ドル高円安基調継続、米中協議の進展期待継続へ
ドル高円安基調継続、米中協議の進展期待継続へ
米中電話協議、具体的な内容は報じられずも前向きな継続で合意へ
ポンドは世論調査で労働党が支持を広げてややポンド売り
【東京市場】新華社報道で一時ドル高円安、すぐに値を戻す展開に
26日の東京市場、米中通商協議の進展期待が広がる中でドル円は朝方に前日のNY市場で上値を抑えた109円手前の売りをこなし、109円台に乗せる動きに。さらに中国国営新華社通信が米中が協議継続で合意と報じたことで一気にドル高円安の動きが広がり、109円21銭まで上値を伸ばす場面が見られた。もっともすぐに値を戻すと、その後はやや頭の重いもみ合いとなり、109円割れに。100ドル以上上昇していたダウ平均先物や、300円以上上昇していた日経平均が半分以上上げ幅を縮め、香港ハンセンがマイナス圏、上海総合もマイナス転する場面が見られるなど、頭の重い展開に。
新華社報道については協議の継続が合意ということで、状況に大きな変化はなく、アルゴ取引でキーワードとして米中協議と合意というセンテンスに反応してドル買いが入ったのではとのうわさも流れていた。いったん上値をトライしたことで頭が重くなり、午後は108円90円台を中心とした推移に。
【ロンドン市場】ポンド売り
英世論調査で労働党の支持が高まり保守党との支持率が縮まったことで
ポンド売りが広がっている。
労働党のマニフェストである富裕層への増税やインフラ国有化などが一定の支持を受けているとみられる。
ポンドドルは1.28台なかばへ。
ドル円は108円台後半を中心の推移。いったん東京午前に上値を試したことで上値トライに慎重も
下値もしっかりとなっている。
【NY市場】米中協議進展期待
ドル円は109円10銭台、堅調な地合いが維持している。
米中協議の進展期待が押し上げに。
米中の電話会談が劉副首相とライトハイザーUSTR代表、ムニューシン財務長官とで行われ
内容は伝わっていないが今後の協議継続で合意と報じられている。
こうした状況がドル円を押し上げる格好。
米株も続伸となっており、リスク選好の流れか。
【本日の見通し】米中通商協議の進展期待が継続
米中通商協議の進展期待が継続している。昨日中国の劉副首相と米国のライトハイザーUSTR代表、ムニューシン財務長官が電話会談。
中国商務省は、米中は第1段階の合意に向け対話継続で同意し、重要問題を適切に解決することで意見が一致したと発表。
米国側からはコメントが出ていないが、市場の進展に向けた期待感が強まっている。
もっとも具体的な合意内容などが出てきておらず
調印時期についても不透明な状況が継続している。
ドル円は109円台でしっかりの展開も
積極的に上値を責める流れでもなく
下値の堅さを確認しながらの展開か。
クロス円も基本的にしっかり。欧州通貨は対ドルでもみ合いとなっており
リスク選好での円売りが支え。
【本日の戦略】押し目買い
押し目買いの動き、
ドル円は109円台での推移が中心もここからの積極的な買いにはリスクも。
下がったところを丁寧に拾いたいところ。
デイトレは早めの買いも見切りも早め。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
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《11/26 火曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 108.93 1.1014 119.95
高値 109.21 1.1026 120.25
安値 108.88 1.1007 119.92
終値 109.05 1.1021 120.17
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《11/26 火曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 23373.32 +80.51
DOW 28121.68 +55.21
S&P 3140.52 +6.88
Nasdaq 8647.93 +15.45
FTSE 7403.14 +6.85
DAX 13236.42 -10.03
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《11/26 火曜日の商品市場》
NY原油先物1月限(WTI)(終値)
1バレル=58.41(+0.40 +0.69%)
NY金先物2月限(COMEX)(終値)
1オンス=1467.40(+3.60 +0.25%)
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《11/26 火曜日に発表された主な経済指標》
【シンガポール】
鉱工業生産指数(10月)14:00
結果 3.4%
予想 0.6% 前回 4.0%(3.7%から修正)(前月比)
結果 4.0%
予想 -1.4% 前回 0.7%(0.1%から修正)(前年比)
【ユーロ圏】
ドイツGFK消費者信頼感(12月)16:00
結果 9.7
予想 9.6 前回 9.6
【香港】
貿易収支(10月)17:30
結果 -306億香港ドル
