FOMCはパウエル議長会見で下げる
FOMCはパウエル議長会見で下げる
利上げのハードルの高さを強調し、ドル売りに
今回の据え置き来年の据え置き示唆は想定通り
ポンドは神経質 今日の選挙にらむ
東京市場】FOMCにらむ
ドル円は108円台後半での推移。朝方上値を試す展開が見られ108円85銭を付ける動きが見られたが、ナバロ米大統領補佐官が15日に予定されている中国に対する関税発動が予定通り行われる見込みを示したことなどから108円70銭割れまで調整。もっとも押し目はそこまでで108円70銭台に値を戻し、その後はもみ合いに。
FOMCを今晩に控え、上下ともに動きにくい面も。FOMCでは、政策金利据え置きで市場の見方が一致。注目はドットプロットなどで、結果次第で来年の政策金利見通しに変化が生じ、ドルの売買材料に。
ポンドは朝に急落。英調査会社の議席数予想で与党保守党が単独過半数自体は上回るも
11月27日調査から一気に議席数を20減らしたことが背景に
ロンドン市場】ポンドの下げ一服
基本的に小動き。ポンドは序盤に下げたがその後一服。
東京早朝の安値に届かず。
FOMCをにらむ展開で、突っ込んだ売り買いに慎重。
NY市場】FOMC金利据え置き、来年の据え置き示唆、パウエル慎重
FOMCは事前見通し通りの据え置き
プロジェクションマテリアルでは経済成長見通しなどに変化なく材料視されず
来年の政策金利水準見通しに関しては据え置きが圧倒的大勢で
市場の据え置き期待が広がる。
動きが見られたのはその後の議長会見で
利上げのハードルを強調し、利上げが当面ないことを示唆したことでドル売りに。
一時108円台半ば割れに。
【本日の見通し】米中協議に視点が移行
FOMCは事前見通し通りの金利据え置き。パウエル議長が会見で利上げのハードルの高さを印象付けたことでドル売りも108円台半ばまでという流れ。15日に実施予定の米国の対中関税引き上げの実施が行われるかどうかがポイントに。
ドル円は108円台半ばを中心とした推移か。
もう一つの注目は今日行われる英総選挙。日本時間明日午前7時に出口調査の報道がスタート、午前8時から実際の開票がスタートし、昼前には大勢が判明の模様。保守党が過半数をしっかり確保するようだとポンド買いも。それまでは動きにくく、今日は様子見ムードも。
【本日の戦略】ドル円はレンジ取引
ドル円は米中協議の進展、特に15日の関税引き上げ発動をどうするのかを見極めるまで
動きが出にくい展開に。
今日の通商スタッフとの大統領の協議で結論が出るようだと、NY市場に波乱も。
ポンドは神経質も明日午前7時の出口調査報道待ち。
今日は全般に様子見。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
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《12/11 水曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 108.72 1.1092 120.60
高値 108.85 1.1145 120.93
安値 108.47 1.1070 120.38
終値 108.56 1.1130 120.83
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《12/11 水曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 23391.86 -18.33
DOW 27911.30 +29.58
S&P 3141.63 +9.11
Nasdaq 8654.05 +37.87
FTSE 7216.25 +2.49
DAX 13146.74 +76.02
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《12/11 水曜日の商品市場》
NY原油先物1月限(WTI)(終値)
1バレル=58.76(-0.48 -0.81%)
NY金先物2 月限(COMEX)(終値)
1オンス=1475.00(+6.90 +0.47%)
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《12/11 水曜日に発表された主な経済指標》
【韓国】
失業率(11月)8:00
結果 3.6%
予想 3.5% 前回 3.5%
【豪州】
Westpac消費者信頼感指数(12月)8:30
結果 -1.9%
予想 N/A 前回 4.5%(前月比)
【日本】
国内企業物価(11月)8:50
結果 0.2%
予想 0.1% 前回 1.1%(前月比)
結果 0.1%
予想 0.0% 前回 -0.4%(前年比)
【南アフリカ】
消費者物価指数(11月)17:00
結果 0.1%
予想 0.1% 前回 0.0%(前月比)
結果 3.6%
予想 3.6% 前回 3.7%(前年比)
実質小売売上高(10月)20:00
結果 0.3%
予想 0.6% 前回 0.4%(0.2%から修正)(前年比)
【ブラジル】
小売売上高(10月)21:00
結果 4.2%
予想 3.8% 前回 2.1%(前年比)
ブラジル中銀政策金利 12日6:20
結果 4.50%
予想 4.50% 現行 5.00%
【米国】
MBA住宅ローン申請指数(6日までの週)21:00
結果 3.8%
予想 N/A 前回 -9.2%(前週比)
消費者物価指数(11月)22:30
結果 0.3%
予想 0.2% 前回 0.4%(前月比)
結果 0.2%
