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トランプ大統領の減税発言以降ドル買い強まる

見通し 

トランプ大統領の減税発言以降ドル買い強まる

日銀のETF枠拡大も円売りに

【東京市場】ドル円安値から3円の急騰

 ドル円は朝の102円ちょうど近くの安値から3円の上昇。大きく下げることはまれにあるが、上昇方向は珍しく、朝からの上昇率は2016年以来の大きさに。きっかけはトランプ大統領の会見による給与減税の方針で議会と調整との発言。10日(日本時間では11日朝になる可能性)に経済対策で記者会見を行うとしており、トランプ政権による新型コロナウイルス対策への期待感が広がった。

 ドル円はじりじりと103円台半ば超えまで上昇。少し動きが落ち着いたものの、習近平中国国家主席が武漢を視察との報道に、中国での新型コロナウイルスの封じ込め期待から中国株が上昇。日本円などもつれ高となり、トランプ発言で前日比800円安から前日終値に近いところまで一時上昇していた日経平均が、しっかりとプラスに転じ、前日比270円高まで上値を伸ばしたことなどからドル買い円売りの動きが再開。ドル円は105円02銭まで上値を伸ばし、少し調整も104円台後半までとしっかり。

 ドル高の動きが強まり、ユーロドルは1.1460近辺から1.1330台までユーロ安ドル高に。豪ドルが0.6610台から0.6550割れまで豪ドル売りドル買いの動き。

【ロンドン市場】ドル円一時105円台,ETF購入枠拡大が支え

  10日のロンドン市場でドル円は振幅。東京市場でトランプ大統領による給与減税の方向で議会と調整との報道でドル買い円売りが強まり、102円ちょうど手前から105円台まで上昇し、104円台に少し調整が入ってロンドン朝に。
 いったんは調整の動きに103円70銭台まで下落。東京市場だけで3円という急激な上昇に対する警戒感と、105円をいったん付けて週明けの窓を受けた格好となったことでの一服感からドル売り円買いが入る展開に。
 しかしその後再びドル円は105円台へ上昇。本日も過去最大規模でのETF買いを行った日銀が、購入枠の拡大を検討と報じられたことで東京午後の高値を超えて105円20銭台まで上値を伸ばす展開が見られた。
 もっとも105円台での買いには慎重姿勢が見られ、104円台に値を落とすなど値動きの激しい展開が続いている。

 東京市場午後のドル買いの動きに1.1330台まで値を落としたユーロドルは、ロンドン市場序盤の調整ムードに1.14台を回復する場面が見られたが、1.14台が重く1.13台前半に値を落とす展開に。もっともユーロ円の買い意欲もあって下がったところでは買いが出ている。

 週末のOPECプラスの交渉決裂でのサウジアラビアの増産発表で原油が急落し、売りが強まったカナダドル。東京市場で株高からのカナダの買い戻しが入り1.3600台までドル安カナダ高の動きも、ロンドン市場ではややカナダ売りの動きで1.36台後半での推移。サウジアラビアとロシアとの価格競争の流れで、カナダの主要産業の一つである石油産業に対する警戒感が根強い。

【NY市場】ドル円は一時103円台前半も106円手前まで上昇

 東京午後、ロンドンと105円台が重かったこともあり、NY市場でいったんはドル売り円買いが優勢となり、ドル円は103円台前半まで大きく調整が入る場面が見られた。

 しかし、その後再びドル買いの勢いが強まり、ドル円は直近高値を超えて106円手前までの大幅な上昇を見せた。

 東京朝にトランプ大統領が給与減税に言及しドル買いを誘った。NY市場ではトランプ大統領が同減税について上下両院の共和党議員に打診したことが報じられ、期待感が一気に広がった。

 民主党が多数を占める下院での協議が肝となるが、新型コロナウイルスの影響が強く出る中、民主党も難しいかじ取りを迫られており、今後への期待感が広がる格好に。

 106円手前まで上昇後は105円台でのしっかりとした推移。ダウ平均が1000ドル以上戻しており、リスク警戒感光体での円売りも。 

【本日の見通し】政府対応にらみ

 昨日の市場は東京朝にトランプ大統領による給与減税方針発言でドル買い円売り。
高値から少し調整が入ってもみ合った後
日銀のETF買い入れ枠拡大報道にドル買い円売りという流れで
各国中銀の対応を見極めにかかる展開となっている。

 2016年のトランプショック(トランプ氏が予想外に大統領で当選した直後のドル売り円買い)での安値と
ほぼ同水準である101円19銭を安値に切り返したことで、下値一服感が広がっており、買い戻しへの期待も。

 もっとも、トランプ大統領が主張する減税が下院の反対(米国の場合減税などの決定権はあくまで議会)でかなわなかったときの反動売りには注意したい。

 106円超えも含むドルの買い戻しを意識も、下値リスクは継続。

 NY原油の動きにも注意したい。こちらは新型コロナ問題とは別枠でサウジアラビアとロシアの対立がもととなっている。ただ、30ドルを割り込むような動きが再びみられると米経済やカナダ経済への悪影響が大きい。

【本日の戦略】押し目買いも慎重に

 押し目買いの流れで104円台を待って買いたいが無理をせず。
30-50銭程度のストップで着いたらあきらめるぐらいのスタンスか。

※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません

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《3/10 火曜日》
    ドル円  ユーロドル  ユーロ円
始値  102.36  1.1450  117.13
高値  105.92  1.1460  119.49
安値  102.02  1.1275  116.81
終値  105.64  1.1281  119.19
—+—+—+—+—+—+—+–+–
《3/10 火曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経  19867.12 +168.36
DOW   25018.16 +1167.14
S&P    2882.23 +135.67
Nasdaq  8344.25 +393.58
FTSE   5960.23 -5.54
DAX   10475.49 -149.53
—+—+—+—+—+—+—+–+–
《3/10 火曜日の商品市場》
NY原油先物4月限(WTI)(終値)
1バレル=34.36(+3.23 +10.38%)
NY金先物4月限(COMEX)(終値)
1オンス=1660.30(-15.40 -0.92%)
-+—+—+—+—+—+—+—+—+-
《3/10 火曜日に発表された主な経済指標》

