米追加経済対策期待でリスク選好でのドル安強まる
米追加経済対策期待でリスク選好でのドル安強まる
ドル円は3月以来の102円台への下落、ユーロドルが1.22台後半へ上昇
【東京市場】ドル安基調継続
ドル売り基調が強まった。ドル円は一時103円25銭前後を付ける動きとなり、わずかながら昨日海外市場の安値103円26銭を下回った。
米国市場午後の米連邦公開市場委員会(FOMC)後にいったんドル買いが大きく入った局面で104円台を付けきれず、
すぐに値を落としたことで上値の重さが意識された。
もみ合いからいったんドルの買い戻しが入ったものの103円56銭まで。その後はドル売り円買いの動きに。
午後に入ってアジア株の買い戻しからのリスク選好でのドル売り入ると、ドル円は103円25銭前後まで値を落とし、
その後は少し調整も103円30銭台推移と頭の重い展開に。
ユーロドルは1.2200近辺からの買いにやや慎重も、押し目は1.2190前後までと限定的なものにとどまり、
午後に入ってドル全面安基調が強まると、1.22台にしっかり乗せ、昨日の高値も超えて1.2235前後まで買いが広がる展開となっている。
【ロンドン市場】ドル安強まる
海外勢が本格参加してきてドル安の動きが広がった。
ドル円は103円ちょうど近くまで値を落とす展開に。
米株先のが時間外で上昇し、リスク選好のドル全面安につながった。
パウエルFRB議長の経済が顕著に改善するまでQE継続との発言などがリスク選好につながった。
【NY市場】ドル円一時102円80銭台
ドル円は一時102円80銭台まで値を落とした。
ロンドン市場からのドル全面安基調が継続した格好。
米追加経済対策について、超党派の協議が大詰めを迎えており合意が近いとみられている。
ユーロドルは1.1270前後まで上昇し、ドル全面安基調を主導。ポンドドルも上昇したが
英ジョンソン首相がEUが立場を変えない限り合意無しの可能性が高いと発言しており
上げ幅を智頭目る格好となった。
【本日の見通し】ドル安基調継続も、週末を前にした調整も
基調はまだドル安。米追加経済対策への期待感がリスク選好でのドル売りを誘っている。
米FRBは慎重姿勢を崩しておらず、ドル売りが入りやすい展開に。
ユーロドルやポンドドル主導でのドル売りが続き、ドル円も102円台での売りになれる流れとなる可能性。
ただ、週末を前に突っ込んだ動きにも警戒感。
ポンドはEUとの通商協議への期待感、MPCが全会一致での据え置きとなったことへの安心感などから
対ドルで買いが強まっているが、
週末での対EU今日後の動向を警戒すると、買いポジション維持に慎重姿勢が見られる可能性があり
調整がいったん大きく入る可能性を否定できない。
とはいえ地合いは上方向で、やりにくいところに。
【本日の戦略】戻り売りも無理をせず
基調はドル安方向でドル円は戻り売りを意識
ただ、無理は禁物、週末前の調整が入るようだといったん待って週明けの流れを見る手もありそう。
デイトレは103円台前半の売り場探しで回転を意識してストップロスを早めに。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
-+—+–+—+—+—+—+—+—+–+–
《12/17 木曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 103.47 1.2200 126.24
高値 103.56 1.2273 126.52
安値 102.88 1.2190 126.02
終値 103.11 1.2268 126.50
—+—+—+—+—+—+—+–+–
《12/17 木曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 26806.67 +49.27
DOW 30303.37 +148.83
S&P 3722.48 +21.31
Nasdaq 12764.75 +106.56
FTSE 6551.06 -19.85
DAX 13667.25 +101.27
—+—+—+—+—+—+—+–+–
《12/17 木曜日の商品市場》
NY原油先物1月限(WTI)(終値)
1バレル=48.36(+0.54 +1.13%)
NY金先物2月限(COMEX)(終値)
1オンス=1890.40(+31.30 +1.68%)
+—+—+—+—+—+—+—+—+-
《12/17 木曜日に発表された主な経済指標》
【豪州】
雇用統計(11月)09:30
結果 9.0万人
予想 4.0万人 前回 18.04万人(17.88万人から修正)(雇用者数)
結果 6.8%
予想 7.0% 前回 7.0%(失業率)
【スイス】
中銀政策金利(2020年第4四半期)17:30
結果 -0.75%
予想 -0.75% 前回 -0.75%
【香港】
雇用統計(11月)17:30
結果 6.3%
予想 6.5% 前回 6.4%(失業率)
【ユーロ圏】
ユーロ圏消費者物価指数・確報値(11月)19:00
