ドル円もみ合い、ドル高円高進行、ポンドは神経質な動き
ドル円もみ合い、ドル高円高進行、ポンドは神経質な動き
リスク選好後退でドル買い円買い、ユーロドルは1.20台半ば近くへ
英・EU通商首脳協議まとまらず、13日まで継続へ
【本日の見通し】ドル円はレンジ取引継続か、ドル安円安の調整に注目
ドル円は104円台前半でのレンジ取引が継続か。
ユーロドルがいったん大きく調整されたことでドル安円安基調に警戒感が広がっている。
新型コロナウイルス向けワクチンへの期待感も
英国で接種が開始されたワクチンでのアレルギー反応との報道などが警戒感に。
英国とEUとの通商協議動向も先行き不透明感に寄与。
現地時間9日、日本時間で今朝方まで行われていたジョンソン英首相とフォンデアライエン欧州委員長の協議は
結局結論が出ず13日まで協議継続。
3つの争点での妥協点が見えず、厳しい状況が続いている。
【本日の戦略】ドル高円高意識
3つの争点での妥協点が見えず、厳しい状況が続いている。
こうした状況がややドル買いに。ユーロドル、ポンドドルは頭の重い展開も。クロス円も売りが入る流れ。
戻り売りが基本となりそう
ドル円は様子見
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
【東京市場】ドル円膠着
ドル円は104円10銭台の非常に狭いレンジでもみ合いとなった。
リスク選好の動きがやや見られたものの、ドル安円安になっており、ドル円は動きが取れず。
ユーロ円は126円00銭近いところから126円台半ばを目指すなど、上昇傾向。
ユーロドルも1.21割れから1.21台半ばを目指す動きに。
この後ジョンソン英首相とフォンデアライエン欧州委員長の通商協議に関する直接の首脳協議を控え
ポンドもしっかりとした動きを見せた。
【ロンドン市場】円安ドル安に調整
朝方は東京市場の流れを受けてユーロ円が126円50銭台まで上値を伸ばすな度の動きが見られたが
そこから一転して値を落とす展開となった。
東京市場からの上昇分をほぼ打ち消して126円00銭台に。
ユーロドルも1.2147まで上昇も値を落とす格好。
当初はドル安の調整が目立ち、ドル円は104円25銭前後までとしっかりも、
その後104円05銭を付けるなど、頭の重い展開に。
【NY市場】ユーロドル一時1.2050台に
ユーロドルが一時1.2050台まで下落。ドル買いの動きが広がる展開となった。
ドル円も104円40銭台までとロンドン午後の下げから一転して上値を試しており、
ドル全面安の調整が目立つ展開に。
もっともドル円はその後104円20銭台に値を落としている。
ユーロ円はドル円の上層に反発の場面もユーロドルなどでのユーロ売りが厳しく
125円70銭台まで値を落とす場面が見られた。
英・EU首脳協議は結論出ず、13日まで協議継続
争点での歩み寄りが見られず、厳しい見方も広がっている。
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《12/9 水曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 104.16 1.2104 126.07
高値 104.41 1.2147 126.52
安値 104.05 1.2059 125.79
終値 104.23 1.2081 125.93
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《12/9 水曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 26817.94 +350.86
DOW 30068.81 -105.07
S&P 3672.82 -29.43
Nasdaq 12338.95 -243.82
FTSE 6564.29 +5.47
DAX 13340.26 +61.77
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《12/9 水曜日の商品市場》
NY原油先物1月限(WTI)(終値)
1バレル=45.52(-0.08 -0.18%)
NY金先物2月限(COMEX)(終値)
1オンス=1838.50(-36.40 -1.94%)
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《12/9 水曜日発表された主な経済指標》
【日本】
マネーストックM2(11月)08:50
結果 9.1%
予想 8.9% 前回 9.0%(前年比)
機械受注(10月)08:50
結果 17.1%
予想 2.5% 前回 -4.4%(前月比)
結果 2.8%
予想 -11.2% 前回 -11.5%(前年比)
【中国】
消費者物価指数(11月)10:30
結果 -0.5%
予想 0.0% 前回 0.5%(前年比)
生産者物価指数(11月)10:30
結果 -1.5%
予想 -1.8% 前回 -2.1%(前年比)
【ユーロ圏】
ドイツ経常収支(10月)16:00
結果 225.0億ユーロ
