落ち着いた動き、ナスダックの下げなどが重石
落ち着いた動き、ナスダックの下げなどが重石
ユーロは一時上昇も限定的、ユーロ高の流れに復するも、勢いに欠ける
【東京市場】小動き
主要通貨は小動きとなった。ドル円は106円台前半の狭いレンジでもみ合いに。
中国とインドが小競り合いから今年死者を出した国境線紛争地域から部隊撤退で同意と報じられたが反応は一息。
ユーロドルは比較的しっかりも、こちらも値動きは限定的なものとなった。
【ロンドン市場】ユーロ高目立つ、ポンド振幅
ドル円は106円台前半の狭いレンジでもみ合いとなった。
106円20銭台が重く、上値トライは限定的も、105円台に向けて売りに回るだけの勢いも見られず。
欧州通貨の動きを見極めようという流れか。
ユーロドルは朝方の上昇も続かず。
木曜日のECB理事会でのユーロドルの水準を目標にしていないとの姿勢を受けたユーロ買いの流れもあり、
朝方は1.1830前後から1.1870台まで上昇も、少し売りが出ている。ユーロ円も126円台を一時付ける動きを見せたが、
その後調整売りが入って大台を維持出来ず。
ポンドは振幅。対EU交渉の難航と、両者ともに態度を硬化させている状況から、
ハードブレグジット懸念が広がっており、朝方はポンド売りの動き。一時7月24日以来の安値圏を付ける動きとなった。
もっとも今月に入って1.34台から下げてきていることもあり、さすがに過熱感も出て安値からは買い戻しに。
【NY市場】もみあい
ドル円は106円台前半での推移となった。
週末ということもあり、東京市場から比較的落ち着いた動きが続いた。
寄り付きからプラス圏でしっかり始まった米株式市場であったが、IT・ハイテク関連を中心に売りが優勢となり
ナスダックが一時1%以上の下げに。寄り付き後250ドル超の上昇を示していたダウ平均も
一時マイナス圏に値を落とす展開となる中で、リスク警戒からのドル高円高が優勢となり
ドル円は106円00銭台を付ける動き。
ユーロドルはロンドン市場の高値から調整の動きも値幅は限定的。
昨日のECB理事会後の会見でラガルド総裁はユーロ高について
ユーロ相場を注意深く監視としたものの、ECBは為替レートをターゲットとせずと発言。
ユーロ高を容認するものとの思惑が広がり、買われやすい地合いとなっている。
もっともリスク警戒のドル高が進む中で突っ込んだユーロ買いにも慎重姿勢が見られた。
来週米FOMCを控えており、積極的な取引がやりにくい面も。
ポンドはロンドン市場での振幅を経て、やや頭の重い展開に。EUとの通商交渉難航が重石。
ハードブレグジット懸念が一気に強まっておりポンドの上値を抑えている。ロンドン市場で
振幅の中1.2860台まで上昇も、その後1.27台を付ける動きとなった。
【本日の見通し】やや頭の重い展開も、下値しっかりか
やや頭の重い展開も、先週末の市場で106円ちょうど手前の買いが下値を支えており
突っ込んだ売りを避けたい意識も。
今週はFOMCを15日、16日に控えており、それまでは動きにくい面も。
FOMCで示されるメンバーによる政策金利見通しドットプロットで
2023年末時点までのゼロ金利維持見通しが示される可能性が指摘されており、
ドル買いにも回りにくい。
106円割れを試す場面自体はありそうで、106円ばさみでのレンジを中心にやや下値リスクといった展開か。
【本日の戦略】戻り売り
目先は頭の重さが意識されるところ。
106円ちょうどに近いところでの売りはややリスクがあるという意識で
戻りを待って売りに回りたいところ。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
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《9/11 金曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 106.13 1.1815 125.39
高値 106.26 1.1874 126.13
安値 106.06 1.1813 125.38
終値 106.16 1.1846 125.76
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《9/11 金曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 23406.49 +171.02
DOW 27665.64 +131.06
