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パウエル議長、現時点でのマイナス金利検討を否定

見通し 

パウエル議長、現時点でのマイナス金利検討を否定

ドル円は106円台から107円台に戻すも頭は重い

ユーロは振幅。1.09を付けきれず値を落とす

NZ中銀量的緩和をほぼ倍増、将来的なマイナス金利導入を示唆

【東京市場】NZ量的緩和拡大、将来のマイナス金利示唆

 ドル円は107円台前半の狭いレンジでもみ合いに。NY市場引け後に107円10銭割れを試し、東京朝もほぼ同水準まで値を落とすなど、頭の重い展開となったが、107円ちょうど手前には買いが入っており、大台を維持した。
 もっとも戻りは鈍く、107円20銭台では売りが出る流れ。
 ユーロドルも1.0850を挟んでの狭いレンジでもみ合うなど、主要通貨は様子見となった。
 今晩のパウエルFRB議長の講演が注目されており、積極的な取引を手控えるムードも。

 そうした中動きが目立ったのがNZドル。
 11時に結果が発表されたNZ中銀金融政策理事会では、量的緩和(LSAP:大規模資産購入プログラム)の規模を従来の330億NZドルから600億NZドルへほぼ倍増。政策金利は現状維持としたが、オア総裁はやれることはすべてやると発言、バスガンド副総裁はNZ金融機関は年末までにマイナス金利の準備をと、年内のマイナス金利実施を示唆しており、NZドル売りが広がった。発表前に対ドル0.6080近辺を付けていたNZドルは、発表直後に0.6090台まで上昇した後一気に売られ、0.6030台に。さらに総裁・副総裁会見で売りが強まり、、一時0.6000割れを付ける動きが見られた。NZ円も65円20銭前後から64円30銭台まで大きく値を落としている。

【ロンドン市場】ドル全面安

ドル全面安の動きとなった。ドル円は昨日NY市場夕方、今日の東京市場午前と二度下値を支えた107円、08銭近辺の安値を割り込み、106円台を付ける動きとなった。ユーロやポンドも対ドルでしっかりの展開。
 ドル円は午後10時から予定されているパウエル議長講演を前に107円台前半の狭いレンジでもみ合いが続いていたが、上値の重さもあって、ロンドン勢が入る時間になって、下値トライの動きに。今日のNZ中銀金融政策理事会でQEがほぼ倍増され、年内のマイナス金利導入が示唆されるなど、積極的な緩和策が示される中で、NZドル円の売りが入り、ドル円もやや頭の重い動きに。
 トランプ大統領が昨日NY市場でFRBに対するマイナス金利導入について「他国はマイナス金利の利点を得ており、米国も「ギフト」を受けるべきだ」と発言したことで、この後のパウエル議長講演への期待感が強まったこともドル売りを誘った。
 ユーロに関しては、ドイツが6月15日付で他国との全ての国境を開く姿勢を示したことなどがユーロ買いドル売りに。

【NY市場】一時106円75銭近辺も値を戻す

 ロンドン午後、NY早朝に106.75円近辺まで値を落としたドル円。
注目されたパウエル議長講演で
マイナス金利について、現時点では検討の対象ではないと否定したことで107円台を回復した。
他のFOMCメンバーと同様の見解を示したものとなる。
米株は戻り売り。マイナス金利の可能性を示すことをある程度期待していたものと見られた。
もっとも107円台での買いには慎重で頭の重い展開が続いた。

 ドル全面安の中で1.09近くまで上昇していたユーロドルは1.08台前半へ値を落とした。

【本日の見通し】ドル円頭の重いもみ合い

 ドル円、昨日はパウエル議長発言で値を戻したが、
107円台での買いに慎重姿勢が見られるなど、頭の重い状況は変わらず。
突っ込んだ売りは避けられるにしても、戻りの鈍さから意識は下方向。
昨日の安値を割り込むともう一段の下げもありそう。

 ユーロやポンドの対ドルでの下げ(ドル高)がドル円を支える格好。
欧州通貨はもう一段の下げがありそう。
特にユーロはECBの資産買い入れが積極的で売りが出やすい流れに。
1.09を超えられなかったこともあり、1.08割れを意識。

