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一時ドル売りも続かず

見通し 

一時ドル売りも続かず

米中の対立が重石も、一方向の動きにならず

【東京市場】朝方上昇も続かず

 ドル円は朝方107円43銭まで上値を伸ばした。
昨日の海外市場では、106円台後半のもみ合いからトランプ大統領のドル高には絶好の機会との発言を受けてドル買いが進み107円台を回復。
東京朝もその流れが継続する形で107円40銭台を付ける動きとなった。もっとも、107円台半ばからをトライするほどの勢いはなく、少し調整が入ると、
その後はもみ合いが続いた。
 売りが目立っていたもののベイリー英中銀総裁がマイナス金利に消極的な発言を行ったことなどから買い戻しが入ったポンドドルは1.2200台での推移。
NY夕方に1.2230を付けてから1.22近辺がしっかりとなっている。

【ロンドン市場】一時ドル売り強まる

 ドル安円高の動きが強まり、ドル円は一時106円90銭を付ける動きとなった。
その後は107円台を回復も戻りは鈍い。新型コロナウイルスの発生原因を巡り、米国が中国批判を強めており、米中対立がリスク警戒の動きに。
こうした対立が先行き不透明感につながり、週末越えのポジション維持に慎重になってドル買いポジションの調整が入った面も。
朝方は好調で始まった欧州株が上げ幅を縮め、仏CACなどが一時前日比マイナス圏に沈んだことなどもドル円、クロス円の重石となった。
 来週パウエル議長がムニューシン財務長官と上院銀行委員会での証言を行うことが決まり、
マイナス金利についての進展があるのではとの思惑もドルの重石となっている。

【NY市場】指標まちまち、ドルは買い戻し

 米指標はまちまち
小売売上高が予想を超える悪化となったものの、
NY連銀製造業景況感指数は予想より強め
その後出たミシガン大学消費者信頼感指数は、
予想だけでなく前回値を超える数字で改善が見られ、ドル買いに寄与。
ドル円は107円30銭台を回復する動きを見せた。

【本日の見通し】方向性探る

 上下ともに動きにくい展開が続く。
米中の対立が警戒材料となっており、ドル円の上値は重い。
トランプ大統領は新型コロナウイルスの発生元としての中国への批判を強めており、
15日にはファーウェイへの事実上の禁輸措置を強める決定を行った。
中国側の反発も必至となっており、米中の対立が再び通商問題につながるのではとの思惑が
ドル円の重石となっている。
 もっとも新型コロナウイルスという世界的亜リスク要因の中で、流動性の高いドルへの需要は根強い。
ドル円はドル買いと円買いで相殺される形で方向感が出にくい。

 ユーロはドイツ憲法裁判所のECBの量的緩和についての違憲判断が重石。
EU司法裁判所とドイツ憲法裁判所の対立なども含め,先行き不透明感が強い。
対ドル、対円で売りが出やすい流れに。

【本日の戦略】下値リスク意識

 デイトレはレンジ取引を中心に。
スウィングは突っ込んだ売り買いを避けたい。
戻りは売りに回ってみたい。リスクは下方向がやや優勢か

※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
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《5/15 金曜日》
   ドル円  ユーロドル  ユーロ円
始値  107.25  1.0805  115.88
高値  107.43  1.0851  116.20
安値  106.86  1.0789  115.48
終値  107.06  1.0820  116.02
—+—+—+—+—+—+—+–+–
《5/15 金曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経  20037.47 +122.69
DOW   23685.42 +60.08
S&P    2863.70 +11.20
Nasdaq  9014.56 +70.84
FTSE   5799.77 +58.23
DAX   10465.17 +128.15
—+—+—+—+—+—+—+–+–
《5/15 金曜日の商品市場》
NY原油先物6月限(WTI)(終値)
1バレル=29.43(+1.87 +6.79%)
NY金先物6 月限(COMEX)(終値)
1オンス=1756.30(+15.40 +0.88%)
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《5/15 金曜日に発表された主な経済指標》

【日本】
国内企業物価(4月)08:50
結果 -1.5%
予想 -0.8% 前回 -0.9%(前月比)
結果 -2.3%
予想 -1.4% 前回 -0.4%(前年比)

【中国】
鉱工業生産指数(4月)11:00
結果 3.9%
予想 1.5% 前回 -1.1%(前年比)
結果 -4.9%
予想 -5.4% 前回 -8.4%(年初来・前年比)

小売売上高(4月)11:00
結果 -7.5%
予想 -6.0% 前回 -15.8%(前年比)
結果 -16.2%
予想 -15.6% 前回 -19.0%(年初来・前年比)

【ユーロ圏】
ドイツ生産者物価指数(4月)15:00
結果 -0.7%
予想 -0.6% 前回 -0.8%(前月比)
結果 -1.9%
予想 -1.8% 前回 -0.8%(前年比)

