一時109円付けるも続かず、雇用統計にらみ慎重
一時109円付けるも続かず、雇用統計にらみ慎重
ユーロドルしっかり、ポンドも買いが優勢
【東京市場】109円手前に売り
ドル円は108円台後半、昨日の海外市場で米中協議の合意が近いとの報道で交渉進展期待が広がったことで108円90銭台に。東京市場もその流れで高値圏推移が続いた。もっとも109円手前の売りを崩せず、午後に入って少し調整。108円70銭台まで値を落としている。
昨日の中銀理事会で「世界経済に安定化の初期の兆候」とやや楽観的な姿勢が示されたことで買いが入ったカナダドルは海外市場の流れが継続する形で朝にカナダ買い。ドルカナダは昨日の会合前の1.3290近辺からNY午後に1.32割れまで値を落とした後、東京朝に1.3180までドル安カナダ高が進行。その後は安値圏もみ合いが午後まで続いた。
【ロンドン市場】一時109円近辺
109円ちょうど近辺の推移。東京市場での堅調地合いを経て
ロンドン朝から買いが強まった。
米中協議の進展期待をロンドン勢が改めて反応といったところ。
ポンドもしっかり、こちらも目立った材料はなく
大きな変化なく進む英選挙戦を受けて、
保守党の過半数確保の可能性が強まったとの見方が広がっている。
【NY市場】やや調整
ドル円はNY市場の高値から調整、雇用統計をにらみ突っ込んだ買いにも慎重姿勢。
目立った米中協議の新規材料もなく、合意期待は継続で下値はしっかり。108円台後半推移に。
【本日の見通し】雇用統計にらむ
米中通商協議の進展期待が回復傾向で雇用統計次第ではドル買いの動きも期待されるところに。
雇用統計は前回GMの大規模ストライキの影響で非農業部門雇用者数が弱めに出たが
今回はストライキ解消分で反動で増えるはずということもあり、
回復が期待されている。
もっとも月曜日のISM製造業景気指数、水曜日のADP雇用者数、ISM非製造業景気指数が
軒並みのかなりの弱さ。とくにADPは衝撃的な弱さで
今回の雇用統計にもやや警戒感が出ている。
予想前後もしくは強めに出ると109円台にしっかり回復の期待も
ADPのようにかなり弱く出ると一気に売りが出る可能性。
結果待ちでそれまでは動きにくい面も。
【本日の戦略】雇用統計次第
雇用統計次第の動き
出た方向に基本的には乗る格好も
突っ込んだ売り買いは避け、来週に回る手も。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
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《12/5 木曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 108.86 1.1078 120.59
高値 109.00 1.1108 120.89
安値 108.66 1.1078 120.56
終値 108.76 1.1104 120.77
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《12/5 木曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 23300.09 +164.86
DOW 27677.79 +28.01
S&P 3117.43 +4.67
Nasdaq 8570.70 +4.03
FTSE 7137.85 -50.65
DAX 13054.80 -85.77
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《12/5 木曜日の商品市場》
NY原油先物1月限(WTI)(終値)
1バレル=58.43(変わらず)
NY金先物2 月限(COMEX)(終値)
1オンス=1483.10(+2.90 +0.20%)
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《12/5 木曜日に発表された主な経済指標》
【豪州】
貿易収支(10月)9:30
結果 45.02億豪ドル
予想 65.00億豪ドル 前回 71.80億豪ドル
小売売上高(10月)9:30
結果 0.0%
予想 0.3% 前回 0.2%(前月比)
【インド】
中銀政策金利(12月)15:15
結果 5.15%
予想 4.90% 前回 5.15%(インド中銀政策金利)
【ユーロ圏】
ドイツ製造業受注(10月)16:00
結果 -0.4%
予想 0.4% 前回 1.5%(1.3%から修正)(前月比)
結果 -5.5%
予想 -4.7% 前回 -5.0%(-5.4%から修正)(前年比)
ユーロ圏GDP・確報値(第3四半期)19:00
予想 0.2% 前回 0.2%(前期比)
予想 1.2% 前回 1.2%(前年比)
ユーロ圏小売売上高(10月)19:00
予想 -0.4% 前回 0.1%(前月比)
予想 2.0% 前回 3.1%(前年比)
【南アフリカ】
SACCI景況感指数(11月)18:30
結果 92.7
予想 N/A 前回 91.7
【カナダ】
国際商品貿易(10月)22:30
結果 -10.8億カナダドル
予想 -14.5億カナダドル 前回 -12.3億カナダドル(-9.8億カナダドルから修正)
Ivey購買担当者景況感指数(11月)00:00
結果 60.0
予想 N/A 前回 48.2
【米国】
貿易収支(10月)22:30
結果 -472億ドル
予想 -485億ドル 前回 -511億ドル(-525億ドルから修正)
新規失業保険申請件数(11/24 – 11/30)22:30
結果 20.3万件
予想 21.5万件 前回 21.3万件(前週比)
製造業新規受注(10月)00:00
結果 0.3%
予想 0.3% 前回 -0.8%(-0.6%から修正)(前月比)
耐久財受注(確報値)(10月)00:00
結果 0.5%
予想 0.6% 前回 0.6%(前月比)
結果 0.5%
予想 0.6% 前回 0.6%(コア・前月比)
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《12/5 木曜日のに発表された主なイベント・ニュースなど》
【NZ】
*NZ中銀
国内の商業銀行に対する資本規制の強化策を最終決定
2020年7月をスタートとする7年間で資本バッファーを引き上げ(従来案5年)
大手銀行(豪資本四大銀行のNZ支店)はティア1比率16%に(現状8.5%)
自己資本は13.5%(7%)、総資本18%(10.5%)
その他すべての銀行はティア1比率14%(8.5%)
自己資本 11.5%(7%)総資本16%(10.5%)
【中国】
*ファーウェイ
米連邦通信委員会による同社製品の排除決定を不当として米国の裁判所に提訴。
*中国商務省報道官
米中は貿易を巡り緊密な意思疎通を行っている。
合意に至るなら関税はそれに応じて撤回すべきだ。
米中貿易協議を巡り発表できるこれ以上の詳細はない。
【カナダ】
*レーン・カナダ中銀副総裁
カナダ中銀が米金融当局動向に追随する理由は見当たらない。
GDP成長は急速に鈍化したが、一時的にとどまるだろう。
カナダ中銀の現在の金融政策は適切。
カナダ経済は引き続き力強い。
インフレは引き続き目標水準で推移している。
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《本日予定されている主な経済指標》
【日本】
景気先行指数・速報値(10月)14:00
予想 N/A 前回 91.1
景気一致指数・速報値(10月)14:00
予想 N/A 前回 101.1
【ユーロ圏】
ドイツ鉱工業生産(10月)16:00
予想 0.2% 前回 -0.6%(前月比)
予想 -3.6% 前回 -4.3%(前年比)
【カナダ】
失業率(11月)22:30
予想 5.5% 前回 5.5%
雇用者数(11月)22:30
予想 1.00万人 前回 -0.18万人
【米国】
失業率(11月)22:30
予想 3.6% 前回 3.6%
非農業部門雇用者数(11月)22:30
予想 18.5万人 前回 12.8万人
ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値(12月)7日0:00
予想 97.0 前回 96.8
卸売在庫・確報値(10月)7日0:00
予想 0.2% 前回 0.2%(前月比)
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執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員