日経、200日線割れ3日目
SQ前、連銀議長の議会証言前
イベント前に、相場は基本的に小動きです。日経平均は200日線を割り込んでこれで3日目ですがそこからずるずると下げ止まらないということはありませんでした。
為替は108円後半で推移。為替で足を取られるということはありません。
本日は、ETFの分配金捻出のための売りが出ていたようですが、これでほぼ終息したと言われています。結果、日経平均は31円安の21,533円でした。
200日線割れのまま取引終了です。
相場の柱がまだ無い
相場の中心軸もはっきりしていません。景気敏感株が崩れるということもなく、かといって東証REIT指数は頭打ちが続いています。
東証一部上昇率ランキングを見ますと、上位にノミネートされている銘柄群を見る限りは、個別材料株に資金が集まっていますから、やはり相場の柱がはっきりしないのでしょう。
特盛のヒットで値を飛ばした吉野家<9861>や、5G関連として引き続き急伸続きの日本通信<9424>、収益改善を見せた決算で上げたリソー教育<4714>など、およそばらばらです。
これまで当レポートで引き合いに出してきた、大真空<6962>や象印<7965>なども、この範疇でとらえてよいでしょう。
いずれも、幕間つなぎの相場ということになるわけですが、ある意味こうした材料系がかなり思いっきり値を飛ばすということは、市場そのものには戦闘意欲がまだまだ実は強いのだということかもしれません。
ゴミ処理という長期成長産業
昨日の日経新聞朝刊「市場点描」では、秋の消費増税を前に駆け込み需要が盛り上がらないという話題が出ていました。
一応は、出ているのです。粗大ゴミの分量と大手家電の月次販売が、ここ数か月連動していることから推察できるというわけです。
ちょうどリーマンショック後の家電エコポイント制度のときに購入した家電が、代替需要期を迎えているというのがその背景だろうと言われているようです。
家庭・事業ゴミのほか、建設廃棄物・食品ロス(これは今、改善を求められています)などもあります。その意味ではかなり長期的な成長分野であるということが言えそうです。
クジラを追う投資家
年金積立金管理費用独立行政法人GPIFが、今年3月末時点で保有する銘柄のリストが公表されました。
問題はここから買うのか、なにを買うのか、ということです。
昨日の日経新聞「スクランブル」によりますと、195兆円の運用資産のうち25%を日本株に投じる基本ポートフォリオのうち、3月末の比率は下回る23.55%だったようです。基本線に戻すだけで、2兆円超の甲斐が市場に入る計算になります。
今年は厚生労働省が5年に1回、公的年金の財政検証を行う年回りですから、GPIFも基本ポートフォリオの見直しをして、2020年4月以降の資産配分を決めることになります。
記事によれば、下馬評では今回日本株比率をさらに引き上げるという観測があるようです。
日銀もETFを通じて株を買っているわけですが、すでに日銀マネーが株式保有比率で5%以上の大株主になってしまっている銘柄が、914にのぼるといいますから、日銀はおよそ限界があります。
買い支えという役目は、日銀からGPIFへとさらに移行を強めることになるのかもしれません。
戦略方針
日経レバレッジETF<1570>ホールドのままです。順調にリターンの拡大になっています。
執筆者 : 松川行雄|有限会社増田経済研究所 日刊チャート新聞編集長
大和証券外国株式部勤務の後、投資顧問業を開業。2013年2月ヘッドハンティングにより増田経済研究所に入社。現在同社発行の「日刊チャート新聞」編集長。株式セミナーに於ける投資理論は個人投資家に満足度100%の人気を博す。