予想 -330億香港ドル 前回 -316億香港ドル
【米国】
卸売在庫(速報値)(10月)22:30
結果 0.2%
予想 0.2% 前回 -0.7%(-0.4%から修正)(前月比)
S&Pケースシラー住宅価格(20都市)(9月)23:00
結果 2.10%
予想 2.01% 前回 2.02%(2.03%から修正)(前年比)
新築住宅販売件数(10月)00:00
結果 73.3万件
予想 70.5万件 前回 73.8万件(70.1万件から修正)
コンファレンスボード消費者信頼感指数(11月)00:00
結果 125.5
予想 127.0 前回 125.9
【NZ】
貿易収支(10月)06:45
結果 -10.13億NZドル
予想 -10.00億NZドル 前回 -13.19億NZドル(-12.42億NZドルから修正)
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《11/26 火曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【米国】
*パウエルFRB議長
長期の拡大の中で、現状は道半ば。
正しい政策のもので徐々にグラスを満タンにすることができる。
現在の金融政策ポリシーはデータ次第で当面維持される見込み。
金融政策が強い労働市場と2%の目標に向けた物価動向を支える。
金融政策はすでに決定されているものではなく、見通しによってアジャストしていくもの。
3度の利下げの効果が完全に出てくるにはもう少し時間がかかるように感じられる。
*カプラン・ダラス連銀総裁
来年に2%成長するチャンスがある。
現状の金融政策は適切。
政策金利変更には重大な見通しの変化が必要。
(CNBCテレビで)
*トランプ大統領
我々は香港のデモ隊と伴にある。
習主席と話し、貿易問題での合意を試み続けている。
*ブレイナードFRB理事
リスクは下向きだが、センチメントは改善。
2020年に潜在成長を若干上回る成長を期待する正当な理由がある。
FRBは大きく行動した。評価には時間が必要。
見通しにおける具体的な変化の指標を注視。
貿易における弱さを示す兆候はない。投資は拡大。
柔軟な平均インフレ目標が好ましい。
将来の不況時のイールドカーブ上限目標は有益。
【豪州】
*デベル豪中銀副総裁
豪国内の賃金上昇、これまでの3-4%かあら2-3%の低い水準で定着の兆しが見られており、
より望ましい水準の回復には失業率の著しい低下が必要。
賃金上昇の鈍化が家計消費、消費支出の抑制につながっている。
賃金の伸びが押し上げられれば、労働市場や、経済全体にとって好ましい展開に向かう。
物価上上昇率は目標レンジである2-3%内にとどまることが必要。
近いうちに賃金上昇が進む見込みは低い。
*ロウ豪中銀総裁
マイナス金利導入の可能性は極めて低い。
QEを検討すべき限界点には達していない。
キャッシュレートが0.25%に達したときに、QEが選択肢に。
今後数年間でのCPIや雇用の進展を見込んでいる。
雇用やCPIの目標から遠のいたときには、QEも検討する。
雇用増は鈍化も、引き続き適正な水準が続くだろう。
住宅価格について、特段の懸念はしていない。
リセッション入りの可能性は低い。
インフレ目標を変更する必要はない。
現在の2-3%目標は適切だ。
【中国】
*新華社
中国と米国が26日に電話協議。第1段階巡る話し合い継続で合意。
米中は問題解決についてコンセンサスに至る。
*中国鄭外務次官
米議会が香港人権法案を通過させたことに対し、中国に対する内政干渉であると抗議を行った。
【ユーロ圏】
*バシリアウスカス・リトアニア中銀総裁
2020年を通して低金利が継続する見込み。
(リトアニア議会で)
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《本日予定されている主な経済指標》
【米国】
MBA住宅ローン申請指数(22日までの週)21:00
予想 N/A 前回 -2.2%(前週比)
実質GDP・改定値(第3四半期)22:30
予想 1.9% 前回 1.9%(前期比年率)
GDPデフレータ・改定値(第3四半期)22:30
予想 1.7% 前回 1.7%(前期比年率)
個人消費・改定値(第3四半期)22:30
予想 2.8% 前回 2.9%(前期比年率)
新規失業保険申請件数(23日までの週)22:30
予想 22.1万件 前回 22.7万件
耐久財受注・速報値(10月)22:30
予想 -0.8% 前回 -1.2%(前月比)
予想 0.1% 前回 -0.4%(輸送除くコア・前月比)
シカゴ購買部協会景気指数(11月)23:45
予想 47.0 前回 43.2
個人支出(10月)28日0:00
予想 0.3% 前回 0.2%(前月比)
個人所得(10月)28日0:00
予想 0.3% 前回 0.3%(前月比)
PCEデフレータ(10月)28日0:00
予想 1.4% 前回 1.3%(前年比)
PCEコアデフレータ(10月)28日0:00
予想 1.7% 前回 1.7%(前年比)
中古住宅販売成約指数(10月)28日0:00
予想 0.2% 前回 1.5%(前月比)
執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員