ドル円は頭の重い展開が続きそう
【本日の見通し】ドル円は頭の重い展開か
ドル円は頭の重い展開が見込まれる。
新型コロナウイルス向けワクチンの話題でのドル買いが限定的だけに
ドル売りが入りやすい地合いになっている。
ただ週末に新規材料で一気に動く可能性がある不安定な状況だけに
ここからの積極的な売りには慎重姿勢も。
103円台後半でのレンジ取引を中心に下を模索か。
【本日の戦略】戻り売り
突っ込んだ売りは避けたいがリスクは下方向という印象。
ドル円は戻ったところで丁寧に売りに回りたい。
週末越えのポジションにするのかは微妙で
なるべくフラットにしておきたいところ
デイトレはレンジ取引を意識。上値の重さを確認しての売りからの回転が基本か。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
ドル円一時104円22銭まで上昇も続かず
ユーロは振幅、NY市場で1.18台後半まで上昇し、ドル全面安基調
トルコ中銀15%までの大幅利上げ
【東京市場】103円台後半推移
19日の東京市場でドル円は103円台後半でのもみ合いが続いた。昨日のNY市場午前に103円65銭まで値を落としたドル円は、東京朝にも103円73銭を付けるなど、頭の重い展開に。10日ぶりの103円台に実需がらみの買いなどが入り、東京勢が本格参加する時間にいったん買い戻しが優勢に。ドル円は103円98銭まで上値を伸ばす場面が見られた。ただ、すでに104円ちょうど手前には売りが並んでおり、大台を回復できず。上値の重さが意識される形で一転して値を落とし、午前は103円80銭台を中心とした推移となった。
午後に入ってもう一段のドル売り円買いが強まり、一時103円72銭まで。朝の安値を更新する動きも、昨日のNY市場の安値には届かずもみ合いとなっている。
【ロンドン市場】ドルしっかり
ドル買いの動きが優勢に。欧州株。米株先物が軟調な地合いをなり、リスク選好のドル売りに調整が入った。
東京市場で見られた円買いの動きも落ち着き、ドル円は104円20銭台まで。
ユーロドルは1.18台半ばから1.1816前後まで下落。
新型コロナウイルスの感染拡大報道が株の重しに。
トルコ中銀は事前予想通り政策金利を15%へ引き上げた。
一部でエルドアン大統領の低金利志向から大規模利上げが難しいのではとの思惑があり
発表後はリラ買いが一気に進行した。
ポンドは振幅。EUとの協議が難航との思惑が重石となり一時1.3205前後まで下落も
バルニエEU主席交渉官がEU側へのブリーフィングを取りやめたとの報道が、
交渉大詰めとの思惑を誘イ、一気にポンド買いの場面も。
【NY市場】104円台維持出来ず
ドル円はロンドン市場の104円台を維持出来ず、じりじりと値を落とす展開に。
世界的な新型コロナウイルスの感染拡大が広がり米国では死者が25万人を超えた。
リスク回避の動きが見られ、序盤はドル買いが優勢も米債利回りの低下などがドルの重しに。
ユーロは今日からのEU首脳会議(テレビ会議)が話題に
ハンガリーとポーランドが21年ー27年のEU予算及び復興基金採決に反対。
資金へのアクセスをめぐる法の支配の尊重条件に反発。
全会一致原則で承認できず。
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《11/19 木曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 103.82 1.1854 123.08
高値 104.22 1.1882 123.32
安値 103.72 1.1816 122.85
終値 103.74 1.1875 123.19
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《11/19 木曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 25634.34 -93.80
DOW 29483.23 +44.81
S&P 3581.87 +14.08
Nasdaq 11904.71 +103.11
FTSE 6334.35 -50.89
DAX 13086.16 -115.73
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《11/19 木曜日の商品市場》
NY原油先物12月限(WTI)(終値)
1バレル=41.74(-0.08 -0.19%)
NY金先物12 月限(COMEX)(終値)
1オンス=1861.50(-12.40 -0.66%)
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《11/19 木曜日に発表された主な経済指標》
【豪州】
雇用統計(10月)09:30
結果 17.88万人
予想 -2.75万人 前回 -4.25万人(-2.95万人から修正)(雇用者数)
結果 7.0%
予想 7.1% 前回 6.9%(失業率)
【ユーロ圏】
