思ったほどは下げなかった、日経平均
日経、5週線上回るも、25日・75日が壁
週末引け後、グローベックス市場では米国株先物がかなり下げていたので、思った以上に東京の週明けが下がるのではないかという心配があったのですが、結局本日寄り付き時点ではトントンまで米国株先物が戻しており、大禍なくスタート。
日経平均は下げには下げたのですが、心配されたほどでもありませんでした。21,317円寄り付きですから、ほぼ日経先物夜間取引の終値とかわらない水準で始まりました。
その後はおおむね21,400円台で推移。
最終的には、50円安の、21,416円。
外部環境では、中国・上海コンポジット指数が、午前中は7月頭以降の底辺での揉み合いから安値更新してしまったのですが、午後には回復。再び底辺の底練りレンジの範囲内に戻りました。
今週のポイント
(選挙後の相場展開)
今週の予定は参院選後の相場ということになります。
投開票も終わり、(投開票前だった)先週20日土曜日の日経新聞朝刊「スクランブル」では、過去4勝1敗という選挙後の相場について解説がありました。
今回はどうだろうか、ということですが、そもそも安倍政権は当初衆参当日選挙を匂わせていただけに、これが無くなった時点で、はやくも選挙ムードというものは拍子抜けしてしまったようです。
投票率も低かったことで、市場に与える影響度も低かったようです。
安倍政権は衆参同日選挙ではないことからか、事前の政策論争を避け、なにを争うのかよくわからない焦点ボケを作為的につくった戦術が、一応功を奏したようです。
ただ、今回これで乗り切ったことで、安倍政権は残り2年の任期がある衆院について、解散カードを温存したことになるわけで、これがどの時点で発動されるか、大変興味深いものがあります。
一説には10月1日から行われる消費増税にからんで発動するのではないかという意見もあるようですが、個人的にはそれはないだろうと思っています。もっと有効なカードの切り方を模索しているように思います。
(今週の予定)
今週の予定で主なものは以下の通りです。
23日(火曜日)内閣府の月例経済報告、英国保守党が決戦投票の結果発表。米企業決算発表(ハーレーHOG、コカ・コーラKO、ロッキードマーチンLMT、テキサスインストゥルメンツTXN、ヴィザV)
24日(水曜日)決算発表(信越化学4063、日本電産6594)、米企業決算発表(ボーイングBA、キャタピラーCAT、フォードF、AMD)、英国新首相誕生。
25日(木曜日)ECB理事会、米企業決算発表(アマゾン、アルファベット、インテルINTC)
26日(金曜日)決算発表(東京エレクトロン)、米企業決算発表(コルゲートCL、マクドナルドMCD)、4-6月米GDP(速報値発表)。
日米ともに決算発表が佳境入りです。
これが期待通り、業績悪化の出尽くし・織り込み済で、株高につなげることができるかが最大の課題。
次いで、やはり週末の米GDP(4-6月)です。ご存じの通り1-3月がことのほかつよかったわけで、これと同等かそれを上回るGDPの強さが確認できれば、月末のFOMCの利下げがあろうがなかろうが、株式相場は好感するはずです。
そのGDPを踏まえて、月末30-31日のFOMCを迎えることになります。
ここで利下げの有無、そしてそれに対する株式市場の反応は、フタを開けてみなければ到底わかりません。
戦略方針
日経レバレッジETF<1570>、本日寄り付きから、処分売りのシグナルが点灯していますが、この程度の下げであれば、一応週初だけにここは日経レバレッジETFのホールドのまま、様子を見ようと思います。
執筆者 : 松川行雄|有限会社増田経済研究所 日刊チャート新聞編集長
大和証券外国株式部勤務の後、投資顧問業を開業。2013年2月ヘッドハンティングにより増田経済研究所に入社。現在同社発行の「日刊チャート新聞」編集長。株式セミナーに於ける投資理論は個人投資家に満足度100%の人気を博す。