ユーロ高円安強まる、ドル円も107円台半ば近くまで
ユーロ高円安強まる、ドル円も107円台半ば近くまで
ユーロ円は2円以上の上昇。ECB理事会なども支え
ECB理事会は基本据え置きも、3年物供給を準備、総裁は緩和姿勢を強調
【東京市場】朝方ドル買い円売りも続かず
30日の東京市場、ドル円は朝方ドル高の動きが強まり、昨日海外市場の高値を超えて、一時106円87銭を付ける動きとなった。月末ということで仲値がらみのドル買い需要が入ったと見られた。もっとも28日同様に106円90銭-00銭の上値抵抗水準が重く、上値進行を止められると、その後はドル売り円買いが優勢となり、朝の上昇分を解消して106円台半ば割れまで。もっとも106円50銭割れからのドル売りは限定的で、レンジ内での取引に終始している。
昨日のFOMCで中期的な新型コロナウイルスの影響に関する言及があり、V字回復への期待が後退していることなどがドルの頭を抑えるところも、下値を突っ込んで売るだけの勢いも見られず。
【ロンドン市場】朝方はドル売り先行も、その後ドル買い円売りに
朝方は東京午後からのドル売りの流れ。東京午前の上昇分を解消する動きに。
その後ドル円は切り返して106円台後半での推移に。
ユーロドルは1.0890近辺まで上昇などユーロ買いドル売りの動きとまちまち。
ECB理事会を前にした警戒感も見られた。
【NY市場】ドル円一時107円台半ば近くまで
ドル円は一時107円台半ば近くまで上昇。
月末の実需がらみの外貨買いがロンドンふぃき寝具にかけて入り
ドル円ユーロ円などクロス円が軒並みの上昇。
ドル円は107円台にしっかりと乗せた。
その後106円台に値を落とす場面が見られたが
午後に入って再びドル買い円売りに。
NY原油の上昇がリスク選好での円売りを誘った面も。
ユーロドルはロンドンの高値を超えて上昇が強まり1.09台半ばを超えて一時1.0970近辺為。
ECB理事会は基本的に据え置きも
ユーロ圏金融機関を対象に長期融資制度を立ち上げ、3年で史上最低のマイナス1%という制度を発表など
緩和政策を実施。
総裁は追加措置の可能性を強調。
【本日の見通し】しっかりの展開
ドル円が107円台をいったんしっかりと回復。
朝は若干利益確定優勢も、クロス円の上昇傾向もあり、
基調はしっかりの動きか。
107円を挟んでのレンジ取引を中心に
107円台半ば超えを意識する展開か。
ユーロは基本堅調。ECB理事会での対応はユーロに対する安心感につながったと期待され
中期的にもユーロ買いの動きに。
【本日の戦略】押し目買い
しっかりの展開が見られ107円台後半トライへの期待も。
107円台前半での買い場をうまく探りたい。
出来れば107円ちょうど近くで買って106.80割れすトップの意識。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
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《4/30 木曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 106.68 1.0873 116.01
高値 107.50 1.0972 117.78
安値 106.41 1.0833 115.55
終値 107.18 1.0955 117.42
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《4/30 木曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 20193.69 +422.50
DOW 24345.72 -288.14
S&P 2912.43 -27.08
Nasdaq 8889.55 -25.16
FTSE 5901.21 -214.04
DAX 10861.64 -246.10
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《4/30 木曜日の商品市場》
NY原油先物6月限(WTI)(終値)
1バレル=18.84(+3.78 +25.10%)
NY金先物6 月限(COMEX)(終値)
1オンス=1694.20(-19.20 -1.12%)
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《4/30 木曜日に発表された主な経済指標》
【日本】
鉱工業生産・速報値(3月)8:50
結果 -3.7%
予想 -5.0% 前回 -0.3%(前月比)
結果 -5.2%
予想 -7.3% 前回 -5.7%(前年比)
【中国】
製造業PMI(4月)10:00
結果 50.8
予想 51.0 前回 52.0
中国非製造業PMI(4月)10:00
結果 53.2
予想 52.5 前回 52.3
【ユーロ圏】
実質GDP(速報値)(2020年第1四半期)14:30
結果 -5.8%
予想 -4.0% 前回 -0.1%(前期比)
結果 -5.4%
予想 -3.7% 前回 0.9%(前年比)
ドイツ小売売上高(3月)15:00
結果 -5.6%
予想 -8.0% 前回 0.8%(1.2%から修正)(前月比)
結果 -2.8%
予想 -4.3% 前回 6.5%(6.4%から修正)(前年比)
ドイツ失業率(4月)16:55
結果 5.8%
予想 5.2% 前回 5.0%
ドイツ失業者数(4月)16:55
結果 37.3万人
予想 7.4万人 前回 0.1万人
ユーロ圏失業率(3月)18:00
結果 7.4%
予想 7.8% 前回 7.3%
ユーロ圏GDP・速報値(第1四半期)18:00
結果 -3.8%
予想 -3.8% 前回 0.1%(前期比)
結果 -3.3%
予想 -3.4% 前回 1.0%(前年比)
ユーロ圏消費者物価指数・速報値(4月)18:00
結果 0.4%
予想 0.1% 前回 0.7%(前年比)
結果 0.3%
予想 0.1% 前回 0.5%(前月比)
