真空管の中のハト
米国休場の中、東京は上げる
今晩米国株市場は独立記念日で休場です。
良くも悪くも、外部環境の材料はなく、真空管の中のハト状態の東京市場でしたが、結局64円高の21,702円。
海運・化学を除くと、ほぼ業種別上昇率ランキング上位は、内需やディフェンシブ系で占められていました。
すでに200日線を上回って値固めをしている日経平均を追いかける恰好で、本日はJASDAQ、マザーズの上昇が目立ちました。
週末をはさんで来週の相場
明日の米雇用統計は大変気になります。これが予想以上に市場にインパクトを与えることになるか、大変興味深いところです。
相場上昇につながるのであれば問題ありませんが、相場急落に結びつくようですと、来週の相場風景がガラリと変わってしまいます。
とくに、来週は月間のアノマリーですから、たちまち調整色に見舞われるということも考えられるわけです。
注意のしようもないのですが(週末のアメリカで決まるわけで)、このネガティブなシナリオになっていった場合の対処を今から考えておくべきでしょう。
米中、米朝問題が従来と違う点
アメリカの、北朝鮮や中国との交渉で、従来とはまったく違う点が一つあります。
それは、従来でしたらトランプ大統領というのは、協議に日限を必ず区切っていたということです。
それが、今回、対中国の協議再開についても、また北朝鮮との協議再開についても、一説には事前に90日猶予といった「噂」や「観測」はあったものの、最終的にはまったく公式の日限設定はなされませんでした。
つまり、たとえば90日と区切ってしまった場合、10月には再び問題が元に戻ってしまうリスクがあるので、そうしますと年末・クリスマス商戦に甚大な影響を与えかねないという配慮があるためでしょう。
炭鉱のカナリア~ジャンクボンドに気をつけよ
非常に現在の相場は奇妙奇天烈です。
景気減速の中で、連銀の利下げを「信じて」、株式市場は好感して史上高値更新。
一方この景気減速を重く視て、リスク回避のマネーは国債に集中し、10年利回りは年初来最低水準をマーク。どちらかが間違っているのです。
一つ、変化が起こるとしたら、やはり週末の雇用統計でしょう。
いずれにしろ、いつか来る「相場急落」に備えて、その事前に点灯する予告シグナル(たとえば、ジャンクボンド)は、しっかりウォッチしていきましょう。
本日の日経新聞朝刊「国際面」に、この点が指摘されています。参照ください。
戦略方針
日経レバレッジETF<1570>ホールドのままです。順調にリターンの拡大になっています。
執筆者 : 松川行雄|有限会社増田経済研究所 日刊チャート新聞編集長
大和証券外国株式部勤務の後、投資顧問業を開業。2013年2月ヘッドハンティングにより増田経済研究所に入社。現在同社発行の「日刊チャート新聞」編集長。株式セミナーに於ける投資理論は個人投資家に満足度100%の人気を博す。