ユーロ圏経常収支(9月)18:00
結果 252.0億ユーロ
予想 前回 209.0億ユーロ(199.0億ユーロから修正)(季調済)
【トルコ】
中銀政策金利(11月)20:00
結果 15.0%
予想 15.0% 前回 10.25%(トルコ中銀政策金利)
【南アフリカ】
中銀政策金利(11月)22:09
結果 3.5%
予想 3.5% 前回 3.5%(南ア中銀政策金利)
【米国】
フィラデルフィア連銀景況指数(11月)22:30
結果 26.3
予想 22.5 前回 32.3(フィラデルフィア連銀景況指数)
新規失業保険申請件数(11/08 – 11/14)22:30
結果 74.2万件
予想 70.0万件 前回 71.1万件(70.9万件から修正)(前週比)
結果 637.2万件
予想 640.0万件 前回 680.1万件(678.6万件から修正)(継続受給者数)
中古住宅販売件数(10月)00:00
結果 685.0万件
予想 647.0万件 前回 657.0万件(654.0万件から修正)
景気先行指数(10月)00:00
結果 0.7%
予想 0.7% 前回 0.7%(前月比)
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《11/19 木曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【中国】
*習近平国家主席
中国はデカップリングに関与しない。
他の人を締め出し、これまでの流れを逆転させたり歴史的な傾向に逆らうことはない。
【ユーロ圏】
*ラガルドECB総裁
主な課題はワクチン開発が進展するまでのギャップを埋めることであろう。
これまで以上に財政と金融政策の協力が重要になる。
ユーロ圏の経済活動は第4四半期にかけて勢いを失っている。
ユーロ圏経済は急速な新型コロナ感染拡大によって深刻な打撃受けると予測。
2021年初頭まではヘッドラインのインフレはマイナス領域にとどまるだろう。
ECBは雇用と信用を支える必要がある限り、好ましい環境を用意する。
EUの支援計画は遅れることなく機能する必要がある。
*デコス・スペイン中銀総裁
PEPP、TLTROに焦点。
PEPP、TLTROは危機には有効
利下げの可能性は排除しないが、下限に接近。
財政政策は拡大する必要。
銀行危機になるような経済危機は回避する必要。
ユーロ圏の経済政策は脆弱。
【英国】
*トラス英貿易相
カナダとの貿易協議は年末までに合意する。
将来的にはカナダとの貿易をより活発に。
*バルニエEU首席交渉官
来週火曜日夜のEU側に向けたブリーフィングを取りやめ。
(英BBC)
*バルニエEU首席交渉官
英国との交渉についての状況説明をあすメンバー諸国に対して行う予定。
(ロイター、EU外交筋を引用)
*英国とEUの貿易合意が23日に発表の可能性
英国とEUの貿易合意が23日に発表の可能性。
英テレグラフが伝えた。
【米国】
*メスター・クリーブランド連銀総裁
経済指標は減速を見込んでいる。
財政政策の欠如は懸念。
ウイルス感染のペースに非常に懸念。
FRBの金融政策は非常に適切。
政策は非常に緩和的。財政政策が必要。
12月FOMCについては事前に判断はしない。
金融政策が正しい手段なのかは自身には不明。
財政政策は経済問題の解決には正しい手段。
*カプラン・ダラス連銀総裁
FRBの債券購入の規模拡大には反対。
感染拡大で10-12月期はマイナス成長の恐れ。
米経済はリセッションに逆戻りする可能性は排除できない。
FRBの緊急プログラムが21年も継続されることは重要。
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《本日予定されている主な経済指標》
【日本】
全国消費者物価指数(10月)8:30
予想 -0.4% 前回 0.0%(前月比)
予想 -0.7% 前回 -0.3%(生鮮食料品除くコア・前年比)
【英国】
GfK消費者信頼感調査(11月)9:01
予想 -34 前回 -31
公共部門ネット負債(10月)16:00
予想 315億ポンド 前回 354億ポンド
小売売上高(10月)16:00
予想 -0.3% 前回 1.5%(前月比)
予想 4.1% 前回 4.7%(前年比)
【ユーロ圏】
ドイツ生産者物価指数(10月)16:00
予想 0.1% 前回 0.4%(前月比)
予想 -0.8% 前回 -1.0%(前年比)
ユーロ圏消費者信頼感・速報値(11月)21日0:00
予想 -18.0 前回 -15.5
【香港】
消費者物価指数(10月)17:30
予想 -1.8% 前回 -2.2%(前年比)
【カナダ】
小売売上高(9月)22:30
予想 0.2% 前回 0.4%(前月比)
予想 0.0% 前回 0.5%(自動車除く・前月比)
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執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員