トランプ劇場の幕が開く
日経平均も上昇トレンド入り
米中協議、米朝協議に新たな動きがあったことから、グローベックスが朝方200ドル高の気配切り上げ。
これを受けて、東京市場も朝からギャップアップで急伸。
454円高の21729円。
一応テクニカルには、200日線を突破。21414円の3月の月中平均も突破。6月21日の戻り高値も突破。文句ないほどの上昇トレンドへの復帰ということになります。
朝方は全面高に近い上昇でしたが、次第に明暗が分かれてきました。ディフェンシブ系がやや遅れ気味となり、主導権は景気敏感系が握った一日です。
この流れがどこまで続くかですが、たとえば、初動のスターだった半導体関連大手の信越化学<4063>は、21日に200日線突破でほぼ続伸商状できています。本日で7日目。
この銘柄が、前回の上昇局面(4月)では200日線突破から高値まで7日を要していました。似たようなリズムであれば、あと3日は上がれるということになります。
つまり、今週で、とりあえず半導体中心のシクリカル系への買いというものが、一巡する可能性は一応念頭に入れておきましょう。
上昇トレンドであるならば、当然循環物色です。いったんシクリカル系がお休みをして、ディフェンシブ系が買い直されるという展開も想定しておいたほうが良いでしょう。
ドル円は108円台回復でした。
米中協議再開、対華為部品供給一部容認という判断
週末のG20をはさんで、株式相場が急伸。
文字通り、想定したような、「6月は政治・政策・政局で動く。マクロ的な悪材料は出尽くし」というそのものの相場展開となりましたが、実はなにも事態は変わっていません。
一見、米朝にアメリカが譲歩したかに見えますが、しょせんはアメリカの都合です。
日経「銘柄診断」~NEC
先週末の日経朝刊の「銘柄診断」はNEC<6701>でした。
日本のエレクトロニクス銘柄は、長いことデフレと構造改革に悩まされてきましたが、過去に見られた雁行的発展形態を脱し、それぞれの企業が独自の特徴を出すようになってきました。
ご存じソニー<6758>はセンサーで世界シェア4割を獲得する企業に脱皮。パナソニック<6752>は、住宅・車載エレクトロニクスに傾斜。三菱電機<6503>はFA中心にOEMで絶大な地歩を確保。
NECがなかなか長いリストラのトンネルから脱することができず、七転八倒していたものが、ようやく芽が出てきたようだ、ということなのでしょう。
大和証券では4100円からターゲット株価を8000円に引き上げたということが直接的材料ですが、キーワードは海外部門が黒字化しそうだという点でした。直近でも、欧州三大気象局のドイツ気象局使用の気候観測飛行機搭載のスーパーコンピュータを受注(60億円、従来品の計算能力の6倍)、さらに指紋認証システムを、インド警察から受注などという材料が確かに出ていました。
数日から1-2週間のスイングトレードでは、大変やりにくいジグザグですが、デイトレのような超短期か、もっと長期投資で長いトレンドを取るということであれば、十分リターン化が可能かもしれません。
戦略方針
日経レバレッジETF(1570)の持続です。
執筆者 : 松川行雄|有限会社増田経済研究所 日刊チャート新聞編集長
大和証券外国株式部勤務の後、投資顧問業を開業。2013年2月ヘッドハンティングにより増田経済研究所に入社。現在同社発行の「日刊チャート新聞」編集長。株式セミナーに於ける投資理論は個人投資家に満足度100%の人気を博す。