弱く無かったことでユーロ買いの動きに。高値から少し調整が入って週の取引を終えたユーロドルは、週明け目立った動意が見られずもみ合いが続いた。対円含め買いが入った先週末の流れを受けて下値しっかり感も、ここからの買いには慎重という流れ。
豪ドルは朝方やや値を落として始まったが、その後買い戻しの動きが広がった。豪州西部の西オーストラリア州で感染力が強いといわれる英国型および南ア型の新型コロナウイルス変異種の感染患者が見つかり、州都パースなどで昨日からロックダウンが開始されたことや、週末発表された中国のPMIがやや弱めに出たことなどが重石となった。もっとも朝の下げが落ち着くと買い戻しが入り、先週末の水準を超えての上昇に。豪ドルは先週末の0.7640台から0.7606前後まで値を落とすも、午後には0.7660台を付けている。80円ちょうど前後から朝方79円70銭前後まで値を落とした豪ドル円は80円10銭台に。
【ロンドン市場】ドル買い優勢、ドル円は104円90銭台に
ロンドン市場に入ってドル買いの動きが優勢に。
米株先の買い戻しなどが市場の落ち着きを誘い、先週後半の株安下でのドル売りに対する調整が入る展開に。
週明け銀先物が急騰。ゲームストップ株などを混乱させた個人投資家によるファンドへの攻撃関連ではとの思惑が
リスク警戒の動きを誘ったこともドル買いに拍車をかけた。
ドル円は104円90銭台まで上昇。先週末海外市場の高値圏へ。
105円手前にはまだ売り意欲があり、この時間帯は大台を付けず。
ユーロドルは東京市場での1.21台前半でのもみ合いから1.2070前後まで値を落として、
その後は1.20台後半でのもみ合いに。
【NY市場】一時105円台に
ドル円は一時105円04銭まで上値を伸ばした。
ロンドン市場で104円90銭台まで上昇。その後も同水準でのもみ合いを続け、
NY市場午後に入っていったん105円台を付ける動きに。
もっともすぐに大台を割り込んでおり、104円90銭台もみ合いに戻った。
ユーロドルは1.20台後半推移。
夕方に1.2056までと、先月付けた今年の最安値に迫る動きに。
1.2070割れからの調整局面で1.2100前後が上値を抑えたことで
下値トライの意識が強まる格好に。
【本日の見通し】ドル買いの意識強い
ドル買いの意識が強いが、ドル円、ユーロドルともに微妙な水準での推移となっており
やや警戒感も見られる展開に。
ドル円は一時105円台を付けたものの、すぐに値を落としており
105円台の買いには依然慎重姿勢。
もっともその後の押し目がほとんどなく104円90銭台を中心とした推移が続いており、
上値トライの意識が強い。
ユーロドルは1.2050台まで値を落とした。先月半ばとユーロ売り局面では1.2050台までのトライにとどまっており
前回下値を支えた1.2050を割り込むともう一段の売りが強まる可能性も。
【本日の戦略】押し目買いを意識
ドル高基調が継続と見られるが、ドル円は105円台での買いに慎重姿勢が見られるだけに
104円90銭台などでは買いに回りにくい。
押し目を少し待っての空きに回りたいところ。
ユーロドルも同様で、先月下値を支えた1.2050台での推移となっており
割り込むともう一段の下げがありそうだが、サポート直前での売りにはリスクも大きい。
戻りを待っての売り(ドル買い)に回りたいところ。
どちらも、ある程度ストップを早めに。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
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《2/1 月曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 104.62 1.2134 127.05
高値 105.04 1.2145 127.22
安値 104.61 1.2056 126.52
終値 104.93 1.2060 126.55
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《2/1 月曜日の主要株式指数》
日経 28091.05 +427.66
DOW 30211.91 +229.29
S&P 3773.86 +59.62
Nasdaq 13403.39 +332.70
FTSE 6466.42 +58.96
DAX 13622.02 +189.15
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《2/1 月曜日の商品市場》
NY原油先物3月限(WTI)(終値)
1バレル=53.55(+1.35 +2.59%)
NY金先物4月限(COMEX)(終値)
1オンス=1863.90(+13.60 +0.74%)
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《2/1 月曜日に発表された主な経済指標》
【ユーロ圏】
ドイツ小売売上高(12月)16:00
結果 -9.6%
予想 -2.0% 前回 1.1%(1.9%から修正)(前月比)
結果 1.5%
予想 4.7% 前回 5.0%(5.6%から修正)(前年比)
ドイツ製造業PMI・確報値(1月)17:55
結果 57.1
予想 57.0 前回 57.0
ユーロ圏製造業PMI(購買担当者景気指数)(確報値)(1月)18:00
結果 54.8
予想 54.7 前回 54.7
ユーロ圏失業率(12月)19:00
結果 8.3%
予想 8.3% 前回 8.3%
【スイス】
小売売上高(12月)16:30
結果 4.7%
予想 N/A 前回 1.8%(1.7%から修正)(前年比)
SVME購買担当者景況指数(PMI)(1月)17:30
結果 59.4
予想 56.8 前回 53.7(58.0から修正)
【英国】
CIPS製造業PMI・確報値(1月)18:30
結果 54.1
予想 52.9 前回 52.9
【米国】
建設支出(12月)00:00
結果 1.0%
予想 0.9% 前回 1.1%(0.9%から修正)(前月比)
ISM製造業景気指数(1月)00:00
結果 58.7
予想 60.0 前回 60.5(60.7から修正)
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《2/1 月曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【米国】
*カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁
経済の完全回復には道半ば。
経済回復には財政政策が必要。
金融政策のアクセルに足を置いたままにすることが重要。
FRBの政策は金融市場の不安定を引き起こしていない。
株価を押し下げる利上げのコストは非常に高い。
株式市場での投機には惑わされない。(ゲームストップへの言及で)
*カプラン・ダラス連銀総裁
資産購入ペース縮小の時期については言及しない。
見通しは失業支援金を十分想定している。
見通しは力強いワクチン配布や学校再開を想定。
入院のペースが著しく低下するか監視している。
米国はパンデミックにもかかわらず、経済を展開させている。
【日本】
*麻生財務相
日米財務相が電話会談
日米が緊密に協力して世界経済を支援。
最優先事項は大胆な財政政策を使用して危機から抜け出すこと。
日米財務相が為替について緊密な議論を行うことは重要。
G7、G20での合意維持が重要と再確認。
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《本日予定されている主な経済指標》
【韓国】
消費者物価指数(1月)8:00
予想 0.3% 前回 0.2%(前月比)
予想 0.5% 前回 0.5%(前年比)
【豪州】
豪中銀政策金利 12:30
予想 0.10% 現行 0.10%
【英国】
ネーションワイド住宅価格指数(1月)16:00
予想 0.3% 前回 0.8%(前月比)
予想 6.9% 前回 7.3%(前年比)
【香港】
小売売上高指数(12月)17:30
予想 -11.4% 前回 -4.7%(数量ベース・前年比)
予想 -14.7% 前回 -4.0%(価額ベース・前年比)
【ユーロ圏】
ユーロ圏GDP・速報値(第4四半期)19:00
予想 -0.9% 前回 12.5%(前期比)
予想 -5.3% 前回 -4.3%(前年比)
【NZ】
失業率(第4四半期)3日6:45
予想 5.6% 前回 5.3%
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執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員