結果 0.9%
予想 0.7% 前回 1.0%(コア・前年比)
ECB政策金利(4月)20:45
結果 0.00%
予想 0.00% 前回 0.00%
【スイス】
小売売上高(3月)15:30
結果 -5.6%
予想 N/A 前回 0.3%(前年比)
KOF先行指数(4月)16:00
結果 63.5
予想 63.5 前回 91.7(92.9から修正)
【南アフリカ】
貿易収支(3月)21:00
結果 242億ランド
予想 95億ランド 前回 137億ランド(142億ランドから修正)(貿易収支)
【ブラジル】
雇用統計(3月)21:00
結果 12.2%
予想 12.5% 前回 11.6%(失業率)
【米国】
個人所得・支出(3月)21:30
結果 -2.0%
予想 -1.7% 前回 0.6%(個人所得)
結果 -7.5%
予想 -5.1% 前回 0.2%(個人支出)
新規失業保険申請件数(04/19 – 04/25)21:30
結果 383.9万件
予想 350.0万件 前回 444.2万件(442.7万件から修正)(前週比)
PCEデフレータ(3月)21:30
結果 1.3%
予想 1.3% 前回 1.8%(PCEデフレータ・前年比)
結果 -0.1%
予想 -0.1% 前回 0.2%(PCEコアデフレータ・前月比)
結果 1.7%
予想 1.6% 前回 1.8%(PCEコアデフレータ・前年比)
シカゴ購買部協会景気指数(PMI)(4月)22:45
結果 35.4
予想 36.9 前回 47.8
【カナダ】
実質GDP(前月比)(2月)21:30
結果 0.0%
予想 0.1% 前回 0.1%(実質GDP(前月比))
鉱工業製品価格(3月)21:30
結果 -0.9%
予想 -2.0% 前回 -0.5%(鉱工業製品価格・前月比)
結果 -15.6%
予想 N/A 前回 -4.7%(原材料価格指数・前月比)
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《4/30 木曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【米国】
*トランプ大統領
州の決定が安全なものでない場合は介入する
運動競技場ン再び人がいっぱいになるところを見たい。
郵便サービスは料金を引き上げる必要。
援助を受けている間、聖域となる都市はない
制限の過剰も危険、経済再開の目標はなるべくはやくしたい
石油業界への援助は短期間で発表
来週にもアリゾナに行くつもり
中国の新型コロナウイルスの取り扱いは大統領選で私を敗北させるために彼らが何でもするという証拠だ。
ウイルスに関する中国の帰着について様々なオプションを検討。
中国に対して出来ることは多くある。
トランプ大統領
新型ウイルス感染による負債や損失から立ち直るだろう。
ワクチン製造に過度な約束はしていない。
ワクチン製造プロジェクトに責任を負っている。
食品供給に懸念はない。
食品のサプライチェーンはかつてないほど強固。
*クドロー米国家経済会議(NEC)委員長
米当局が中国への債務返済の一部停止を検討との報道を否定。
ウイルス感染の拡大は鈍化した。
米国は危機から抜け出す方法を策定できる。
メルケル独首相
・移動制限の解除を議論するのは時期尚早。
ジョンソン英首相
・英国はウイルス感染のピークを越えた。
・来週、経済を稼働させる方法について説明する。
【南アフリカ】
*格付け大手S&Pグローバル・レーティング
南アフリカの長期外貨建て債務格付けをそれまでのBBからBB-に引き下げた。
新型コロナウイルスのパンデミックに伴う急激な景気下降懸念を反映したもの
同社は南アの今年の成長率が-4.%となり、財政赤字が拡大すると予想。
【ユーロ圏】
*ECB
主要政策金利を0.0%据え置き
預金ファシリティー金利-0.50%据え置き
限界貸出ファシリティー金利+0.25%据え置き
TLTROの条件を一段と緩和
PEPPは少なくとも2020年末まで継続
銀行に対する新たなパンデミック・リファイナンス・オペを発表する
PEPPの規模を7500億ユーロで維持
必要であれば購入ブログラム規模増額する準備は万端
TLTROの最低金利を引き下げ
*ラガルドECB総裁
ECB声明を繰り返す
ユーロ圏経済は2020年に最大12%縮小する可能性
必要であればあらゆる手段を調整する用意がある
経済への打撃はおそらく第2四半期により深刻化
必要な限りPEPPを拡大する用意ある
成長が正常化するのは2020年以降に数年間に
総合インフレ率は、今後数カ月で大幅に低下する見込み
より好ましい条件でのTLTROが貸し出しを支援するはず
このあと新規貸し出しについての詳細を発表する
生命を守ることが最優先だ
厳しいシナリオでは第2四半期に経済が15%縮小する見通し
APPについては協議しなかったが、極めて柔軟に対応できる
OMTは引き続きECBの政策手段の一部だ
PEPPは2021年へと延長する可能性ある
金融面で域内が断絶するリスクは容認しない
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《本日予定されている主な経済指標》
【豪州】
生産者物価指数(第1四半期)10:30
予想 N/A 前回 0.3%(前期比)
予想 N/A 前回 1.4%(前年比)
【英国】
ネーションワイド住宅価格指数(4月)15:00
予想 -0.3% 前回 0.8%(前月比)
予想 2.5% 前回 3.0%(前年比)
CIPS製造業PMI・確報値(4月)17:30
予想 32.8 前回 32.9
【米国】
ISM製造業景気指数(4月)23:00
予想 36.1 前回 49.1
建設支出(3月)23:00
予想 -3.5% 前回 -1.3%(前月比)
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執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員