結果 -0.3%
予想 -0.3% 前回 -0.3%(前年比)
結果 0.2%
予想 0.2% 前回 0.2%(コア・前年比)
【英国】
英中銀政策金利(12月)21:00
結果 0.10%
予想 0.10% 前回 0.10%(英中銀政策金利)
資産買入枠
結果 8950億ポンド
予想 8950億ポンド 現行 8950億ポンド
※資産買入枠は、英国債8750億ポンドと社債200億ポンドの合計額
【米国】
フィラデルフィア連銀景況指数(12月)22:30
結果 11.1
予想 20.0 前回 26.3(フィラデルフィア連銀景況指数)
住宅着工件数(11月)22:30
結果 154.7万件
予想 153.5万件 前回 152.8万件(153.0万件から修正)(住宅着工件数)
結果 1.2%
予想 0.3% 前回 6.3%(4.9%から修正)(住宅着工件数(前月比))
結果 163.9万件
予想 156.0万件 前回 154.4万件(154.5万件から修正)(住宅建築許可件数)
結果 6.2%
予想 1.0% 前回 -0.1%(0.0%から修正)(住宅建築許可件数(前月比))
新規失業保険申請件数(12/06 – 12/12)22:30
結果 88.5万件
予想 81.8万件 前回 86.2万件(85.3万件から修正)(前週比)
結果 550.8万件
予想 570.0万件 前回 578.1万件(575.7万件から修正)(継続受給者数)
【NZ】
貿易収支(11月)06:45
結果 2.52億NZドル
予想 2.55億NZドル 前回 -4.72億NZドル(-5.01億NZドルから修正)
+—+–+—+—+—+—+—+—+–+–
《12/17 木曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【英国】
*ゴーブ英内閣府担当相(国務相)
EUとの貿易交渉チームは昼夜を問わず作業している。
良い自由貿易協定を確かなものとするために、あらゆること行っている。
12月31日より前に立法化できると信じている。
*英中銀
政策金利を現行の0.1%に据え置き。
資産買入枠は総額8950億ポンドに据え置き。
政策金利、資産買入枠について9対0で決定。
ロックダウン措置が第4四半期および来年第1四半期の経済活動を抑制。
必要であれば資産買入枠を拡大する用意。
来年末の付加価値税引き下げ措置終了に向けてCPI大幅上昇する見込み。
中小企業向け融資制度を6カ月延長へ。
*ジョンソン英首相
EUとの交渉は深刻な状況。
EUが立場を変えない限り合意なしの可能性が非常に強い。
英国はEUの要請に答えるために、あらゆる努力をしている。
漁業に関するEUの立場は合理的でない。
*スナク英財務相
来年3月3日に予算案を発表。
回復支援や雇用保護に対する次の段階の計画を公表。
経済見通しも公表される。
一時帰休労働者への支援策を4月まで延長。
【ユーロ圏】
*ドイツの新規感染者数、4万5113人と最多更新
*仏大統領府
マクロン仏大統領、新型コロナ検査で陽性。
*バルニエEU首席交渉官
英国との貿易交渉で良い進展があったが、最後の障害が残っている。
【スイス】
*スイス中銀
フランは過大評価されている。
引き続き為替市場でより一層強く介入を実施するつもりだ。
【米国】
*マコネル上院院内総務(共和党)
今日中に合意があると期待。
超党派の追加経済対策は合意が間近に迫っている。
生産的な協議が続いている。
+—+–+—+—+—+—+—+—+–+–
《本日予定されている主な経済指標》
【日本】
日銀政策金利 時刻未定
予想 -0.10% 現行 -0.10%
全国消費者物価指数(11月)8:30
予想 -0.8% 前回 -0.4%(前年比)
予想 -0.9% 前回 -0.7%(生鮮食料品除くコア・前年比)
【英国】
GfK消費者信頼感調査(12月)9:01
予想 -31 前回 -33
小売売上高(11月)16:00
予想 -4.2% 前回 1.2%(前月比)
予想 2.4% 前回 5.8%(前年比)
【ユーロ圏】
ドイツ生産者物価指数(11月)16:00
予想 0.1% 前回 0.1%(前月比)
予想 -0.6% 前回 -0.7%(前年比)
ドイツIfo景況感指数(12月)18:00
予想 90.0 前回 90.7
ユーロ圏経常収支(10月)18:00
予想 N/A 前回 252億ユーロ(季調済)
【米国】
経常収支(第3四半期)22:30
予想 -1870億ドル 前回 -1705億ドル
景気先行指数(11月)19日0:00
予想 0.5% 前回 0.7%(前月比)
【カナダ】
小売売上高(10月)22:30
予想 0.0% 前回 1.1%(前月比)
予想 0.1% 前回 1.0%(自動車除く・前月比)
+—+–+—+—+—+—+—+—+–+–
-☆-★-☆-★-☆-★-☆-
執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員