【日本】
マネーストックM2(2月)8:50
結果 3.0%
予想 2.8% 前回 2.8%(前年比)

【中国】
消費者物価指数(2月)10:30
結果 5.2%
予想 5.2% 前回 5.4%(前年比)

生産者物価指数(2月)10:30
結果 -0.4%
予想 -0.3% 前回 0.1%(前年比)

【トルコ】
失業率(12月)16:00
結果 13.7%
予想 13.5% 前回 13.3%(失業率)

【ユーロ圏】
ユーロ圏GDP・確報値(第4四半期)19:00
結果 0.1%
予想 0.1% 前回 0.1%(前期比)
結果 1.0%
予想 0.9% 前回 0.9%(前年比)

【ブラジル】
鉱工業生産(1月)21:00
結果 -0.9%
予想 -1.0% 前回 -1.2%(前年比)

+—+–+—+—+—+—+—+—+–+–
《3/10 火曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》

【日本】
*麻生財務相
相場、神経質な動きが見られている。
新型コロナウイルス感染拡大の状況を見極める。
G7で金融・財政政策で各国は適切に対応すると合意した。

*黒田日銀総裁 
昨年9月末以降簿価が500円程度切りあがっている可能性
保有ETFについて、日経平均が1万9000円程度を下回ると時価が簿価を下回る
必要に応じ躊躇なく適切に対応
黒田日銀総裁が参院財政金融委員会で答弁
新型コロナウイルスで内外不透明感高まり市場は不安定な動き
今後影響が大きくなる可能性を十分認識、不確実性大きい
適切な市場調整・資産買い入れで市場の安定確保
必要に応じて適切な対応を躊躇なくとる。

【ユーロ圏】
*仏大統領府
ウイルス感染に予算措置が必要。
行動する用意があることを示さなければならない。
EU首脳会談にラガルドECB総裁も参加。
ウイルス感染への対応は金融政策だけとうわけには行かない。

【米国】
*トランプ米大統領
給与税減税の可能性で議会と協議する

*ムニューシン財務長官
新型コロナウイルスの影響で流動性を必要とする中小企業と協力している。
パウエルFRB議長と同問題について毎日意見交換をしている

*米エネルギー省報道官
複数国家のたくらみが原油価格の大幅下落を呼んだ

*米3年債入札結果
最高落札利回り 0.563%(WI:0.536%)
応札倍率    2.20倍(前回2.56倍)

*トランプ大統領
共和党上院議員らと協議。給与税も議題の一つ。
給与税は選挙まで免除が望ましいと共和党議員らに打診。
新型ウイルス感染は終息へ。冷静さ失うな。
航空、船舶関連産業を保護したい。

*ムニューシン米財務長官
ウイルス対策で超党派合意への道筋見える。
米財務省は独自のウイルス対策を模索。

【豪州】
*モリソン豪首相
政府は豪中銀・金融機関と密接に連携
豪中銀と共に備えを万全に
量的緩和についてはRBAの専任事項

*フライデンバーグ豪財務相
新型コロナウイルスに対する経済の反応は実体的なもの
経済の力強さを維持するためにできることはする
豪金融システム、豪経済は依然強い
財政黒字は政府の目標ではない
財政支援は経済に影響を与える

【NZ】
*オアNZ中銀総裁 
NZ経済はグローバル経済の混乱の中でうまくやっている
必要と信じるあらゆることを行う用意

*ロバートソンNZ金融相
RBNZは金利変更の余地。
第1四半期の経済は成長しない
NZドルの現水準はおおむねOK
非伝統的な金融政策手法は直近ではなさそう

【新型コロナウイルス関連】
*ECB、スタッフの1人が新型コロナウイルスに感染。
スタッフ100人を一時的に在宅勤務にする。

*米CDC(疾病対策センター)
人から人への感染が容易で、この状態が続けば来年にかけて多くの米国人が感染する。

*韓国、新たに131人の感染を確認 計7513人

【その他】
*ロシア財務省
原油価格1バレル=25-30ドルの水準が10年近く続いたとしても乗り切ることができる。
政府系ファンドの活用などで乗り切るとしている。

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《本日予定されている主な経済指標》

【韓国】
失業率(2月)8:00
予想 4.1% 前回 4.0%

【豪州】
Westpac消費者信頼感指数(3月)8:30
予想 N/A 前回 2.3%

【英国】
鉱工業生産(1月)18:30
予想 0.3% 前回 0.1%(前月比)
予想 -2.6% 前回 -1.8%(前年比)

製造業生産高(1月)18:30
予想 0.2% 前回 0.3%(前月比)
予想 -3.5% 前回 -2.5%(前年比)

商品貿易収支(1月)18:30
予想 -70.00億ポンド 前回 8.45億ポンド

【米国】
MBA住宅ローン申請指数(6日までの週)20:00
予想 N/A 前回 15.1%(前週比)

消費者物価指数(2月)21:30
予想 0.0% 前回 0.1%(前月比)
予想 2.2% 前回 2.5%(前年比)
予想 0.2% 前回 0.2%(食品エネルギー除くコア・前月比)
予想 2.3% 前回 2.3%(食品エネルギー除くコア・前年比)

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執筆者 山岡和雅

執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長

1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員

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