ドル買いの流れ継続、先週末米雇用統計の弱さも影響は一時的に
ドル買いの流れ継続、先週末米雇用統計の弱さも影響は一時的に
米債利回りの上昇がドル買いにつながる
【本日の見通し】ドル高の流れ継続か、米債利回りの高め推移がドル買い誘う
ドル円は海外市場で104円台での推移が続いた。
米国債利回りの上昇傾向からドル買いの流れが続いている。
バイデン新政権下での財政支出拡大を期待した形で先行きのインフレ期待が広がり
米債利回りの上昇につながる展開。
新型コロナウイルスの感染拡大が継続する中、バイデン新大統領は経済支援を強化する姿勢を示しており
当面は米債利回りは高めの推移を続けそう。
中長期的な基調としてのドル売りと、米債利回り動向を受けたドル買いの材料が交錯する中、
短期的にはドル買いが勝る格好か。
ドル円は104円台半ばからの重さを確認したいところ。
ユーロドルは1.2000台までの調整が十分にありそう。
【本日の戦略】押し目買い
ドル円104円台半ばからの買いがどこまで入るのかが微妙なところ。
スウィングは押し目を少し待ったの買いに回りたい。
デイトレは見切りを早めに。
流れは買いからも上昇した後だけに突っ込んだ買いはややリスクが高いか。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
【8日の市場】ドル円はしっかりの展開 雇用統計は予想以上の弱さ
ドル円は東京市場からしっかり。米10年債利回りの上昇傾向が本邦機関投資家などからのドル買いを誘っているといわれている。
ドル円は東京市場に104円ちょうど前後を付ける動き。
少し調整が入った後ロンドン市場で高値を更新する場面も見られたが
雇用統計発表を前に104円台での買いには慎重姿勢も。
米雇用統計は非農業部門雇用者数が予想外の大きな減少。
パンデミックで大きく雇用を減らした後、5月以降の回復で雇用を支えてきたレジャー&ホスピタリティ部門が
雇用の大きな減少を示し、全体を押し下げる格好に。
レストランの屋内影響銀糸、バーの休業などの対応がとらえる中、
同部門の中の飲食関連部門の雇用が厳しい状況に。
いったんは103円60銭前後までドル売り円買いもすぐに上昇基調に復し、104円台を付ける動き。
米10年債利回りの上昇傾向が継続したこと、
米追加経済対策の規模が大きくなるのではとの期待広がったことなどが背景に。
ユーロドルが一時1.21台を付けるなど、ドルは全面高基調に。
雇用統計直後は1.22台後半まで買い戻しも、ドル円同様にドル売りが続かず。
【11日の市場】ドル高の動き強まる
東京勢不在のアジア市場で104円20銭台まで上昇したドル円。
その後ロンドンの朝の調整局面で104円ちょうど手前がしっかりとなるなど
ドル買いの流れが継続し、NY市場では午前中に104円40銭前後まで。
その後は調整の動きも104円10銭台中心の動きになるなど、堅調地合いが維持されている。
先週末に1.2200を一時割り込んだユーロドルもドル買いの動きが優勢となり、アジア市場で1.22をしっかり割り込み
一時1.2160台まで。ロンドン朝の調整局面も1.2200前後までの戻りにとどまり、1.22台を買い上げる動きが見られず。
その後再びユーロ売りドル買いが強まると、NY市場で1.2130台まで。
《1/8 金曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 103.81 1.2272 127.38
高値 104.09 1.2285 127.46
安値 103.60 1.2193 126.82
終値 103.94 1.2218 127.06
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《1/8 金曜日の主要株式指数》
日経 28139.03 +648.90
DOW 31097.97 +56.84
S&P 3824.68 +20.89
Nasdaq 13201.98 +134.50
FTSE 6873.26 +16.30
DAX 14049.53 +81.29
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《1/8 金曜日の商品市場》
NY原油先物2 月限(WTI)(終値)
1バレル=52.24(+1.41 +2.77%)
NY金先物2 月限(COMEX)(終値)
1オンス=1835.40(-78.20 -4.09%)
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《1/8 金曜日に発表された主な経済指標》
【日本】
景気動向指数(速報値)(11月)14:00
結果 96.6
予想 96.6 前回 94.3(景気先行指数)
結果 89.1
予想 89.4 前回 89.4(景気一致指数)
【スイス】
失業率(12月)15:45
結果 3.5%
予想 3.6% 前回 3.3%(季調前)
結果 3.4%
予想 3.4% 前回 3.4%(季調済)
【ユーロ圏】
ドイツ鉱工業生産(11月)16:00
結果 0.9%
予想 0.8% 前回 3.4%(3.2%から修正)(前月比)
結果 -2.6%
予想 -2.3% 前回 -2.7%(-3.0%から修正)(前年比)
ドイツ経常収支(11月)16:00
結果 213.0億ユーロ
予想 240.0億ユーロ 前回 229.0億ユーロ(225.0億ユーロから修正)
ドイツ貿易収支(11月)16:00
結果 172.0億ユーロ
予想 192.0億ユーロ 前回 194.0億ユーロ
ユーロ圏失業率(11月)19:00
結果 8.3%
予想 8.5% 前回 8.4%
【カナダ】
雇用統計(12月)22:30
結果 -6.26万人
予想 -3.75万人 前回 6.21万人(雇用者数)
結果 8.6%
予想 8.7% 前回 8.5%(失業率)
【米国】
雇用統計(12月)22:30
結果 -14.0万人
予想 5.0万人 前回 33.6万人(24.5万人から修正)(非農業部門雇用者数)
結果 6.7%
予想 6.8% 前回 6.7%(失業率)
結果 0.8%
予想 0.2% 前回 0.3%(平均時給(前月比))
結果 5.1%