【本日の戦略】戻り売り

 106円台を突っ込んだ売りたくないところでもあり、
107円台での戻り売りを意識か。
107.50超えではストップ。

 ユーロドルも戻り売りで、ユーロ円も下の意識がかなり強そう。
ユーロの方が売りやすい印象でユーロドルは1.08割れから1.07台前半を意識。
1.0850超えはストップか。

※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません

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《5/13 水曜日》
   ドル円  ユーロドル  ユーロ円
始値  107.14  1.0848  116.22
高値  107.28  1.0896  116.41
安値  106.74  1.0812  115.69
終値  107.03  1.0818  115.80
—+—+—+—+—+—+—+–+–
《5/13 水曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経  20267.05 -99.43
DOW   23247.97 -516.81
S&P    2820.00 -50.12
Nasdaq  8863.17 -139.38
FTSE   5904.05 -90.72
DAX   10542.66 -276.84
—+—+—+—+—+—+—+–+–
《5/13 水曜日の商品市場》
NY原油先物6月限(WTI)(終値)
1バレル=25.29(-0.49 -1.90%)
NY金先物6 月限(COMEX)(終値)
1オンス=1716.40(+9.60 +0.56%)
-+—+—+—+—+—+—+—+—+-
《5/13 水曜日に発表された主な経済指標》
【韓国】
失業率(4月)8:00
結果 3.8%
予想 4.1% 前回 3.8%

【日本】
国際収支(3月)08:50
結果 19,710億円
予想 20,342億円 前回 31,688億円(経常収支)
結果 9,423億円
予想 12,541億円 前回 23,525億円(23,781億円から修正)(経常収支・季調済)
結果 1,031億円
予想 1,850億円 前回 13,666億円(貿易収支)

【豪州】
Westpac消費者信頼感指数(5月)9:30
結果 16.4%
予想 N/A 前回 -17.7%(前月比)

【NZ】
NZ中銀政策金利 11:00
結果 0.25%
予想 0.25% 現行 0.25%

【英国】
GDP・速報値(第1四半期)15:00
結果 -2.0%
予想 -2.6% 前回 0.0%(前期比)
結果 -1.6%
予想 -2.2% 前回 1.1%(前年比)

鉱工業生産(3月)15:00
結果 -4.2%
予想 -5.6% 前回 -0.1%(0.1%から修正)(前月比)
結果 -8.2%
予想 -9.1% 前回 -3.4%(-2.8%から修正)(前年比)

製造業生産高(3月)15:00
結果 -4.6%
予想 -6.0% 前回 0.3%(0.5%から修正)(前月比)
結果 -9.7%
予想 -10.5% 前回 -4.3%(-3.9%から修正)(前年比)

商品貿易収支(3月)15:00
結果 -125.08億ポンド
予想 -100.00億ポンド 前回 -98.34億ポンド(-114.87億ポンドから修正)(商品貿易収支)

【ユーロ圏】
ユーロ圏鉱工業生産(3月)18:00
結果 -11.3%
予想 -12.5% 前回 -0.1%(前月比)
結果 -12.9%
予想 -13.6% 前回 -2.2%(-1.9%から修正)(前年比)

【ブラジル】
小売売上高(3月)21:00
結果 -1.2%
予想 -3.9% 前回 4.7%(前年比)

【米国】
MBA住宅ローン申請指数(8日までの週)20:00
結果 0.3%
予想 N/A 前回 0.1%(前週比)

生産者物価指数(4月)21:30
結果 -1.3%
予想 -0.5% 前回 -0.2%(前月比)
結果 -0.3%
予想 -0.1% 前回 0.2%(コア・前月比)
結果 -1.2%
予想 -0.4% 前回 0.7%(前年比)
結果 0.6%
予想 0.8% 前回 1.4%(コア・前年比)

米週間石油在庫統計(バレル・前週比)23:30
原油 -74.5万(5億3148万)
ガソリン -351.3万(2億5289万)
留出油  +351.1万(1億5500万)
(クッシング地区)
原油 -300.2万(6244万)
*()は在庫総量
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《5/13 水曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》

