ドル高圧力が円高圧力を中和=外為どっとコム総研 神田卓也
ドル高圧力が円高圧力を中和
昨日のドル/円は109円台後半でもみ合う展開が続き、終値ベースでほぼ横ばい。新型肺炎の影響で米アップルが1-3月期売上高の下振れ見通しを示した事を受けて、市場はリスク回避の動きを強めたがドル/円の下値は109.65円前後までに留まった。米2月NY連銀製造業景況指数が2019年5月以来の高水準に上昇した事などから109.94円前後に反発する場面もあったが110円台には届かなかった。
米国債利回りが低下しているだけにドル/円にも下値警戒感がくすぶるが、対ユーロを中心とするドル高圧力も根強い。昨日は、独2月ZEW景況感調査が米2月NY連銀製造業景況指数とは対照的に悪化しており、景況感格差からユーロ安・ドル高が進行した。こうしたドル高圧力がリスク回避の円高圧力を中和する展開は本日も続きそうだ。
執筆者 : 神田卓也|株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役調査部長
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 証券株式会社を経て、1991年㈱メイタン・トラディション入社。インターバンク市場にて、為替・資金・デリバティブ等の取引業務を担当し、国際金融市場に対する造詣を深める。2009年同社入社。