ユーロ売りドル買いの流れ
ユーロ売りドル買いの流れ
ドル円は107円台前半もみ合い
【東京市場】ユーロが午後に入ってしっかり
ドル円は107円台前半での推移が続いた。
前日の海外市場でのドル全面安基調もあり、朝方はドル円もやや頭が重く107円18銭近辺と、
NY午後の安値を若干割り込む動きを見せたが、すぐに値を戻すと107円30銭を挟んだ狭いレンジでのもみ合いに。
新型コロナウイルスの感染拡大懸念が継続も、経済再開への期待感もあり、動きがとりにくい展開に。
ユーロドルは午後に入って上昇が目立った。
1.1330前後での推移から、NY市場で上値を抑えた1.1350近辺をあっさり上に抜け、1.1370近辺まで。
この後欧州時間にユーロ圏財務相会合、明日はEU財務相会議、来週にはEU首脳会議が控えており、
EU復興基金の議論が深まるとの期待も見られる。もっとも、合意までは難しいとみられており、
会議でどこまでオランダなどからの前向きな姿勢を引き出せるかがポイントに。
【ロンドン市場】ややドル高
欧州株が不安定な動きを見せる中で、リスク警戒の動き。
前日史上最高値を更新したナスダックの時海外先物が堅調も
欧州株は利益確定売りも。
ドル円は107円台前半でのもみ合いが続く。
ユーロドルは1.13台後半から前半へ値を落としややドル高優勢に。
【NY市場】リスク警戒広がる
ダウ平均が一時500ドル超の下げに。もっともナスダックはプラス圏と不安定な動き。
IT関連に買いが入るものの、その他株は軟調。NY原油の下げも厳しく
リスク警戒からドル円を除いてドル買いに。
ドル円は円買いとドル買いで神経質な動き、一時107.10円近辺も続かず。
ユーログループ次期議長にはアイルランドのドナフー財務相が選ばれた。
【本日の見通し】リスク警戒広がる
ドル円は107円台での推移が継続。若干頭の重い動きもあるが、
ドル円を除くドル買いの勢いが支えになっている。
もっとも、アジア市場で株安が続くと円高の動きがドル高を上回る可能性があり
ドル円は107円割れの動きも視野に。
もっとも流れはまだ膠着か。
ドル円を除くドル高の流れはまだ続きそう。
ユーロに関してはEU復興基金の合意への動きが不調で頭の重さも。
来週のEU首脳会議での合意を、EU議長国であるドイツのメルケル首相などは期待しているが
厳しい見方が強い。露払いとなる昨日のユーログループ、今日のEU財務相会合でも進展は期待薄か。
【本日の戦略】ドル円はレンジ取引意識
ドル円はレンジ取引を意識。
ユーロはやや頭に重さ。
デイトレはドル円はレンジを意識しての動き。
スウィングは下がったら買いたいが
週末を前に様子見も。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
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《7/9 木曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 107.26 1.1330 121.52
高値 107.40 1.1371 121.97
安値 107.10 1.1280 120.90
終値 107.20 1.1285 120.98
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《7/9 木曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 22529.29 +90.64
DOW 25706.09 -361.19
S&P 3152.05 -17.89
Nasdaq 10547.75 +55.25
FTSE 6049.62 -106.54
DAX 12489.46 -5.35
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《7/9 木曜日の商品市場》
NY原油先物8月限(WTI)(終値)
1バレル=39.62(-1.28 -3.13%)
NY金先物8 月限(COMEX)(終値)
1オンス=1803.80(-16.80 -0.92%)
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《7/9 木曜日に発表された主な経済指標》
【英国】
RICS住宅価格指数(6月)8:01
結果 -15%
予想 -25% 前回 -32%
【日本】
機械受注(5月)8:50
結果 1.7%
予想 -5.0% 前回 -12.0%(前月比)
結果 -16.3%
予想 -16.8% 前回 -17.7%(前年比)
マネーストックM2(6月)8:50
結果 7.2%
予想 5.7% 前回 5.1%(前年比)
【中国】
消費者物価指数(6月)10:30
結果 2.5%
予想 2.5% 前回 2.4%(前年比)
生産者物価指数(6月)10:30
結果 -3.0%
予想 -3.2% 前回 -3.7%(前年比)
【ユーロ圏】
貿易収支(5月)15:00
結果 71億ユーロ
予想 70億ユーロ 前回 36億ユーロ(35億ユーロから修正)
経常収支(5月)15:00
結果 65億ユーロ
予想 100億ユーロ 前回 91億ユーロ(77億ユーロから修正)
【南アフリカ】
製造業生産高(4月)20:00
結果 -44.3%
予想 -30.9% 前回 -1.2%(前月比)
【カナダ】
住宅着工件数(6月)21:01
結果 21.17万件
予想 19.50万件 前回 19.55万件(19.35万件から修正)
新規失業保険申請件数(06/28 – 07/04)21:30
結果 131.4万件
予想 137.5万件 前回 141.3万件(142.7万件から修正)(前週比)
卸売在庫(確報値)(5月)23:00
結果 -1.2%
予想 -1.2% 前回 -1.2%(前月比)
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《7/9 木曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【日本】
*黒田日銀総裁
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、当面厳しい状況が続くと考えられる。
日本経済は極めて厳しい状態にある。
企業の資金繰りが悪化するなど、企業金融面で緩和度合いが低下している。
新型コロナウイルスの影響を注視し、必要なら躊躇なく追加緩和を講じる。
*日銀大阪支店長
近畿地域企業、内外需の先行き厳しい見方崩してない。
当面は経済の下押し圧力が強い状況が続く。
資金繰りは足元めどついたとの声、今後も動向注視。
【英国】
*スナック英財務相
今後の厳しい状況に雇用を守りたい。
回復の形はしばらく予想できない。
経済状況を極めて憂慮。
すべての職業が守られるわけではない。
住宅市場の活動を活発にすること最優先に。
経済再開、次の段階の計画を近く発表する。
(英スカイで)
【米国】
米30年債入札結果
最高落札利回り 1.330%(WI:1.357%)
応札倍率 2.50倍(前回:2.30倍)
*ボスティック・アトランタ連銀総裁
労働市場におけるウイルス感染からの力強い回復には驚かされた。
リアルタイムの指標は回復ペースが次第に平坦になることを示唆。
感染拡大の加速は経済への信頼感を損なう可能性。
企業や家計は若干神経質になり始めている。
FRBの政策には制約があり、財政対応が重要。
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《本日予定されている主な経済指標》
【日本】
国内企業物価(6月)8:50
予想 0.3% 前回 -0.4%(前月比)
予想 -2.0% 前回 -2.7%(前年比)
【トルコ】
失業率(4月)16:00
予想 N/A 前回 13.2%
【インド】
鉱工業生産(5月)21:00
予想 -38.0% 前回 -18.3%(前年比)
【米国】
生産者物価指数(6月)21:30
予想 0.4% 前回 0.4%(前月比)
予想 -0.2% 前回 -0.8%(前年比)
予想 0.1% 前回 -0.1%(食品エネルギー除くコア・前月比)
予想 0.5% 前回 0.3%(食品エネルギー除くコア・前年比)
【カナダ】
雇用者数(6月)21:30
予想 70.00万人 前回 28.96万人
失業率(6月)21:30
予想 12.1% 前回 13.7%
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執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員