ポンド急落、英国とEUとの関係悪化
ポンド急落、英国とEUとの関係悪化
ユーロ行って来い、ラガルド総裁会見でユーロ高けん制は限定的
ECBは為替水準をターゲットとせずで一時上昇
ドル円はもみ合いが続いた
【東京市場】ユーロ買い
ECB理事会を前にユーロ買いの動き
ドル円は狭いレンジでのもみ合いとなっている。
【ロンドン市場】ECB理事会後の会見待ち
ECB理事会は金融政策を据え置き
こちらは想定済みで、注目のラガルド総裁会見待ちとなっている。
ドルが若干売られる展開に。
ポンドドルなども1.3035を付ける動きを見せた。
ドル円は106円01銭まで、
【NY市場】ポンド急落
10日のNY市場でドル円は106円台前半を中心とした推移が続いた。
朝方動きが見られたのはユーロドル。ECB理事会後のラガルド総裁会見で
注目されたユーロ高けん制について、ユーロ高について協議、相場動向を注視も
ECBは為替水準をターゲットとせずと示され、市場はユーロ高容認として一気にユーロ買いドル売りに。
ユーロドルは1.1840前後から1.1917まで上昇。ドル安の流れが強まる中でドル円も106円割れを付ける動きに。
もっともユーロドルは高値から調整が入る展開に。寄り付きはプラス圏で始まった米株が、利益確定売りなどに抑え
ダウ平均が200ドル高から400ドル安へと600ドルの下げとなる中でリスク警戒のドル買いが入り
ユーロドルは上昇分を解消しさらに1.1810前後まで。
ドル円は円買いの動きに押されたものの106円台前半でしっかりとドル買いの動きが優勢に。
大きな動きを見せたのがポンド。英国とEUとのブレグジット交渉の難航が重石となっている。英国は9日に
EUとの離脱合意の修正に関わる国内法を提示したが、EUはこれに反発し、今月末までに撤廃するように求めるなど
関係悪化の動きが強まった。ポンドドルはロンドン市場で1.3030台から1.27台後半まで大きく値を落とした。
ポンド円は138円20銭台から135円50銭台まで値を落とす展開となっている。
【本日の見通し】ポンドへの警戒広がる
ドル円は基本的にもみ合い。
今週に入ってブレグジット交渉がらみでの動きが一気に強まっている。
英ジョンソン政権は通商交渉のデッドラインを10月15日に前倒しを発表。
昨年合意した離脱協定の一部変更につながる可能性のある国内法の提出方針も示している。
こちらにEUが反発。国内法については月内の撤回を求めた。
また、10月15日までの合意は難しいという見方が強く、
ハードブレグジット懸念が一気に広がる展開となりポンド売りに。
ポンドドルは大きな下げにつながっている。
ポンド円も含め下値リスクが相当に強い。
ドル高円高の流れで、ドル円はしっかりも、リスクは下方向か。
106円を再び割り込むような動きに要注意。
【本日の戦略】戻り売り
円高リスクを意識
戻りを丁寧に売りに回りたい。
ドル全面高基調には要注意で流れを見極める。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
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《9/10 木曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 106.18 1.1803 125.32
高値 106.30 1.1917 126.46
安値 105.98 1.1801 125.29
終値 106.13 1.1815 125.39
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《9/10 木曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 23235.47 +202.93
DOW 27534.58 -405.89
S&P 3339.19 -59.77
Nasdaq 10919.59 -221.97
FTSE 6003.32 -9.52
DAX 13208.89 -28.32
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《9/10 木曜日の商品市場》
NY原油先物10月限(WTI)(終値)
1バレル=37.30(-0.75 -1.97%)
ブレント先物NOV月限(ICE)(終値)
1バレル=40.06(-0.73 -1.79%)
NY金先物12 月限(COMEX)(終値)
1オンス=1964.30(+9.40 +0.48%)
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《9/10 木曜日に発表された主な経済指標》
【英国】
RICS住宅価格指数(8月)08:01
結果 44.0%
予想 25.0% 前回 13.0%(12.0%から修正)
【日本】
機械受注(7月)08:50
結果 6.3%
予想 2.0% 前回 -7.6%(前月比)
結果 -16.2%
予想 -18.1% 前回 -22.5%(前年比)
【トルコ】
失業率(6月)16:00
結果 13.4%
予想 N/A 前回 12.9%
【南アフリカ】
製造業生産高(7月)20:00
結果 7.6%
予想 3.8% 前回 17.9%(16.8%から修正)(前月比)
【ユーロ圏】
ECB政策金利(9月)20:45
結果 0.0%
予想 0.0% 前回 0.0%(ECB政策金利)
結果 -0.5%
予想 -0.5% 前回 -0.5%(ECB預金ファシリティ・レート)
結果 0.25%
予想 0.25% 前回 0.25%(ECB限界貸出ファシリティ)
【ブラジル】
小売売上高(7月)21:00
結果 5.5%
予想 2.4% 前回 0.5%(前年比)
【米国】
新規失業保険申請件数(08/30 – 09/05)21:30
