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欧州通貨売りの動きが優勢に

見通し 

欧州通貨売りの動きが優勢に

ドル円は105円台を維持しての推移、しっかり感も

【東京市場】ドル売り円買い

 午前中にドル売り円買いの動きが強まる場面が見られ、ドル円は105円01銭を付ける動きが見られた。月曜日の海外市場でファイザーによるワクチンに関する発表を材料に105円台後半まで上昇したドル円は、昨日の東京市場で104円台後半まで値を落としたが、昨日の海外市場で再び105円台半ば近くまで上昇。ただ昨日同様に東京市場では実需の売りなどの押される形でドル売り円買いが見られ、105円ちょうど近くを付ける動きに。
 もっとも大台を維持したことで、その後はドル売りの動きが一服。もみ合いを経て午後にはドル買いの動きが強まり、105円20銭台での推移となっている。

 朝方はクロス円でも売りが入っておりユーロ円は124円45銭近辺から124円10銭台まで。ドル円同様に午後は買い戻しが入り、朝の水準に値を戻している。

 午前10時にNZ中銀金融政策理事会の結果が発表され、政策金利及び従来の量的緩和策であるLASPは現状維持となったが、新たに銀行からの貸し出し向け融資プログラムであるFSPを導入する形での追加刺激策が発表された。発表直後はNZドル売りの場面も、その後は一転して買いに転じた。一部でマイナス金利の期待が見られたことなどが背景にあるとみられる。71円80銭前後から71円61銭まで値を落としたNZドル円はすぐに72円超えまで上昇。その後も買いが止まらず、午後に入って72円台半ば超えの動きとなっている。

【ロンドン・NY市場】欧州通貨売りドル買い

 ドル買いの動きが優勢に。ドル円は105円台前半でしっかり。
欧州通貨売りの動きが目立ち、ユーロドルが1.18台前半から値を落とす展開となった。

 ベテランズデーで米国は銀行が休業日、債券市場が休場、為替市場の参加者も少なくなったNY市場。
 ドル円は昼にかけて105円60銭台を付けるなど、しっかりの展開となった。東京市場でのドル売り円買い局面で105円台を維持されたこともあり、ロンドン市場からドル買い円売りの動きがやや優勢となり、NY市場午前はその流れが継続した格好。ロンドン勢がいなくなり取引量が減った午後の市場では調整の動きもあって少し売りが出たが、105円40銭台での推移と、動きは限定的に。

 ユーロドルはロンドン市場で1.1820前後から1.17台後半に落とした流れが継続し、昼頃に1.1750を割り込む動きに。オランダ中銀のクノック総裁がECBは12月の決定でいかなる政策も排除しないと発言したことで、12月のECB理事会での追加緩和期待が広がった。
 ECBフォーラムに出席したラガルド総裁も、PEPP(パンデミック緊急供給プログラム)やTLTRO(ターゲット付き長期資金供給オペ)の拡大に言及しており、ユーロ売りの動きを誘った。
 テンレイロ英中銀金融政策会合(MPC)委員が英国とEUの通商合意、期限である11月15日に間に合わない可能性と発言したことも、ユーロ売りの動きに寄与。
 午後に入って、ユーロドルは少し調整が入り1.1770台まで。

【本日の見通し】リスク選好の動き継続か

 ドル円は105円台での推移が続きそう。
昨日の調整局面で105円台が維持されたことでしっかり感が強まっている。
ただ、ここ二日間はアジア市場ではドル売り円買いの動きが目立った。
実需売りの意欲がまだ残っていると見られ、いったんは調整の動きも。
105円を割り込むと、いったん大きめの調整につながる可能性があるだけに要注意。。

 欧州通貨は対ドルで軟調。特にポンドは15日に迫る通商協議の期限に間に合う雰囲気がなく
警戒感が出てくる流れだけに要注意か。
 対ドルでの売りが強まると、ユーロ円、ポンド円も売りが出てくる。
ドル円がさえない動きを続けているようだと下値にリスク。

【本日の戦略】押し目買い

 調整の動きが予想されるものの
基調としてはドル買い円売りを意識。
押し目を確認した後でドル買い円売りの機会を探る展開か。
105円台を昨日同様に維持しての動きになるかどうかが一つのポイントに。

※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません

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《11/11 水曜日》
   ドル円  ユーロドル  ユーロ円
始値  105.30  1.1815  124.41
高値  105.68  1.1833  124.68
安値  105.01  1.1746  123.92
終値  105.43  1.1777  124.17
—+—+—+—+—+—+—+–+–
《11/11 水曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経  25349.60 +444.01
DOW   29397.63 -23.29
S&P    3572.66 +27.13
Nasdaq  11786.43 +232.57
FTSE   6382.10 +85.25
DAX   13216.18 +53.07
—+—+—+—+—+—+—+–+–
《11/11 水曜日の商品市場》
NY原油先物12月限(WTI)(終値)
1バレル=41.45(+0.09 +0.22%)
NY金先物12 月限(COMEX)(終値)
1オンス=1861.60(-14.80)
+—+—+—+—+—+—+—+—+-
《11/11 水曜日に発表された主な経済指標》

【韓国】
雇用統計(10月)08:00
結果 4.2%
予想 3.8% 前回 3.9%(失業率)

【豪州】
Westpac消費者信頼感指数(11月)08:30
結果 2.5%
予想  前回 11.9%(前月比)

【日本】
マネーストックM2(10月)08:50
結果 9.0%
予想 9.1% 前回 9.0%(前年比)

