アノマリー前に、上げ調か
日経平均、5日線奪回
本日は、連休明けの米国株市場がそれなりには下げたものの、ほとんど日経平均は軽微な下げにとどまりました。5日線奪回(25日線はザラ場では奪回したものの、最終的には抜けませんでした)。日経平均は23円高の20,649円。
グローベックス市場で米国株先物が気配を切り上げており、前場終わり段階で80ドル高以上になっていたことも支援材料だったのでしょう。
日経平均プラスの寄与度ランキングを見る限り、業績好調のファーストリテイリング<9983>はともかくとして、中外薬<4519>、KDDI<9433>、テルモ<4543>などディフェンシブ系に混じって、東京エレクトロン<8035>、ファナック<6954>、アドバンテスト<6857>など、景気敏感株の大手もトップランキングに入ってきていたことから、かなり物色としては迷いがあるようです。
ちなみに、上海コンポジット指数は本日、東京終了時点で小幅ながらも続伸。50日線突破からしっかり上げてきています。
後場に入ると、グローベックス市場は130ドル高に気配を切り上げました。引け後には200ドル高を超える気配に発展しています。
昨日、住友鉱山<5713>のことを引用しましたが、本日とうとう200日線突破。もちろん、インドネシアによるニッケル供給規制という材料はあったものの、それだけで非鉄が上がれるほど市場は甘くないのです。
ソニー<6758>、トヨタ自動車<7203>、景気敏感主力はいずれも堅調。動意でしょうか。
「消去法」の資金流入
タイトルは、本日の日経新聞朝刊記事のタイトルそのままです。
やはり昨晩の主要先進国の国債がまだ買われているという状況は、この「消去法」としての資金流入そのものでしょう。
これが、ドルを潜在的に強くさせているわけです。
たまたまドル円だけで観ますと、円高気味に見えますし、ヘッジファンドはなにを血迷ったか、あるいはなにかのヘッジかわかりませんが、円ロングポジションを積み上げるという珍しい動きをしています。それにもかかわらず、なかなかドルが対円で崩れません。
国債買いにも限界があり、円買いにも限界があり、金先物買いにも限界があり、という状況に陥っているようです。
本日の「スクランブル」にも、『頼みは実物資産銘柄』の解説がありますが、これも同じ延長戦上の話です。記事では、金鉱株や、不動産株を取り上げて、これらへの資金流入と言う指摘をしています。
以前も解説しましたように、実質金利ゼロというアメリカの状況において、合理的な金価格上昇の根拠はまったくありません。あるとしたら「余計な上昇」だけですから、おのずと「剥げ落ちる」性格のものでしかないはずです。
戦略方針
日経ダブルインバースETF<1357>のホールド続行です。
ドテン反対売買はかなり可能性としては高そうです。今晩アメリカで主要株価指数が25日線を突破してくるようだと、明日東京では、日経ダブルインバースETF売りの日経レバレッジETF<1570>買いというドテン反対売買をすることになるかもしれません。
執筆者 : 松川行雄|有限会社増田経済研究所 日刊チャート新聞編集長
大和証券外国株式部勤務の後、投資顧問業を開業。2013年2月ヘッドハンティングにより増田経済研究所に入社。現在同社発行の「日刊チャート新聞」編集長。株式セミナーに於ける投資理論は個人投資家に満足度100%の人気を博す。