予想 4.5% 前回 4.4%(平均時給(前年比))
民間部門雇用者数
結果 -9.5万人
予想 1.3万人 前回 41.7万人(34.4万人から修正)
製造業雇用者数
結果 3.8万人
予想 1.6万人 前回 3.5万人(2.7万人から修正)
週平均労働時間
結果 34.7
予想 34.8 前回 34.8
労働参加率
結果 61.5%
予想 61.5% 前回 61.5%
卸売売上高(11月)9日0:00
結果 0.2%
予想 N/A 前回 1.7%(1.8%から修正)(前月比)
卸売在庫(確報値)(11月)00:00
結果 0.0%
予想 -0.1% 前回 -0.1%(前月比・確報値)
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《1/8 金曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【米国】
*トランプ大統領
20日のバイデン氏の大統領就任式には出席しない。
*バイデン次期大統領
600ドルの直接給付では不十分。
亡くなった議事堂職員に深い同情。
自身が提案する経済対策パッケージは大規模になる。
景気刺激策は数兆ドル規模に。
シークレット・サービスに全幅の信頼。
トランプ大統領が就任式に来ないことは良い事。
トランプ大統領の大統領令を取り消す。
ペンス副大統領とは対話していない。
*クラリダFRB副議長
12月の米雇用統計の結果は残念。
レジャー、ホスピタリティに失業が集中。
ウイルス感染により今後数カ月は困難な状況。
資産購入のデュレーションは回復の速度次第。
資産購入ペース縮小の時期はずっと先。
資産購入ペース縮小までは、かなりの時間がかかる公算。
年内は現行ペースでの購入の維持を見込む
ベース効果(前年の状況)により2%超のインフレが見られる可
能性。
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《1/11 月曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 103.84 1.2222 126.96
高値 104.40 1.2230 127.09
安値 103.74 1.2132 126.56
終値 104.26 1.2151 126.69
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《1/11 月曜日の主要株式指数》
日経 休み
DOW 31008.69 -89.28
S&P 3799.61 -25.07
Nasdaq 13036.43 -165.55
FTSE 6798.48 -74.78
DAX 13936.66 -112.87
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《1/11 月曜日の商品市場》
NY原油先物2月限(WTI)(終値)
1バレル=52.25(+0.01 +0.02%)
NY金先物2月限(COMEX)(終値)
1オンス=1850.80(+15.40 +0.84%)
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《1/11 月曜日に発表された主な経済指標》
【豪州】
小売売上高・確報値(11月)9:30
結果 7.1%
予想 7.0% 前回 7.0%(前月比)
【中国】
消費者物価指数(12月)10:30
結果 0.2%
予想 0.0% 前回 -0.5%(前年比)
生産者物価指数(12月)10:30
結果 -0.4%
予想 -0.7% 前回 -1.5%(前年比)
【トルコ】
失業率(10月)16:00
結果 12.7%
予想 N/A 前回 12.7%
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《1/11 月曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【米国】
*米3年債入札結果
最高落札利回り 0.234%(WI:0.231%)
応札倍率 2.52倍(前回2.28倍)
*米下院民主党
米下院民主党がトランプ大統領の弾劾条項を提出。
*米下院共和党
民主党がトランプ大統領を罷免するよう求める決議案を阻止。
*ボスティック・アトランタ連銀総裁
3月に追加支援が必要かどうかを判断する可能性。
多数の経済セクターへの支援がなお必要。
雇用の観点から、われわれは進むべき道がある。
夏までに経済を支援する水準まで予防接種が広まる可能性。
基本シナリオは回復加速。
長期のインフレや金利は以前よりは低い可能性。
FRBは雇用をより包括的に検討。
利上げ前に資産購入の調整が好ましい。
自身の最大の関心は雇用を含め短期の見通し。
ウイルスはほぼ確実に社会構造の変化を引き起こしている。
今年終盤の資産購入ペース縮小にオープン。
雇用改善とインフレが資産購入ペース縮小の必要性のシグナル。
回復はワクチンの接種のペースと消費者信頼感に関連。
【英国】
*テンレイロ英中銀委員
マイナス金利を選択肢に入れておくことが重要。
短期の景気見通しは11月よりも悪化。
ワクチンは回復の不透明性を小さくする。
緩和政策は景気回復を支援。
追加刺激策が必要になる可能性。
*スナク英財務相
都市封鎖の再導入は経済に影響。
経済は回復前に悪化が予想される。
ワクチン接種が最も重要な回復のきっかけ。
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《本日予定されている主な経済指標》
【日本】
国際収支(11月)8:50
予想 15495.0億円 前回 21447.0億円(経常収支)
予想 20087.0億円 前回 19833.0億円(経常収支・季調済)
予想 4746.0億円 前回 9711.0億円(貿易収支)
【南アフリカ】
製造業生産高(11月)20:00
予想 N/A 前回 2.6%(前月比)
【インド】
鉱工業生産(11月)21:00 (前年比)
予想 -1.3% 前回 3.6%(前年比)
執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員