予想 210.0億ユーロ 前回 252.0億ユーロ(263.0億ユーロから修正)
ドイツ貿易収支(10月)16:00
結果 194.0億ユーロ
予想 185.0億ユーロ 前回 206.0億ユーロ(208.0億ユーロから修正)
【南アフリカ】
消費者物価指数(11月)17:00
結果 0.0%
予想 0.1% 前回 0.3%(前月比)
結果 3.2%
予想 3.2% 前回 3.3%(前年比)
SACCI景況感指数(11月)18:30
結果 93.4
予想 85.0 前回 85.7(SACCI景況感指数)
小売売上高(10月)20:00
結果 -1.8%
予想 -2.3% 前回 -2.4%(-2.7%から修正)(前年比)
【米国】
MBA住宅ローン申請指数(11/28 – 12/04)21:00
結果 -1.2%
予想 N/A 前回 -0.6%(前週比)
卸売売上高(10月)10日0:00
結果 1.8%
予想 N/A 前回 0.4%(0.1%から修正)(前月比)
卸売在庫・確報値(10月)10日0:00
結果 1.1%
予想 0.9% 前回 0.9%(前月比)
【カナダ】
カナダ中銀政策金利 10日0:00
結果 0.25%
予想 0.25% 現行 0.25%
【ブラジル】
ブラジル中銀政策金利 10日6:30
予想 2.0% 現行 2.0%
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《12/9 水曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【米国】
*ペロシ下院議長
ムニューシン米財務長官が提示した9160億ドルの経済対策案は受け入れられない
*格付け会社フィッチ
NY市の格付けを従来の「AA」から「AA-」に引き下げ。
見通しを「ステーブル」から「ネガティブ」に引き下げ
*米10年債入札結果
最高落札利回り 0.951%(WI:0.947%)
応札倍率 2.33倍(前回2.32倍)
【ユーロ圏】
*マーティン・アイルランド首相
昨日の北アイルランドに関する合意は「前向き、役立つ」ものだ。
しかし、すぐに貿易交渉の合意が実現すると「拡大解釈」すべきではない。
*メルケル独首相
EU予算には大きな不確実性がまとわりついている。
*ゴウィン・ポーランド副首相
ポーランド、ハンガリーとドイツはEU予算案で合意。
その他メンバー国の承認待ちに。
【英国】
*ゴーブ英国務相
EUが動かなければ貿易交渉の合意は極めて困難。
ジョンソン英首相とフォンデアライエンEU委員長は今晩会談行う予定。
英国はEU法規に結びつけることできない。
EU側が主要課題で譲歩すべき。
英国は自国の尊厳に基づいて合意しなければならない。
*ジョンソン英首相
良い合意を行うべき。
EUとブレグジットについて協議すること楽しみにしている。
EUは英国から我々の漁場を管理する権利取り上げること望んでいる。
どのような英首相であっても受け入れられないだろう。
英国は合意しようがしまいが繁栄するだろう。
【カナダ】
*カナダ中銀声明
週40億加ドルの国債購入目標を維持。
政策金利は2023年まで据え置きを見込む。
回復が進展するまで量的緩和(QE)は維持。
ドル安でカナダドルが上昇。
異例の支援を必要とし続けるだろう。
企業や家計への政府の支援が回復を支援。
実効金利の下限は0.25%。
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《本日予定されている主な経済指標》
【日本】
国内企業物価(11月)8:50
予想 0.0% 前回 -0.2%(前月比)
予想 -2.2% 前回 -2.1%(前年比)
【英国】
鉱工業生産(10月)16:00
予想 0.3% 前回 0.5%(前月比)
予想 -6.4% 前回 -6.3%(前年比)
製造業生産高(10月)16:00
予想 0.3% 前回 0.2%(前月比)
予想 -8.4% 前回 -7.9%(前年比)
商品貿易収支(10月)16:00
予想 -95.50億ポンド 前回 -93.48億ポンド
【トルコ】
失業率(9月)16:00
予想 N/A 前回 13.2%
【南アフリカ】
製造業生産高(10月)19:30
予想 1.9% 前回 3.2%(前月比)
【ブラジル】
小売売上高(10月)21:00
予想 7.0% 前回 7.3%(前年比)
【ユーロ圏】
ECB政策金利 21:45
予想 0.00% 現行 0.00%
【米国】
消費者物価指数(11月)22:30
予想 0.1% 前回 0.0%(前月比)
予想 1.1% 前回 1.2% (前年比)
予想 0.1% 前回 0.0%(食品エネルギー除くコア・前月比)
予想 1.5% 前回 1.6%(食品エネルギー除くコア・前年比)
新規失業保険申請件数(5日までの週)22:30
予想 72.5万件 前回 71.2万件(前週比)
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執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員