ドル円振幅も調整が優勢に

見通し 

ドル円振幅も調整が優勢に

豪ドル、一時軟調。議事録で緩和検討表明、今後の追加緩和示唆

【東京市場】豪中銀議事録受けて軟調

 ドル円は朝方いったん調整の動きが広がった。前日のロンドン市場午後に米メディア記者の「中国政府は協議に悲観的」とのSNS投稿をきっかけに、それまで109円台で推移していたドル円が108円台半ば近くまで下落。少し戻して迎えた東京朝も、戻り売りの動きが優勢となり、朝方安値を更新して108円台半ば割れを付ける動きが見られた。
 しかし、売り一巡後は値を戻す展開に。108円台半ば割れでストップロス注文も落ち着き、ドル円は買い戻しが優勢となった。朝の下げ分を解消すると、その後は108円60銭前後でのもみ合い。日経平均に調整が入るなど、ややリスク警戒の動きが見られる中で戻りは鈍いが、再び突っ込んで売るだけの勢いも見られずとなった。

 ユーロやポンドも落ち着いた動きを見せる中、目立ったのは豪ドルの動き。

 豪中銀は11月5日の金融政策理事会議事要旨を発表。同理事会で追加緩和が議論され、決定される可能性があったことを明らかにした。今後の追加緩和の可能性も示し、豪州の早期追加緩和期待が押し上げられる形で豪ドル売りに。来月の理事会での据え置き期待については依然大勢となっており、影響は限定的。0.6810台から0.6780台まで一時値を落としたが、0.68ちょうど近辺に戻してのもみ合いに。

【ロンドン市場】ドル円108円台後半へ

 
 ドル円はしっかりの展開に。
欧州株高が支えとなった。
108円台半ばからがしっかりでいったんドル買いが広がった面も。

 欧州通貨はやや軟調、特にNY市場午後の時間帯に党首討論会を控えるポンドは
ポジション調整の動きに。

【NY市場】ドル売り広がり、ドル円一時108円台半ば割れ

 ロンドン市場の高値から、一転して調整ムード。
米債利回り低下などが重石となった。
米中通商協議への懸念がリスク回避の債券買い(利回り低下)を誘っているとみられる。

 ドル円は一時108円台半ばを割り込む動き。

【本日の見通し】神経質な展開続く

 米中通商協議にらみでの神経質な展開が続く。
両国の主張の溝が意識されるところ。
とはいえ、通商摩擦の継続は両国経済にとって良いものではなく
妥協点を探っての合意に至るとの期待も根強い。
上下ともに動きにくい中で、若干調整が入る可能性も。
基本は108円台を中心にしたレンジ取引か。
 
 ポンドは党首討論を無事クリアし、しっかりの展開が続きそう。
直近世論調査で保守党単独過半数確保の可能性が広がっているが
波乱が起きやすい少数選挙区制だけに
結果を待ちたいとの意識も強い。
下がったところでは買いが出る流れも、積極的な買いには慎重。

 香港人権法案が上院で可決されたことで警戒感が強まる流れで
下方向のリスクがやや意識されるところに。

【本日の戦略】戻り売り

 米中通商協議の懸念が香港人権法案可決で高まりそう。
108円割れも意識。
108円台半ばから少し売りに回ってみたい気も。
ただ、中期的流れはまだ上方向で、見切りを早めに。

※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません

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《11/19 火曜日》
   ドル円  ユーロドル  ユーロ円
始値  108.68  1.1072  120.35
高値  108.84  1.1084  120.50
安値  108.45  1.1063  120.00
終値  108.54  1.1078  120.25

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《11/19 火曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経  23292.65 -124.11
DOW   27934.02 -102.20
S&P    3120.18 -1.85
Nasdaq  8570.66 +20.72
FTSE   7323.80 +16.10
DAX   13221.12 +14.11
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《11/19 火曜日の商品市場》
NY原油先物12月限(WTI)(終値)
1バレル=55.21(-1.84 -3.23%)
NY金先物12 月限(COMEX)(終値)
1オンス=1474.30(+2.40 +0.16%)
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《11/19 火曜日に発表された主な経済指標》

【ユーロ圏】
ユーロ圏経常収支(9月)18:00
結果 282億ユーロ
予想 N/A 前回 285億ユーロ(266億ユーロから修正)(季調済)

【米国】
住宅着工件数(10月)22:30
結果 131.4万件
予想 132.0万件 前回 126.6万件(125.6万件から修正)(住宅着工件数)
結果 146.1万件
予想 138.5万件 前回 139.1万件(138.7万件から修正)(住宅建築許可件数)
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《11/19 火曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》

