今週の日経225予想 米中協議進展期待が後退(11/18週)
【先週の日経225の動向と今週の主要イベント】
![今週の主要経済指標](https://minkabu.jp/uploads/674000/276b091a4.jpg)
先週の日経225(TFX)は反落。週初23,440円で寄り付いた日経225は、米中通商協議の進展期待の後退気味で為替も円高に進行したことに加え、香港情勢の緊迫化などもあり、上値の重い展開で推移。14日には週間の安値22,985をつけました。その後は、クドローNEC委員長が米中の第一段階の合意が近いとの発言やロス米商務長官が第一段階の米中合意が最終決定される可能性は非常に高いと発言などを受けて値を戻し、23,351円で引けました。
当初、米中首脳会談や米中の第1段階の合意は、チリで16-17日に開催される予定だったアジア太平洋経済協力会議(APEC)がターゲットとされていましたが、ここに来て、中国の米農産品の輸入拡大についても双方折り合いがつかない状況になっていると考えられます。
一方、既に死者が出始めている香港のデモについては、中国は人民解放軍をボランティアとして出動させており、米国は香港での人権や民主主義を支援する「香港人権法案」を可決する可能性が出てきており、こういったことも、廻り回って米中通商協議へのボトルネックになりそうです。
今週の主要な経済指標は図の通りですが、引き続き、米中通商協議の第1段階への合意への米中両国の動向がマーケットの焦点になると思われます。
【日経225(TFX) 週足 チャート】
![【日経225(TFX) 週足 チャート】](https://minkabu.jp/uploads/674001/0ecb73a97.jpg)
日経225(TFX)の週足チャートです。
移動平均線は上から順に13週MA(22,284円)、26週MA(21,668円)、52週MA(21,502円)で、いずれも上向きです。チャート上のピンクのラインは、26週移動平均線のエンベロープ(期間26、乖離率10%)で、先週の日経225は上部バンドに頭を抑えられる形となりました。また、ストキャスティクスも%D(93%)がSlow%D(95%)と過熱感がでていることもあり、それぞれが80%を割り込む際には売りを考えたいところです。
【日経225(TFX) 日足 チャート】
![【日経225(TFX) 日足 チャート】](https://minkabu.jp/uploads/674002/5b9617cf2.jpg)
日経225(TFX )の日足チャートです。
価格は200日移動平均線(21,631円)や一目の基準線(22,741円)、転換線(23,287円)、雲(上限21,691円、下限21,152円)の上側に位置しており、これまで転換線にサポートされる形で推移していましたが、先週は一度これを割り込んでいます。
また、一目の雲も右上に切りあがっていることから、日足チャートは上昇トレンドと判断されますが、ストキャスティクスの%D(65%)とSlow%D(66%)がそれぞれ下降基調ですいいしており、当面はスピード調整に注意が必要です。
このコメントは弊社チーフテクニカルアナリスト山口の個人的な見解で、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご理解のほどよろしくお願いいたします。
執筆者 : 山口哲也|フジトミ証券株式会社 チーフテクニカルアナリスト
株式会社フジトミ 国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト 金融機関でアナリストとして経験を積んだのち株式会社フジトミ入社。幅広い手法を網羅した緻密な分析とわかりやすい解説が好評。日経CNBC・東京MXテレビ等メディア出演多数。