週末ドルの買い戻しも動きは限定的、週明けポンド急落
週末ドルの買い戻しも動きは限定的、週明けポンド急落
英・EU通商協議難航、欧州議会の期限前に
新型コロナウイルスの変異種の拡大で英国ロックダウン
週末に米追加経済対策はまとまる
【東京市場】午後に入ってドル買い強まる
ドル高の動きが強まった。昨日の海外市場で102円台を付けたドル円は103円台を回復して東京朝を迎え、朝方は103円00銭台から10銭台でのもみ合いも、その後ドル買い円売りの動きがつよまった。株式市場が東京およびアジアの株式市場が利益確定売りに押される中で、昨日のリスク選好でのドル売りに調整が入る展開に。
日銀金融政策決定会合は企業向けの資金繰り支援の半年延長や、物価2%目標に向けた検証を3月会合をめどに行うことなどが発表された。金融政策の大枠に変化はなく、相場への影響は限定的。
ユーロドルは朝方の1.2270前後から1.2240割れまでユーロ売りドル買いに。ドル円同様に株安などを受けたリスク選好のドル売りに調整が入る格好となった。ドル円の上昇の勢いが勝ったこともあり、ユーロ円は朝の126円40銭台を中心とした推移から126円70銭前後まで上値を伸ばしている。
ポンドドルはユーロドル以上に調整が目立った。NY夕方にジョンソン首相発言などでハードブレグジット懸念が広がり売りが出た流れが継続。NY夕方の1.3540台から1.3586前後まで朝に上昇を見せたが、その後はポンド売りドル買いが続き1.3520前後まで。
【ロンドン市場】ドル買い継続
ドル円が一時103円台後半を付けるなどドル高の動きが強まった。欧州株高などを受けたリスク選好のドル売りが入る場面も続かず
その後東京市場同様に週末を前にしたドル買いが広がった。
ドル円は一時103円60銭前後を付け、その後は103円台半ば前後での推移。
ユーロドルは独Ifoの好結果に1.2260台まで上昇の場面も買いは続かず1.22台半ばでのもみ合いに。
【NY市場】ドル円はもみ合い
ロンドン市場の高値から一時103円20銭前後まで値を落とすも、その後103円50銭近くまで上昇するなど
ドル買いの動きが継続した。
ユーロドルも一時1.2270資格まで上昇も、1.2225前後までユーロ売りドル買いが入るなど
ドル買いの動き。
もっとも週末前の調整もあって1.2250超えで週の取引を終えている。
週末の米追加経済対策の合意がほぼ確実視されたものの。
これまでのリスク選好でのドル売りに対する調整の動きが広がった。
【本日の見通し】リスク警戒の動きが優勢に
19日に米共和・民主両党首脳部が追加経済対策で合意。
リスク選好の材料となったが、それ以上に欧州でのリスク警戒が広がり
ドル買いの動きが朝から強い。
英国で感染力の強い新型コロナウイルスの変異種の感染が広がり
ロンドンなどが事実上のロックダウン。
欧州各国が英国からの渡航や物資の輸入を一時停止するなどの事態を受けて
ポンド売りドル買いの動きが広がった。
リスク警戒のドル買いも目立ちドル円は先週末から上昇して始まっている。
この流れが少し続くとみられ、ドルは比較的しっかりか。
英・EUの通商協議が年内に欧州各国で批准されるために必要な期限を過ぎたことで
ある程度の混乱が見込まれることもあり
ややリスク警戒感の強い週の始まりとなりそう。
ドル円は103円台でのレンジ取引が中心となりそう。
【本日の戦略】無理をせず
クリスマスウィークの上に英・EUの問題
新型コロナウイルスの変異種の問題などが出ており、
かなり神経質な状況となりそう。
無理をせずが一番か。
ドル円は戻り売りの方がやりやすそうな流れだが、ストップを確実に。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
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《12/18 金曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 103.11 1.2268 126.49
高値 103.59 1.2272 127.01
安値 103.10 1.2226 126.39
終値 103.30 1.2257 126.62
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《12/18 金曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 26763.39 -43.28
DOW 30179.05 -124.32
S&P 3709.41 -13.07
Nasdaq 12755.64 -9.11
FTSE 6529.18 -21.88
DAX 13630.51 -36.74
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《12/18 金曜日の商品市場》
NY原油先物1月限(WTI)(終値)
1バレル=49.10(+0.74 +1.53%)
NY金先物2月限(COMEX)(終値)
1オンス=1888.90(-1.50 -0.08%)
