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米株が大幅高、リスク警戒やや後退

見通し 

米株が大幅高、リスク警戒やや後退

ドル円は東京朝に106円台を付けるも、少し戻して107円台推移
上値は重く、警戒感自体は継続

ユーロ一時1.11割れ、イタリアの感染拡大など警戒

カナダは0.50%の大幅利下げで一時売りが広がる

【東京市場】朝に直近安値更新も戻す

 昨日のNY市場での米FRBが緊急利下げを実施したことや、
にもかかわらず米株が大幅安で引けたことなどを背景に朝方はリスク警戒の動きが優勢に。
NY市場夕方に一時107円を割り込んだドル円は、東京朝に安値を更新して106.85円まで値を落とした。
しかしすぐに値を戻すと、107円台半ばに。
 ダウ平均が時間外で大幅高。日経平均もプラスに転じるなどの動きがリスク警戒感の後退を誘った。
2日にこれまでよりも4割増しとなる1002億円のETF買いを行った日銀の対応への期待感などが支えに。
さらに、3日のスーパーチューズデー(大統領選の予備選挙集中日)の結果が開票が進む中で、
中道派のバイデン氏が優勢に選挙戦を進めており、ドル買いにつながった面も。

 一時大きく下げた米長期金利は、10年債は0.95%を割り込む動きまで見られたが、
午後には少し戻しており、こちらもドル円の買い戻しにつながった。

【ロンドン市場】落ち着いた動き

 動きが落ち着き、もみ合いに。
欧州株、米株先物は堅調。
追加利下げ後にいったん下げた米株は東京市場から買い戻しが優勢に。

【NY市場】米株大幅高

 ダウ平均が1100ドル超の買い戻しに。
利下げ後の大幅安にやりすぎ感も出ていた。
スーパーチューズデーでのバイデン氏の優勢な動き、
ブルームバーグ候補が撤退を表明しバイデン氏支持を呼び掛けたことで
その前のブティジェッジ氏と合わせ、中間層の支持がバイデン氏に集まり
このまま押し切る可能性が広がったことがドル買いにつながった面も。

 ユーロはやや重い展開に。イタリアの感染拡大、フランスでも感染者が広がっており
警戒感が重石となっている。

 カナダ中銀は予想されていた0.25%ではなく0.50%の利下げに踏み切り
発表後に一時カナダ売り。

【本日の見通し】リスク警戒感は継続

 株安の動きが落ち着き、FOMC後の緊急利下げ後にも進んだ株安の調整が進んだ。ダウ平均株価は1100ドル超の大幅高。
 ドル円、クロス円はリスク警戒の動きが後退し、107円台でしっかりの動き。

 ただ、今日も神経質な展開が続くとみられる。
米株大幅高を受けてアジア時間でも株高の継続が期待され、
ドル円、クロス円は目先しっかりも、107円台後半が重くなるようだと、
下値警戒感が強まりそう。

 一昨日豪州が0.25%、米国が0.50%、昨日カナダが0.50%の利下げ。
来週にはNZの利下げが見込まれるなど
世界的に利下げ合戦が強まる中で、
利下げ余地の少ない日本とユーロが相対的に買われやすい面も。
日銀はETF増額などの対応で緩和姿勢強調も、金利面で調整がほとんど聞かない状況は
かなり厳しくなる可能性も。
当面は円高リスクを意識する展開か。

【本日の戦略】戻り売り

 戻りの重さを意識。
ドル円は108円手前が重くなるようだと、もう一度106円台のトライという意識。

※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません

-+—+–+—+—+—+—+—+—+–+–
《3/4 水曜日》
       ドル円  ユーロドル  ユーロ円
始値  107.12  1.1173  119.69
高値  107.69  1.1187  120.13
安値  106.85  1.1096  119.04
終値  107.53  1.1136  119.75

—+—+—+—+—+—+—+–+–
《3/4 水曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経  21100.06 +17.33
DOW   27090.86 +1173.45
S&P    3130.12 +126.75
Nasdaq  9018.09 +334.00
FTSE   6815.59 +97.39
DAX   12127.69 +142.30
—+—+—+—+—+—+—+–+–
《3/4 水曜日の商品市場》
NY原油先物4月限(WTI)(終値)
1バレル=46.78(-0.40 -0.85%)
NY金先物4月限(COMEX)(終値)
1オンス=1643.00(-1.40 -0.09%)
-+—+—+—+—+—+—+—+—+-
《3/4 水曜日に発表された主な経済指標》

【豪州】
GDP(第4四半期)9:30
結果 0.5%
予想 0.4% 前回 0.6%(0.4%から修正)(前期比)
結果 2.2%
予想 2.0% 前回 1.8%(1.7%から修正)(前年比)

【ユーロ圏】
ドイツ小売売上高(1月)16:00
結果 0.9%
予想 0.9% 前回 -2.0%(-3.3%から修正)(前月比)
結果 1.8%
予想 1.5% 前回 1.7%(0.8%から修正)(前年比)

ドイツ非製造業PMI・確報値(2月)17:55
結果 52.5
予想 53.3 前回 53.3

ユーロ圏非製造業PMI・確報値(2月)18:00
結果 52.6
予想 52.8 前回 52.8
 
ユーロ圏小売売上高(1月)19:00
結果 0.6%
予想 0.6% 前回 -1.1%(-1.6%から修正)(前月比)
結果 1.7%
予想 1.1% 前回 1.7%(1.3%から修正)(前年比)