【NZ】
*NZ中銀
政策金利を0.25%に据え置き。
雇用・物価目標を達成することを約束。
中銀予想では2021年第1四半期まで利下げの見通しはない
必要であれば引き下げる用意がある。
資産購入プログラム(LSAP)を600億NZドル引き上げる
LASPに現行決められた以外の資産を追加する準備がある。
2020年第3四半期の平均OCR(政策金利)は0.25%
2020年第4四半期の平均OCRは0.25%
2021年第1四半期の平均OCRは0.25%
2020年第2四半期のGDP収縮は21.8%
経済のリスクは依然として下方向
2021年第1四半期のCPIは-0.4%と予想
予想か脳の将来において政策金利を低く維持
必要であれば銀行に固定金利ローンを提供する用意
量的緩和の拡大により借り入れコストを迅速かつ大幅に削減

*オアNZ中銀総裁
金融政策理事会は必要なあらゆる手段をとる準備がある。
量的緩和政策の有効性は好ましい。
もし必要ならばさらなる刺激策のすべてのオプションを保持している。
他のツール同様にマイナス金利の利用も評価している
海外資産の購入は利用可能な手段である
流通市場での政府債購入にはまだ長い道のり

*バスカンドNZ中銀副総裁
NZ金融機関に年末までにマイナス金利対する用意をするように求める

【米国】
*パウエルFRB議長
経済を守るため追加の政策措置が必要になる可能性。
ウイルスで長期の経済的打撃への懸念が高まった。
見通しは極めて不透明、下向きのリスクは大きい。
我々が期待するより数ヵ月長く回復にかかる可能性。
失業率は来月くらいにピークを打つ。
ウイルス感染が制御可能になれば経済は回復。
マイナス金利は現時点で検討の対象ではない。
企業への融資のためにFRBはリスクをとる意向。
強い世界経済への関心は非常に高い。

*米30年債入札結果
最高落札利回り 1.342%(WI:1.334%)
応札倍率    2.30倍(前回:2.35倍)

*NY連銀が3ヵ月物レポを終了
NY連銀はドルの流動性ひっ迫が緩和したとして、3ヵ月物
レポの終了を発表した。ただ、1ヵ月物は継続するとしている。

【ユーロ圏】
*デギンドスECB副総裁
ユーロ圏経済は第3か第4四半期に回復を見込む。
2021年には約6%成を見込む。
ウイルス感染前の状況に戻るには最大2年間かかる。

*コンテ伊首相
イタリア政府が550億ユーロの景気対策を承認。
中小企業への支援策や、40億ユーロ規模の減税策、
打撃が大きかった国民への所得補償などを含む。

【英国】
*べスリー英中銀総裁
追加の量的緩和(QE)を市場は見込でいる。
急激なリセッション入りを見込む。
追加緩和を見込むのは明らか。
+—+–+—+—+—+—+—+—+–+–
《本日予定されている主な経済指標》

【英国】
RICS住宅価格指数(4月)8:01
予想 -25% 前回 11%

【日本】
マネーストックM2(4月)8:50
予想 3.4% 前回 3.3%

【豪州】
失業率(4月)10:30
予想 8.2% 前回 5.2%

雇用者数(4月)10:30
予想 -57.50万人 前回 0.59万人

【ユーロ圏】
ドイツ消費者物価指数・確報値(4月)15:00
予想 0.3% 前回 0.3%(前月比)
予想 0.8% 前回 0.8%(前年比)

ドイツ調和消費者物価指数・確報値(4月)15:00
予想 0.4% 前回 0.4%(前月比)
予想 0.8% 前回 0.8%(前年比)

【インド】
卸売物価指数(4月)15:30
予想 0.23% 前回 1.00%(前年比)

【米国】
新規失業保険申請件数(9日までの週)21:30
予想 250.0万件 前回 316.9万件

輸入物価指数(4月)21:30
予想 -3.2% 前回 -2.3%(前月比)
予想 -7.4% 前回 -4.1%(前年比)

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執筆者 山岡和雅

執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長

1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員

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