想定通り、堅調な上昇の週明け
日経平均、ついに200日線突破
大きな変化です。日経平均は本日最後の壁である200日線を突破して終わりました。
とうに8月22日の戻り高値20,731円も上回っているので、完全にテクニカル上は底入れ、上昇トレンドに回帰した、と言っていいでしょう。
こうなったら、あとはアメリカ頼みです。主要指数はすでにすべての移動平均線を超えていますから、日米ともにこのまま今週は「アノマリー破り」で、上昇トレンドを維持してくれれば、想定通りということになります。
物色はいまだ混在
一方、物色はいまだにはっきりしません。日経平均のプラスの寄与度では、東京エレクトロン<8035>のような半導体大手が筆頭で、ファナック<6954>、信越化学<4063>、ソニー<6758>といったシクリカル系が多いかと思えば、逆にファミリーマート<8028>、第一三共<4568>、アステラス<4503>といったディフェンシブ系も上位に食い込んでおり、判然としないのです。
実際、東証REIT指数やOLC<4661>は高値更新です。
東証一部の値上がり率上位を見ますと、圧倒的に地銀セクターが多いです。やはりSBIによる地銀支援という動きが導火線になっているようです。シクリカル系では、有沢製作所<5208>が上位に食い込んでいるのが目立つくらいで、さほどシクリカルは多くありませんでした。
海外、外部環境も問題なさそう
グローベックス市場では、朝からNYダウ工業株先物がしっかりしていました。
ダウ工業株先物でトントンから50ドル高の気配へと、じりじりと切り上げていく展開でした。
上海市場も小幅ですが、堅調にプラス圏で推移していました。
上海コンポジット指数は、これで6連騰です。水準としても6月中旬の戻り高値にほぼ接近しており、これを突破すると、上海ですらテクニカル上は底入れ完了することになります。
早晩、短期筋の確定利回りモノ偏重は、崩れる
昨年後半からマクロ・ミクロ指標ともに、世界経済の後退懸念に揺さぶられてきた相場です。
この間、債券中心に確定利回りモノへの資金投下の偏重さが極端になってしまいました。
ただ、8月以降を見てみますと、恐らくほとんどこの債券買いは短期筋のマネーでしょう。以前も指摘した通りですが、実需筋の買いの手は(債券価格が高すぎ)完全に引っ込んでしまいました。そもそもこの短期筋の債券買いというのは、本来債券投資の基本である利回り追求ではなく、むしろキャピタルゲイン狙いだったでしょうから、マイナス金利状態にまで債券を買った「愚かさ」は、早晩露呈します。
今週の予定
今週は、大枠が13日・金曜日にメジャーSQです。
それまでのイベントとしては、以下のものが注目されています。
・10日(火曜日) アップルが新型iPhoneを発表。アリババの馬CEO退任(相当、中国当局との折衝に嫌気がさしたか、疲れてしまったようです)
・11日(水曜日) 内閣改造・自民党役員人事。法人企業統計(7-9月期)。
・12日(木曜日) 東京ゲームショウ2019(幕張メッセ、15日まで。一般公開は14日から。)。欧州中央銀行ECB理事会。
戦略方針
日経レバレッジETF<1570>のフルポジション。このままホールドです。
執筆者 : 松川行雄|有限会社増田経済研究所 日刊チャート新聞編集長
大和証券外国株式部勤務の後、投資顧問業を開業。2013年2月ヘッドハンティングにより増田経済研究所に入社。現在同社発行の「日刊チャート新聞」編集長。株式セミナーに於ける投資理論は個人投資家に満足度100%の人気を博す。