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《12/18 金曜日に発表された主な経済指標》
【日本】
日銀政策金利(12月)12:13
結果 -0.1%
予想 N/A 前回 -0.1%
消費者物価指数(11月)08:30
結果 -0.9%
予想 -0.8% 前回 -0.4%(前年比)
結果 -0.9%
予想 -0.9% 前回 -0.7%(生鮮食料品除くコア・前年比)
【英国】
GfK消費者信頼感調査(12月)09:01
結果 -26.0
予想 -31.0 前回 -33.0(GfK消費者信頼感調査)
小売売上高(11月)16:00
結果 -3.8%
予想 -4.2% 前回 1.3%(1.2%から修正)(前月比)
結果 2.4%
予想 2.4% 前回 5.8%(前年比)
結果 -2.6%
予想 -4.0% 前回 1.4%(1.3%から修正)(除自動車燃料・前月比)
結果 5.6%
予想 4.1% 前回 7.8%(除自動車燃料・前年比)
【ユーロ圏】
ドイツ生産者物価指数(11月)16:00
結果 0.2%
予想 0.1% 前回 0.1%(前月比)
結果 -0.5%
予想 -0.6% 前回 -0.7%(前年比)
ドイツIfo景況感指数(12月)18:00
結果 92.1
予想 90.0 前回 90.9(90.7から修正)
ユーロ圏経常収支(10月)18:00
結果 266.0億ユーロ
予想 前回 252.0億ユーロ(季調済)
【米国】
経常収支(2020年第3四半期)22:30
結果 -1785.0億ドル
予想 -1870.0億ドル 前回 -1614.0億ドル(-1705.0億ドルから修正)(経常収支)
景気先行指数(11月)00:00
結果 0.6%
予想 0.5% 前回 0.8%(0.7%から修正)(前月比)
【カナダ】
小売売上高(10月)22:30
結果 0.4%
予想 0.0% 前回 1.1%(前月比)
結果 0.0%
予想 0.1% 前回 1.0%(コア・前月比)
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《12/18 金曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【日本】
*黒田日銀総裁
物価に対する低下圧力はしばらくの間続く見込み。
コロナ資金繰り支援の6ヶ月間延長に同意。
必要であれば再び延長も。
経済の回復は緩やかにとどまる。
YCCは適切に機能している。
効果的で持続的な金融緩和行うための点検実施へ。
YCCや資産買入など各種の政策を点検する。
マイナス金利政策を見直すことはない。
2%目標やオーバーシュートコミットメントも見直さず。
企業金融面での緩和度合が低下している。
景気、政府の経済対策にも支えられて改善基調続く。
内外の感染症再拡大について注視すること必要。
金融仲介機能が円滑に発揮されるか注意必要。
企業などの資金繰り支援と金融市場の安定維持に努める。
必要なら躊躇なく追加緩和行う。
特別プログラムは効果を発揮している。
企業資金繰りは依然として厳しい、今後もしっかり支援。
特別付利制度、個別金融機関の収益支援が目的ではない。
特別付利制度、あくまで金融システム安定確保の観点で導入。
金融システムの安定強化で地域金融の強化必要。
前向きな取り組みにインセンティブ与える。
政策点検、効果的・持続的な資産買い入れの仕方を検討。
現在の金融緩和の出口探るつもりはない。
YCCの運営の仕方、資産買い入れの方式に必要な分析。
感染症の影響で経済の供給面の制約、需要面も抑制。
ゾンビ企業の延命議論あたらない、資金繰り支援延長。
間の金融仲介機能を助けるもの、特別プログラム。
金融緩和のフレームワーク変える必要ない。
現行政策の枠組みは十分に機能している。
2%物価安定目標の達成はやや遅れる可能性がある。
【ユーロ圏】
*バルニエEU首席交渉官
引き続き貿易交渉で合意のチャンスある、大きな障害は残る。
漁業権問題で妥協点見出すために、双方が動く必要。
【米国】
*ロス商務長官
米国、中国SMICをブラックリストに追加。
【英国】
*ブリハ英中銀委員
マイナス金利は英国の完全な回復に寄与する可能性。
利下げ幅は10BP以上は必要であろう。
合意なき離脱に対する経済の反応は未知数。
QEと利下げを組み合わせることが最善策となろう。
(ブルームバーグとのインタビュー)
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《本日予定されている主な経済指標》
【香港】
消費者物価指数(11月)17:30
予想 0.0% 前回 -0.2%(前年比)
【ユーロ圏】
ユーロ圏消費者信頼感・速報値(12月)22日0:00
予想 N/A 前回 -17.6
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執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員