英・EU通商協議、ぎりぎりの合意
英・EU通商協議、ぎりぎりの合意
ポンドは大きく上昇後、NY午後に高値から値を落とす、クリスマス前の調整
トルコ中銀、予想を超える利上げを実施、リラ買いに
その他通貨は様子見
【本日の見通し】クリスマスで世界の多くが休場
本日はクリスマスということで世界的にほとんどの市場が休場。
日本や中国などごく一部の国のみがオープンとなっているが、取引量は極端に少なく、様子見ムードが広がる展開が見込まれる。
英国とEUとの通商協議合意などの影響が本格的に出てくるのは週明けとなりそう。
【本日の戦略】様子見
参加者が少ない時にはなるべく手を出さないのが鉄則。
材料が入った場合大きな動きも考えられるが
英EU通商協議が昨日合意しており、
よほどのことがない限り膠着状態が続きそう。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
【東京市場】ポンドしっかり
ドル円は103円50銭台を中心とした推移。クリスマスイブということで取引参加者が少ない。この後、米国は株式市場などが短縮取引となっており、お休みムードが広がっている。
そうした中しっかりとした動きとなっているのがポンド。英国とEUとの通商協議が大筋で合意成立。年末の期限を前に、まさにぎりぎりでの合意となった。昨日のNY市場で一方が報じられ1.3400前後から1.3570前後まで急騰。別メディアがまだ決まっていないと報じたこともあり1.3460台まで調整も、1.3500前後まで戻して東京朝を迎えた。その後双方トップによる正式な承認はまだながら大筋で合意という報道が広がり、東京市場は買いが優勢な展開。午後に入って1.3260台を付ける場面が見られている。リスク選好の円売りもあってポンド円に関してはNY市場での高値を超えて140円40銭台を付ける場面も見られた。
ユーロドルはポンドにつれ高となり朝の1.2180台から1.2210台まで。
【ロンドン市場】ポンド上昇も不安定
英・EU通商協議が大筋で合意したとの報道にポンド高が進行も、その後売りが入るなど不安定な展開。
当初午後8時と一部メディアが報じたジョンソン首相の会見がなかなか行われず
まだ決まっていないとの思惑から上値から売りに。
ポンドドルは1.3610台まで上昇した後1.3550台まで。
トルコ中銀は予想を超える17.00%まで利上げを実施。トルコリラ買いが入る展開に。
【NY市場】英EU通商協議合意を受けて上昇後反落
英ジョンソン首相とEUのフォンデアライエン欧州委員長がともに会見し合意を発表。
この状況を受けてポンドは再び1.36台を付ける動きも、
その後1.3520台まで急落を見せた。
クリスマスを前に調整の動きが広がったとみられる。
ドル円はもみ合い。実需がらみで103円76銭を付ける動きも続かず、基本的に103円60銭台での推移に。
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《12/24 木曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 103.57 1.2187 126.23
高値 103.77 1.2216 126.50
安値 103.50 1.2177 126.17
終値 103.65 1.2187 126.33
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《12/24 木曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 26668.35 +143.56
DOW 30199.87 +70.04
S&P 3703.06 +13.05
Nasdaq 12804.73 +33.62
FTSE 6502.11 +6.36
DAX 休み
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《12/24 木曜日の商品市場》
NY原油先物2月限(WTI)(終値)
1バレル=48.23(+0.11 +0.23%)
NY金先物2月限(COMEX)(終値)
1オンス=1883.20(+5.10 +0.27%)
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《12/24 木曜日に発表された主な経済指標》
【シンガポール】
鉱工業生産指数(11月)14:00
結果 7.2%
予想 2.7% 前回 -19.0%(前月比)
結果 17.9%
予想 14.1% 前回 -0.8%(-0.9%から修正)(前年比)
【トルコ】
中銀政策金利(12月)20:00
結果 17.0%
予想 16.5% 前回 15.0%(トルコ中銀政策金利)
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《12/24 木曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【米国】
*2000ドルの直接給付案を米下院共和党が否決
米下院民主党は、追加経済対策でトランプ大統領が求めている直接給付を600ドルから2000ドルに引き上げる修正案を提出したが、米下院共和党が否決した。
【ユーロ】
*欧州当局
英国とEUが貿易協定の合意で決着。
*フォンデアライエン欧州委員長
一方が規則に従わない場合、強力な措置を講じることができる。
交渉において、われわれは非常に強力な立場にあった。
ウイルス感染が協議を複雑にした。
たった12カ月で達成したことは極めて優れている。
合意なき離脱はEUよりも英国に打撃。
最も包括的な合意を実現することができた。
合意は歴史的なこと。
*欧州委員会
EUと英国は関税と輸入割り当てのない貿易を継続。
合意を2月末まで暫定適用。
【英国】
*ジョンソン英首相
英議会は30日に採決する。
今回の合意は経済に確実性をもたらす。
英国には一員となるべき巨大な自由貿易圏がある。
今回の合意は新たな安定を作る。
英国はEUの友人であり、同盟国であり、支援者だ。
英国はEUにとって最大の市場になる。
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《本日予定されている主な経済指標》
【日本】
完全失業率(11月)8:30
予想 3.1% 前回 3.1%
有効求人倍率(11月)8:30
予想 1.04倍 前回 1.04倍
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執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員