ドイツGDP・速報値(第1四半期)17:00
結果 -2.2%
予想 -2.2% 前回 -0.1%(0.0%から修正)(前期比)
結果 -2.3%
予想 -2.0% 前回 0.4%(前年比)

ユーロ圏GDP・改定値(第1四半期)18:00
結果 -3.8%
予想 -3.8% 前回 -3.8%(前期比)
結果 -3.2%
予想 -3.3% 前回 -3.3%(前年比)

ユーロ圏貿易収支(3月)18:00
結果 235億ユーロ
予想 170億ユーロ 前回 256億ユーロ(258億ユーロから修正)(季調済)
結果 282億ユーロ
予想 N/A 前回 230億ユーロ(季調前)

【香港】
実質GDP・確報値(第1四半期)17:30
結果 -5.3%
予想 -5.3% 前回 -5.3%(前期比)
結果 -8.9%
予想 -8.9% 前回 -8.9%(前年比)

【米国】
小売売上高(4月)21:30
結果 -16.4%
予想 -12.0% 前回 -8.3%(-8.7%から修正)(前月比)
結果 -17.2%
予想 -8.5% 前回 -4.0%(-4.5%から修正)(コア・前月比)
 
NY連銀製造業景気指数(5月)21:30
結果 -48.5
予想 -60.0 前回 -78.2

鉱工業生産(4月)22:15
結果 -11.2%
予想 -12.0% 前回 -4.5%

設備稼働率(4月)22:15
結果 64.9%
予想 63.8% 前回 73.2%(72.7%から修正)

ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)(5月)23:00
結果 73.7
予想 68.0 前回 71.8

企業在庫(3月)23:00
結果 -0.2%
予想 -0.2% 前回 -0.5%(-0.4%から修正)(前月比)

対米証券投資(3月)05:00
結果 -1126億ドル
予想 N/A 前回 496億ドル(494億ドルから修正)
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《5/15 金曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》

【日本】
*安倍首相
新型コロナウイルス「第2波、第3波」に常に備える必要がある。
緊急事態宣言が解除されても、ワクチン開発や有効な治療法が見つかるまで、
新型コロナウイルスとの闘いは長期戦を覚悟する必要がある。

【米国】
*クオモNY州知事
ステイホーム指示を6月13日まで延長することを木曜日夜の新しい行政命令として示した。
州北部の5つの地域とセントラルNYで金曜日に再開フェーズ1を開始する。
その他地域はベンチマークを達成した後での再開となる。

*カプラン・ダラス連銀総裁
ネガティブレート(マイナス金利)に向かうべきではない。
大きな理由として、世界の他の地域で施行されていること。
米国には大きなマネーマーケット産業があり、大きな金融仲介業がある。
マイナス金利はその双方に大きなダメージを与える可能性がある。
マイナス金利ではなく他の使用するべきツールがある。
FRBでは厳しい状況からの脱却のために融資に加えてより多くの財政政策が必要となる。

*トランプ大統領
米疾病予防管理センター(CDC)の指針は非常に良い。
望む人には全員にワクチンを提供。
中国はたくさんの米製品を購入している。
学校は秋には開校すべき。
経済再開後の感染拡大を防ぐために大きな計画がある。

*クドロー米国家経済会議(NEC)委員長
米経済はまだフリーフォールのまま。
低迷から抜け出し方に時間を費やすことはできない。
米国に生産を戻す企業に法人税を半分にする案は検討余地。
米中は引き続き貿易交渉に取り組んでいる。
恐らく数週間で景気支援策を協議。
支援策は給与税削減などに焦点を当てる必要。

【ユーロ圏】
*ラガルドECB総裁
ECBの政策は大きな支援を提供している。
刺激策が不足であれば追加で行う。

【中国】
*中国環球時報
科学が政治に敗北、だから米国はウイルスに負けた
中国に責任を押し付けることで政治バランスを取ろうとしている
米政府は謙虚にこれまでを振り返り、改めて科学を政治の上に置くべきだ

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《本日予定されている主な経済指標》

【英国】
ライトムーブ住宅価格(5月)8:01
予想 N/A 前回 -0.2%(前月比)
予想 N/A 前回 2.1%(前年比)

【日本】
GDP・1次速報値(第1四半期)8:50
予想 -1.1% 前回 -1.8%(前期比)
予想 -4.5% 前回 -7.1%(前期比年率)

GDPデフレータ・1次速報値(第1四半期)8:50
予想 0.7% 前回 1.2%(前年比)

第3次産業活動指数(3月)13:30
予想 -3.7% 前回 -0.5%(前月比)

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執筆者 山岡和雅

執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長

1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員

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