東京では調整色続く
当然の下げとはいえ、いささか日本は弱すぎる
今週は、月間のアノマリーですから、下げて当たり前のところですが、アメリカに比べると、本日もいささか下げすぎです。
日経平均は30円高の21,565円ですが、内容的には明らかに調整です。
ドル円は108円台後半に歩みを進め、むしろしっかりでした。株だけが安いのです。
そういう意味では、SQ前の典型的な需給要因による下げということになるわけですが、気持ちのいいものではありません。
ニチイ学館<9792>のようなディフェンシブの大手は堅調ですが、だからといって景気敏感株が総崩れかというとそうではなく、ディスコ<6146>やアドバンテスト<6857>のような半導体関連はまだ高原状態を維持しています。
あくまで個別の銘柄によるようです。
基本的に今週は、想定通りの調整が続いています。外人の裁定買い残が少なすぎるので、相場が値崩れを起こすということはないでしょうが、東証REIT指数は上昇トレンドをずっと堅持しています。キャピタルとインカムと両取りですから、究極のディフェンシブ銘柄の一つとして一貫して買われているのでしょう。このへんに目下の相場の質というものがよく表れているのでしょう。
ビットコインが再び上げ調
非常に不可解なのは、ビットコインが再び切り上げてきており、高値を狙う動きになってきている点です。
これ自体は、過去4回の大波動のことごとくで、平均54日後に米国株が天井をつけたという事実がありました。
アジア時間でもギャップアップで値を飛ばしています。もしこれが再び高値更新をした日には、そこから54日後に米国株天井という想定になるわけで、これまで想定していた9月12日の米国株天井ではなく、さらに天井のタイミングは後ズレすることになります。
そこまで強い相場が続くということでしょうか。
ビットコインが急伸したアジア時間というのは、同時に上海コンポジットが続落となっていたタイミングです。
人民元も対ドルで売られ気味で、上海のインターバンクレートも、当日から一週間の超短期は急伸しています。
つまり、中国からの資金流出が、ビットコインへ逃避しているという構図にも見えるわけです。
一方ではリスクを示しており、一方では投機熱を示しています。
いささか、不穏な動きなので引き続き定点観測項目には注意したいと思います。
本日上海コンポジット指数は、25日・50日線を両方一気に割り込んでいます。
戦略方針
日経レバレッジETF<1570>ホールドのままです。順調にリターンの拡大になっています。
執筆者 : 松川行雄|有限会社増田経済研究所 日刊チャート新聞編集長
大和証券外国株式部勤務の後、投資顧問業を開業。2013年2月ヘッドハンティングにより増田経済研究所に入社。現在同社発行の「日刊チャート新聞」編集長。株式セミナーに於ける投資理論は個人投資家に満足度100%の人気を博す。