【日本】
*黒田日銀総裁
我が国の景気、輸出・生産や企業マインド面に海外経済の減速の影響が引き続きみられるものの、
所得から支出への前向きの循環メカニズムが働くもとで、基調としては緩やかに拡大している
景気の先行き、当面、海外経済の減速の影響が続くものの、
国内需要への波及は限定的となり、拡大基調が続くとみられる
消費者物価の前年比はプラスで推移も、景気拡大や労働需給の引き締まりに比べ弱めの動き
先行き、中長期的な予想物価上昇率は高まっていく
物価目標に向けたモメンタムは維持されている
「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の枠組みのもとで、強力な金融緩和を推進
先行き、引き続き、海外経済の動向を中心に、下振れリスクに注意が必要な情勢
緩和方向を意識した金融政策運営が適当な状況
今後も、「物価安定の目標」の実現に向けて、強力な金融緩和を推進
金融市場や金融仲介機能に及ぼす影響などを含め、政策の効果と副作用の両方を考慮することが重要
金融システム、不安定化するリスク現時点で高くない
ETF買い入れ、引き続き必要な措置、リスクプレミアムの過度な拡大変動防ぐ役割
追加緩和 物価モメンタム損なわれる惧れが一段と高まれば
物価目標 主要国間の為替安定する方向に。目標実現に時間がかかっていることは残念。
21年度でも医院の見通しの中央値2%に達しない
仮想通貨リブラ さまざまな課題・リスクへの適切対応あって初めて実現、
各国のデジタル通貨の取り組み・影響を注視
日本で、中銀デジタル通貨の発行が求められているとは考えづらい

【米国】
*共和党マコネル上院院内総務
トランプ大統領が香港情勢について発言し、米国が勇敢な男女を支持していることを世界に示す必要がある。

*米財務省
イスラム過激派組織ISISへの支援活動を行ったとして、トルコ企業4社を制裁対象に加えた。

*ウィリアムズNY連銀総裁
FRBはデータ次第というアプローチに固執。
経済は非常に好位置にある。
インフレは低位安定しており、失業率も低い。
インフレ目標達成に近づいている。
FRBは経済を好位置に維持することが目的。
英EU離脱は地政的リスク。
FRBの現在の政策は幾分緩和的。
FRBの政策は好位置にあり、持続的成長を見込む。
金融政策のスタンスは適切のようだ。
いくつかの下振れ見通しをさらに監視している。
リバースレポ金利と超過準備預金金利を活用したフロアシステムは
再検証する必要はなし。

*米下院
米下院は政府機関閉鎖回避に向けた暫定予算案を可決した。こ
のあと上院に送られ、トランプ大統領も署名する見通し。

【豪州】
*豪中銀理事会議事要旨(11月5日開催分)
必要な場合はさらなる追加緩和の用意。5日の会合では利下げを検討しており、追加緩和もあり得た。
低金利の貯蓄やセンチメントへの負の影響を考慮して据え置き。
5日の会合で追加緩和もあり得たが、これまでに比べても異なった影響が出る可能性。
6月から3度の利下げ、過去12カ月で急速に減速した雇用や投資に対応したもの。
住宅市場だけは通常の反応も個人消費は弱いまま。
賃金水準、雇用はともに予想よりも弱い結果。
豪中銀はインフレターゲットである2-3%への回帰を目指す。
賃金上昇を伴った失業率の低下が必要。
投資家たちは来年上半期までの0.25%の利下げを見込む。ロウ総裁は0.25-0.50%の可能性に言及。
追加緩和のドアは開かれている。

【英国】
*ジョンソン英首相
保守党全体が私の離脱案を支持。
2020年1月31日にはEUを離脱しているだろう。
この先、数週間で保守党はEU離脱協定の議会通過が可能。

【カナダ】
ウィルキンス・カナダ中銀副総裁
1.75%の政策金利は操作する余地を与えている。
経済全般は比較的良好。
家計負債の安定はさらに進展している。

【その他】
北朝鮮国営放送・朝鮮中央通信
米韓軍事演習の延期は非核化交渉には不十分。完全かつ後戻りできない撤回までは非核化交渉の余地はない。

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《本日予定されている主な経済指標》

【日本】
通関ベース貿易収支(10月)8:50
予想 2293億円 前回 -1248億円(-1230億円から修正)
予想 2481億円 前回 -972億円(季調済)

【ユーロ圏
ドイツ生産者物価指数(10月)16:00
予想 0.0% 前回 0.1%(前月比)
予想 -0.4% 前回 -0.1%(前年比)

【南アフリカ】
消費者物価指数(10月)17:00
予想 0.2% 前回 0.3%(前月比)
予想 3.9% 前回 4.1%(前年比)

【米国】
MBA住宅ローン申請指数(15日までの週)21:00
予想 N/A 前回 9.6%(前週比)

【カナダ】
消費者物価指数(10月)22:30
予想 0.3% 前回 -0.4%(前月比)
予想 1.9% 前回 1.9%(前年比)

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執筆者 山岡和雅

執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長

1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員

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