【NZ】
NZ中銀政策金利(11月)10:00
結果 0.25%
予想 0.25% 前回 0.25%(NZ中銀政策金利)

【米国】
MBA住宅ローン申請指数(10/31 – 11/06)21:00
結果 -0.5%
予想 N/A 前回 3.8%(前週比)

【ブラジル】
小売売上高(9月)21:00
結果 7.3%
予想 8.4% 前回 6.2%(6.1%から修正)(前年比)

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《11/11 水曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》

【NZ】
*NZ中銀
追加の金融刺激策としてFLP(貸付プログラム)を導入し、12月から開始することで合意。
政策金利OCR、8月に拡大したLASP(大規模資産購入プログラム)は維持。
FLPを通じて銀行の資金調達コストを削減し、市中金利を引き下げる。
8月の量的緩和拡大以降の経済活動は以前に想定されていたものよりも回復力があることを証明。
新型コロナの経済ショックは非常に大きく持続的であり、長期にわたって刺激的であり続ける必要がある
必要に応じて追加の支援を提供する準備をし続ける必要があることに合意。
世界経済の見通しは新型コロナウイルスの封じ込めにかかっている。
ワクチンに関する最近のニュースは前向き。
ただ、広範な供給が達成されるまでは不確実性が残る。
国境の制限により、貿易と人の移動は引き続き減少。
NZの輸出は回復力があるが、NZドル高によって部分的に相殺され続けている
財政刺激は依然として重要。政府の支出は増加するだろう。
失業率は継続的に増加が見込まれる。
消費者物価指数も一定期間目標範囲の下限にとどまると予想。
インフレ期待は抑えられたままとなる。
金融政策は長期間にわたって刺激的であり続ける必要がある。

【ユーロ圏】
*スペイン中銀チーフ・エコノミスト
ECBは12月の理事会で追加措置講じるべき。
デフレリスクを払拭する必要。

*クノット・オランダ中銀総裁
12月理事会の判断にはどのような措置も排除しない。
2021年の経済見通しは引き続き不安定になろう。
ワクチンによる経済への影響が現れるには時間がかかりそうだ。

*ジェンティローニ欧州委員(経済担当)
予算ルールの差し止め措置を延長する必要があろう。
経済のV字型回復は幻想だ、信じられない。
経済回復は中断しており、来年は非常に低水準の活動となるだろう。
(英FTとのインタビューで)

*ラガルドECB総裁
ECBの景気刺激策は規模と共に期間が重要。
PEPPとTLTROsは引き続きECBの主要な政策手段となる公算。
最近のワクチンの関するニュースには勇気づけられる。
ワクチンが普及するまではサービス業は厳しい状況。
ワクチンが普及するまでECBは経済ギャップを埋める必要。
ゾンビ化の議論は見当違いだ。
為替レートはインフレ過程にとってネガティブな影響与える可能性。

【トルコ】
*エルドアン・トルコ大統領
金利は原因、インフレは結果。
中銀の政策を完全にサポートする。
中銀の責務は物価を安定させることだ。
インフレを一けた台へ低下させる。

*トルコ金融当局
国内の金融機関が外国銀行との間で実施できる為替スワップやデリバティブ取引の上限を引き上げ。
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《本日予定されている主な経済指標》
 
【日本】
国内企業物価(10月)8:50
予想 -0.1% 前回 -0.2%(前月比)
予想 -2.0% 前回 -0.8%(前年比)

機械受注(9月)8:50
予想 -1.0% 前回 0.2%(前月比)
予想 -12.0% 前回 -15.2%(前年比)

第3次産業活動指数(9月)13:30
予想 1.2% 前回 0.8%(前月比)

【英国】
RICS住宅価格指数(10月)9:01
予想 54% 前回 61%

GDP・速報値(第3四半期)16:00
予想 15.8% 前回 -19.8%(前期比)
予想 -9.4% 前回 -21.5%(前年比)

鉱工業生産(9月)16:00
予想 1.0% 前回 0.3%(前月比)
予想 -6.0% 前回 -6.4%(前年比)

製造業生産高(9月)16:00
予想 1.0% 前回 0.7%(前月比)
予想 -7.4% 前回 -8.4%(前年比)

商品貿易収支(9月)16:00
予想 -93.00億ポンド 前回 -90.1億ポンド

【ユーロ圏】
ドイツ消費者物価指数・確報値(10月)16:00
予想 0.1% 前回 0.1%(前月比)
予想 -0.2% 前回 -0.2%(前年比)

ドイツ調和消費者物価指数・確報値(10月)16:00
予想 0.0% 前回 0.0%(前月比)
予想 -0.5% 前回 -0.5%(前年比)

ユーロ圏鉱工業生産指数(9月)19:00
予想 0.6% 前回 0.7%(前月比)
予想 -5.8% 前回 -7.2%(前年比)

【南アフリカ】
失業率(第3四半期)18:30
予想 31.0% 前回 23.3%

【インド】
鉱工業生産(9月)21:00
予想 -1.9% 前回 -8.0%(前年比)

【米国】
消費者物価指数(10月)22:30
予想 0.1% 前回 0.2%(前月比)
予想 1.3% 前回 1.4%(前年比)
予想 0.2% 前回 0.2% (食品エネルギー除くコア・前月比)
予想 1.7% 前回 1.7%(食品エネルギー除くコア・前年比)

新規失業保険申請件数(7日までの週)22:30
予想 73.2万件 前回 75.1万件(前週比)

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執筆者 山岡和雅

執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長

1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員

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