S&P 3340.97 +1.78
Nasdaq 10853.54 -66.05
FTSE 6032.09 +28.77
DAX 13202.84 -6.05
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《9/11 金曜日の商品市場》
NY原油先物10月限(WTI)(終値)
1バレル=37.33(+0.03 +0.08%)
ブレント先物NOV月限(ICE)(終値)
1バレル=39.83(-0.23 -0.57%)
NY金先物12 月限(COMEX)(終値)
1オンス=1947.90(-16.40 -0.83%)
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《9/11 金曜日に発表された主な経済指標》
【日本】
国内企業物価(8月)08:50
結果 0.2%
予想 0.2% 前回 0.6%(前月比)
結果 -0.5%
予想 -0.5% 前回 -0.9%(前年比)
【英国】
貿易収支(7月)15:00
結果 -86.35億ポンド
予想 -69.0億ポンド 前回 -65.5億ポンド(-51.16億ポンドから修正)(商品貿易収支)
結果 10.74億ポンド
予想 30.0億ポンド 前回 39.02億ポンド(53.36億ポンドから修正)(貿易収支)
鉱工業生産指数(7月)15:00
結果 5.2%
予想 4.1% 前回 9.3%(前月比)
結果 -7.8%
予想 -8.7% 前回 -12.5%(前年比)
製造業生産高(7月)15:00
結果 6.3%
予想 5.0% 前回 11.0%(前月比)
結果 -9.4%
予想 -10.5% 前回 -14.6%(前年比)
【ユーロ圏】
ドイツ消費者物価指数・確報値(8月)15:00
結果 -0.1%
予想 -0.1% 前回 -0.1%(前月比)
結果 0.0%
予想 0.0% 前回 0.0%(前年比)
ドイツ調和消費者物価指数・確報値(8月)15:00
結果 -0.2%
予想 -0.2% 前回 -0.2%(前月比)
結果 -0.1%
予想 -0.1% 前回 -0.1%(前年比)
【インド】
鉱工業生産(7月)21:00
結果 -10.4%
予想 -11.8% 前回 -15.8%(-16.6%から修正)(前年比)
【米国】
消費者物価指数(8月)21:30
結果 0.4%
予想 0.3% 前回 0.6%(前月比)
結果 1.3%
予想 1.2% 前回 1.0%(前年比)
結果 0.4%
予想 0.2% 前回 0.6%(コア・前月比)
結果 1.7%
予想 1.6% 前回 1.6%(コア・前年比)
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《9/11 金曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【日本】
*菅官房長官
今後10年、消費増税不要との安倍首相と同じ考えだ
【ユーロ圏】
*フランス当局
新型コロナウイルスの新規感染者数、二日続けて9000人超える
【米国】
*トランプ大統領
バーレーンとイスラエルの国交が正常化
*ベーカーヒューズ
米原油・天然ガスリグ 3週ぶりに2基減少 254に
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《本日予定されている主な経済指標》
【日本】
設備稼働率(7月)13:30
予想 N/A 前回 6.2%(前月比)
鉱工業生産・確報値(7月)13:30
予想 前回 8.0%(前月比)
予想 前回 -16.1%(前年比)
第3次産業活動指数(7月)13:30
予想 0.4% 前回 7.9%(前月比)
【インド】
卸売物価指数(8月)15:30
予想 -0.31% 前回 -0.58%(前年比)
【香港】
鉱工業生産(第2四半期)17:30
予想 N/A 前回 -4.6%(前年比)
生産者物価指数(第2四半期)17:30
予想 N/A 前回 1.3%(前年比)
【ユーロ圏】
ユーロ圏鉱工業生産(7月)18:00
予想 2.7% 前回 9.1%(前月比)
予想 -8.8% 前回 -12.3%(前年比)
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執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員