【スイス】
消費者物価指数(2月)16:30
結果 0.1%
予想 0.2% 前回 -0.2%(前月比)
結果 -0.1%
予想 0.1% 前回 0.2%(前年比)

【英国】
CIPS非製造業PMI(2月)18:30
結果 53.2
予想 53.3 前回 53.3

【米国】
MBA住宅ローン申請指数(02/22 – 02/28)21:00
結果 15.1%
予想 N/A 前回 1.5%(前週比)

ADP雇用者数(2月)22:15
結果 18.3万人
予想 17.0万人 前回 20.9万人(29.1万人から修正)(前月比)

ISM非製造業景気指数(2月)00:00
結果 57.3
予想 54.8 前回 55.5

【ブラジル】
実質GDP(2019年第4四半期)21:00
結果 0.5%
予想 0.5% 前回 0.6%(前期比)
結果 1.7%
予想 1.6% 前回 1.2%(前年比)

【カナダ】
カナダ中銀政策金利 5日0:00
結果 1.25%
予想 1.50% 現行 1.75%
+—+–+—+—+—+—+—+—+–+–
《3/4 水曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》

【香港】
*香港金融当局 
基準金利を2.00%から1.50%に引き下げ

【新型コロナウイルス関連】
*ペンス米副大統領
米国内での新型コロナウイルス感染は13州で計77人。

*イタリア政府
新型コロナウイルス感染者が466人増え、計2502人。

*韓国 
新型コロナウイルス、新たに142人の感染を確認 計5328人。

【韓国】
*韓国中銀
政策状況の変更を適切に検討へ。
政府の政策との調和を考えなければならない。
市場動向を監視し、安定化を目指す。
金融政策の活用だけでは限界がある。

【日本】
*黒田日銀総裁
すでに影響見られている、新型コロナで日本経済。
すでに中国外国人観光客は大きく減少、影響出ている。
日本経済全体は設備投資や財政支出で支えられている
経済、金融市場動向を注視し、必要に応じて適切に対応。
新型肺炎長引けば、影響大きくなること十分に認識。
新型肺炎、輸出・生産・インバウンド需要・個人消費に影響。
(参院予算委員会での答弁)

【豪州】
*デベル豪中銀副総裁
新型コロナによるサービス輸出の減少の影響で第1四半期GDPは0.5%低下するだろう。
豪州のサービス輸出は第1四半期に10%減少すると予測。
金融政策は引き続き有効。
将来的には財政出動による景気刺激策も金融政策の判断材料に取り入れる。
あと1回の利下げ余地がある。
それ以上はQEを検討する必要も。

【米国】
*米地区連銀報告(ベージュブック)
大半で経済活動は緩慢ないし緩やかに拡大
新型ウイルス感染の影響で供給に遅延。
生産者は混乱を懸念。
新型ウイルス感染が旅行と観光に悪影響の兆候。
労働市場がタイトで雇用はひっ迫。

*ブラード・セントルイス連銀総裁
新型ウイルス感染が深刻化するリスクが高まっている。
現在、正しい位置に政策金利は達した。
FRBは保険を一部持ち出した。
状況は非常に流動的で3月FOMCは予断を持たずに。
3月FOMCには多くのウェイトは置いていない。
3月FOMCでは本日よりも情報は多くはないだろう。
新型ウイルス感染の影響は一時的と見ている。
利下げが病気を完治させることはないと知っている。
自身の2020年の経済見通しは非常に良好。

*カナダ中銀声明
必要なら追加調整の用意も。
1月のインフレは暫定要因で強かった。
世界の金融市場の状況は緩和的でなくなっている。
企業と家計の信頼感はさらに弱くなる可能性。
家計負債への言及は削除。

【英国】
*ベイリー英中銀次期総裁
資金供給で政府との行動が必要。
新型ウイルス感染に英中銀は素早く行動する必要。
中小企業の支援に素早く行動する必要。
小規模企業の支援で財務相と面会した。

*ブロードベント英中銀副総裁
新型ウイルス感染は重大な影響を及ぼす。
支援を追加することが役割になる可能性。
経済への影響は一時的かもしれない。
英中銀は政府や他の中銀と連絡をとっている。
英中銀は情勢を監視し、対応を検討。
–+—+—+—+—+—+—+–+—+-
《本日予定されている主な経済指標》

【豪州】
貿易収支(1月)9:30
予想 48.00億豪ドル 前回 52.23億豪ドル

【南アフリカ】
SACCI景況感指数(2月)18:30
予想 N/A 前回 92.2

【米国】
新規失業保険申請件数(29日までの週)22:30
予想 21.5万件 前回 21.9万件

製造業新規受注(1月)6日0:00
予想 -0.1% 前回 1.8%(前月比)

耐久財受注・確報値(1月)6日0:00
予想 -0.2% 前回 -0.2%(前月比)
予想 N/A 前回 0.9%(輸送除くコア・前月比)

-☆-★-☆-★-☆-★-☆-

執筆者 山岡和雅

執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長

1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員

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