米中合意期待広がり、ドル円は上昇
米中合意期待広がり、ドル円は上昇
クロス円もしっかりでリスク選好の流れ
ダウ、ナスダックも史上最高値更新
ポンドは一時上昇、保守党マニュフェストなど好感か
【東京市場】ドル円108円80銭台
ドル円は19日以来となる108円80銭台まで上昇。値幅自体はそれほど大きなものではないが、堅調な動きに。前週末の米株高の流れもあって、週明けのアジア株式市場は堅調に推移。日経平均も午前中に上げ幅が一時200円を超えるなど、しっかりの動きとなり、ドル円・クロス円での円売りにつながった。
午後に入って日経平均は利益確定売りの動きも、一時下落気味となった米長期債利回りが上昇したこともあって、ドル円は堅調地合いを維持。午前の高値を超えて上値を試した。
ユーロ円が朝方の119円70銭近辺での推移から120円ちょうど近辺まで上昇するなど、クロス円もしっかり。ユーロドルはドル高基調を受けて朝方売りが出る場面も、対円でのユーロ買いに支えられて値を戻している。
【ロンドン市場】ポンド高
週末の保守党マニュフェストなどを好感してポンド高の動き。
週末の世論調査で一社が保守党支持率を47%と出したことなども支え
(同期間の他社はこれまでと同様42-43%)
過半数を上回る可能性が非常に高く、50議席以上過半数を超える安定多数となる可能性も。
こうした流れがポンド高を誘う格好に。
ドル円はしっかりで東京の高値を超えて108円90銭台も。
【NY市場】109円手前
ドル円の上昇基調が継続し、108円98銭まで
上昇基調が継続した。
米オブライエン大統領補佐官が年内に第1弾合意の可能性依然としてあると発言、
週明けには環球時報が米中合意非常に近いと報じたことなどが支えに。
【本日の見通し】ドル高円安期待広がる
ドル円は米中通商協議の進展期待を受けた米株式市場の上昇などを材料に、昨日の海外市場で108円90銭台を付ける動きに。大台手前の売りに頭を押さえられているが、押し目は限定的で堅調地合いを維持している。
ダウ、ナスダックが史上最高値を更新する動きを見せる中で、今日の日経平均をはじめとするアジア株も堅調地合いが期待されるところで、リスク選好の動きが継続するとみられる。
109円の売りをこなすと、もう一段の上昇へ。感謝祭ウィークでもあり、上値での買いには慎重姿勢も見られ、109円台半ば超えにはまだまだ慎重な動きも見られそうだが、108円台半ば前後から109円ちょうど前後へのレンジが少し切りあがる可能性はありそう。
【本日の戦略】押し目買いの流れ
押し目買いの流れが継続。
ドル円は109円台半ばをターゲットに上昇基調へ。
第一弾合意への期待感が広がっていることがサポート。
中国側からも前向き発言が広がっており、期待感がかなり強い。
ドル円は108円台後半での買いを意識。
108円台半ばをしっかりと割り込み108.40を付けるようだとストップという印象。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
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《11/25 月曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 108.70 1.1026 119.82
高値 108.98 1.1032 120.12
安値 108.64 1.1004 119.58
終値 108.93 1.1014 119.95
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《11/25 月曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 23292.81 +179.93
DOW 28066.47 +190.85
S&P 3133.64 +23.35
Nasdaq 8632.49 +112.60
FTSE 7396.29 +69.48
DAX 13246.45 +82.57
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《11/25 月曜日の商品市場》
NY原油先物1月限(WTI)(終値)
1バレル=58.01(+0.24 +0.42%)
NY金先物2 月限(COMEX)(終値)
1オンス=1463.80(-6.70 -0.46%)
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《11/25 月曜日に発表された主な経済指標》
【シンガポール】
消費者物価指数(10月)14:00
結果 0.4%
予想 0.5% 前回 0.5%(前年比)
結果 -0.4%
予想 -0.2% 前回 0.0%(前月比)
【ユーロ圏】
ドイツIFO景況感指数(11月)18:00
結果 95.0
予想 95.0 前回 94.7(94.6から修正)
【NZ】
小売売上高(2019年第3四半期)06:45
結果 1.6%
予想 0.5% 前回 0.2%(前期比)
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《11/25 月曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【米国】
*ロイター通信
複数の関係者が、米国と中国の第二弾合意の可能性が低い可能性と述べている。
第1弾合意に比べるとプライオリティが低いということが背景にある。
中国関係者は第2弾合意が来年の米大統領選前にあるとは考えない。
【日本】
*ゲオルギエワIMF専務理事
日本経済のパフォーマンスが堅調であり、底堅さを示していることを確認。
ここ数年は潜在成長率を上回る成長を見せている。
通商問題や日本の人口動態などを背景に、これから取り組むべき重要な課題がある。
*西村再生相
世界経済のリスクは日本経済にもリスクをもたらす
製造業だけでなく、非製造業にも影響があり得る
世界経済が不透明感を増す中、IMFと協力していきたい
安倍総理から支持を受けて経済対策、補正予算の編成に向けて取りまとめを行っている
中長期的な構造改革に取り込んでいく
将来的な財政健全化を頭に置きながら短期的な経済を下支えしていきたい
【ユーロ圏】
*独Ifoエコノミスト
ドイツ経済が方向転換したと判断するのは時期尚早。
工業受注は依然として満足される水準ではなく、輸出の先行き見通しも暗い。
国内経済が第4四半期をけん引する。
消費、建設および公共支出が経済の下支え要因に。
【中国】
*中国人民銀
経済における下方圧力が増してきている。
短期的には潜在的リスクや経済の課題を解決すること困難。
中国は先験的な財政政策や慎重な金融政策を継続するだろう。
中国はより大規模な減税を行うだろう。
シャドウバンキングのリスクを着実に解決してゆく。
【英国】
*英政府
新たな議会は12月17日に召集される予定。
ジョンソン氏の次期政権樹立の場合は、女王陛下演説は12月19日に実施される。
別の政権が樹立される場合は、新政権が女王陛下演説の日程を決める。
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《本日予定されている主な経済指標》
【シンガポール】
鉱工業生産(10月)14:00
予想 0.6% 前回 3.7%(前月比)
予想 -1.4% 前回 0.1%(前年比)
【ユーロ圏】
ドイツGFK消費者信頼感(12月)16:00
予想 9.6 前回 9.6
【香港】
貿易収支(10月)17:30
予想 -330億香港ドル 前回 -316億香港ドル
【米国】
卸売在庫・速報値(10月)22:30
予想 0.1% 前回 -0.4%(前月比)
S&Pケースシラー住宅価格(9月)23:00
予想 2.00% 前回 2.03%(20都市・前年比)
新築住宅販売件数(10月)27日0:00
予想 70.7万件 前回 70.1万件
コンファレンスボード消費者信頼感(11月)27日0:00
予想 127.0 前回 125.9
【NZ】
貿易収支(10月)27日6:45
予想 -10.00億NZドル 前回 -12.42億NZドル
執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員