結果 88.4万件
予想 85.0万件 前回 88.4万件(88.1万件から修正)(前週比)
結果 1338.5万件
予想 1290.4万件 前回 1329.2万件(1325.4万件から修正)(継続受給者数)
生産者物価指数(8月)21:30
結果 0.3%
予想 0.2% 前回 0.6%(前月比)
結果 -0.2%
予想 -0.3% 前回 -0.4%(前年比)
結果 0.4%
予想 0.2% 前回 0.5%(コア・前月比)
結果 0.6%
予想 0.3% 前回 0.3%(コア・前年比)
卸売売上高(7月)23:00
結果 4.6%
予想 N/A 前回 8.8%(前月比)
卸売在庫・確報値(7月)23:00
結果 -0.3%
予想 -0.1% 前回 -0.1%(前月比)
週間石油在庫統計(08/29 – 09/04)00:00
結果 203.3万バレル
予想 -196.4万バレル 前回 -936.2万バレル(原油在庫)
結果 -295.4万バレル
予想 -2785.0万バレル 前回 -432.0万バレル(ガソリン在庫)
結果 -167.5万バレル
予想 -80.6万バレル 前回 -167.5万バレル(留出油在庫)
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《9/10 木曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【米国】
*ポンペオ米国務長官
人民日報は米国大使の論説掲載を拒否した。
【ユーロ圏】
*ECB
主要政策金利を0.0%据え置き。
預金ファシリティー金利-0.50%据え置き。
限界貸出ファシリティー金利+0.25%据え置き。
パンデミック緊急購入プログラムを1.35兆ユーロで維持。
PEPPは期間や資産クラス、国について柔軟に。
PEPPを少なくとも2021年6月末まで継続。
*ECB
2020年成長見通しはマイナス8%(従来マイナス8.7%)、基本シナリオで。
2021年成長見通しはプラス5%(従来プラス5.2%)、基本シナリオで。
2022年成長見通しはプラス3.2%(従来プラス3.3%)、基本シナリオで。
2020年インフレ見通しは0.3%に据え置き、基本シナリオで。。
2021年インフレ見通しは1%に引き上げ(従来0.8%)、基本シナリオで
2022年インフレ見通しは1.3%に据え置き、基本シナリオで。
*ラガルドECB総裁
声明文を繰り返す。
ECB、ユーロ相場のインフレへの影響を慎重に判断。
ユーロ相場、インフレに下押し圧力。
為替の動き含めて慎重に分析。
ECBはユーロ高について議論。
ユーロ相場を注意深く監視。
ECBは為替レートをターゲットとせず。
サービス業の回復の勢いが製造業と比べて鈍い。
ユーロ圏の経済活動、ECB見通しに沿って回復している。
財政措置は的を絞り、一時的であるべき。
野心的かつ協調的な財政スタンスが重要。
PEPPの購入枠をすべて使い切る公算がきわめて高い。
デフレのリスクは6月よりも後退した。
戦略見直しは物価安定の定義の明確化に焦点当てる。
*EU
英国に対して離脱合意違反の法案修正を月末期限として迫る
*ECB関係者
複数のECBメンバーはECB理事会での声明やラガルド総裁の会見において、より楽観的な見通しを示すことを望んでいた。
パンデミックからの回復が最悪の予想よりもしっかりとしている
声明でのほぼ見通しに一致との姿勢にやや不満を持っている。
*ビルロワドガロー仏中銀総裁
ECBは引き続き欧州の経済活動をサポートするべき
デフレの危機が生じている。
【カナダ】
*マックレム・カナダ中銀総裁
経済進捗報告を発表。
カナダ経済はしっかりとしたサポートが引き続き必要。
量的緩和を回復が十分に続くまで継続する。
強いレバウンドを期待していない。同じペースで持続的な回復を望む。
短期的には2%のインフレターゲットを大幅に下回るインフレ率を示すとみられる。
水曜日のカナダ中銀金融政策会合の声明を反映。
米ドルが大幅な減価、カナダドルが幾分上昇。
徐々に家計の成長を期待。
出口について発言するのは非常に時期尚早
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《本日予定されている主な経済指標》
【日本】
国内企業物価(8月)8:50
予想 0.2% 前回 0.6%(前月比)
予想 -0.5% 前回 -0.9%(前年比)
【英国】
商品貿易収支(7月)15:00
予想 -69.0億ポンド 前回 -51.16億ポンド
鉱工業生産(7月)15:00
予想 4.2% 前回 9.3% (前月比)
予想 -8.7% 前回 -12.5%(前年比)
製造業生産高(7月)15:00
予想 5.0% 前回 11.0%(前月比)
予想 -10.5% 前回 -14.6%(前年比)
【ユーロ圏】
ドイツ消費者物価指数・確報値(8月)15:00
予想 -0.1% 前回 -0.1%(前月比)
予想 0.0% 前回 0.0%(前年比)
ドイツ調和消費者物価指数・確報値(8月)15:00
予想 -0.2% 前回 -0.2%(前月比)
予想 -0.1% 前回 -0.1%(前年比)
【インド】
鉱工業生産(7月)21:00
予想 -12.0% 前回 -16.6%(前年比)
【米国】
消費者物価指数(8月)21:30
予想 0.3% 前回 0.6%(前月比)
予想 1.2% 前回 1.0%(前年比)
予想 0.2% 前回 0.6%(食品エネルギー除くコア・前月比)
予想 1.6% 前回 1.6%(食品エネルギー除くコア・前年比)
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執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員