予想 0.2% 前回 0.2%(コア・前月比)
結果 2.1%
予想 2.0% 前回 1.8%(前年比)
結果 2.3%
予想 2.3% 前回 2.3%(コア・前年比)
米週間石油在庫統計(バレル・前週比)0:30
原油 +82.2万(4億4792万)
ガソリン +540.5万(2億3477万)
留出油 +411.8万(1億2359万)
(クッシング地区)
原油 -339.3万(4043万)
*()は在庫総量
FRB政策金利 12日4:00
結果 1.50-1.75%
予想 1.50-1.75% 現行 1.50-1.70%
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《12/11 水曜日のに発表された主なイベント・ニュースなど》
【米国】
*ナバロNTC委員長
合意するかは中国次第だ。
合意をせずに15日に予定されている対中関税引き上げが実行されない兆候はない。
*FOMC声明
金利は成長と雇用支援に適切。
見通しに対する不確実性の文言削除。
設備投資と輸出は弱い。消費は力強い。
インフレ期待に変化なし。
市場ベースのインフレ指標は低い。
決定は全会一致。
世界情勢と弱いインフレを監視。
*FOMC経済見通し()は9月時点
実質GDP
19年 2.2%(2.2%)
20年 2.0%(2.0%)
21年 1.9%(1.9%)
22年 1.8%(1.8%)
長期 1.9%(1.9%)
失業率
19年 3.6%(3.7%)
20年 3.5%(3.7%)
21年 3.6%(3.8%)
22年 3.7%(3.9%)
長期 4.1%(4.2%)
PCE
19年 1.5%(1.5%)
20年 1.9%(1.9%)
21年 2.0%(2.0%)
22年 2.0%(2.0%)
長期 2.0%(2.0%)
PCEコア
19年 1.6%(1.8%)
20年 1.9%(1.9%)
21年 2.0%(2.0%)
22年 2.0%(2.0%)
FOMCメンバー金利見通し(ドット・プロット)
2020年
1.625% 13人
1.875% 4人
中央値は1.625% 来年の据え置き示唆
*パウエルFRB議長
リスクにもかかわらず、我々の経済見通しは良好。
金融政策は好位置にある。
所得と消費者信頼感が上昇。
世界経済は脆弱。貿易問題が重石に。
緩やかな成長持続を見込む。
継続的に2%を下回るインフレは不健全。
インフレは2%への上昇を見込む。
2%のインフレ目標に強くコミット。
現在の政策スタンスは成長と雇用を支援。
現在の政策スタンスは適切。
政策に事前に決まったコースはない。
パウエル議長(質疑応答)
・経済は98年とは違う。利上げは必要ない。
・利上げには著しくて持続性のあるインフレ加速が必要。
・利付債購入が必要となれば、そうする意向。
【英国】
*Yougov調査
保守党の議席数見込みが339議席、11月27日の調査から20議席の低下。
【NZ】
*NZ財務省半期経済財政見通しを更新
()内は前回見通し
2019/20年度財政 9.43億NZドル赤字(13億ドル黒字)
20/21年度 0.57億NZドル黒字(21億ドル黒字)
21/22年度 17.5億NZドル黒字(47億ドル黒字)
2019/20年度経済成長 2.3%(3.2%)
20/21年度 2.9%(2.6%)
21/22年度 2.6%(2.4%)
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《本日予定されている主な経済指標》
【日本】
機械受注(10月)8:50
予想 0.7% 前回 -2.9%(前月比)
予想 -1.6% 前回 5.1%(前年比)
【英国】
RICS住宅価格指数(11月)9:01
予想 -5% 前回 -5%
【シンガポール】
小売売上高(10月)14:00
予想 0.6% 前回 1.9%(前月比)
予想 -1.4% 前回 -2.2%(前年比)
【ユーロ圏】
ドイツ消費者物価指数・確報値(11月)16:00
予想 -0.8% 前回 -0.8%(前月比)
予想 1.1% 前回 1.1%(前年比)
ドイツ調和消費者物価指数・確報値(11月)18:00
予想 -0.8% 前回 -0.8%(前月比)
予想 1.2% 前回 1.2%(前年比)
ユーロ圏鉱工業生産指数(10月)19:00
予想 -0.5% 前回 0.1%(前月比)
予想 -2.4% 前回 -1.7%(前年比)
ECB政策金利 21:45
予想 0.00% 現行 0.00%
【スイス】
スイス中銀政策金利 17:30
予想 -0.75% 現行 -0.75%
【南アフリカ】
生産者物価指数(11月)18:30
予想 0.2% 前回 0.3%(前月比)
予想 2.9% 前回 3.0%(前年比)
【トルコ】
トルコ中銀政策金利 20:00
予想 12.50% 現行 14.00%
【インド】
鉱工業生産(10月)21:00
予想 -4.8% 前回 -4.3%(前年比)
【米国】
生産者物価指数(11月)22:30
予想 0.2% 前回 0.4%(前月比)
予想 1.2% 前回 1.1%(前年比)
予想 0.2% 前回 0.3%(食品エネルギー除くコア・前月比)
予想 1.7% 前回 1.6%(食品エネルギー除くコア・前年比)
新規失業保険申請件数(7日までの週)22:30
予想 21.4万件 前回 20.3万件
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執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員