【これからの見通し】週末の報道に週明けの米株式市場の反応はどうか
【これからの見通し】週末の報道に週明けの米株式市場の反応はどうか
先週末は米株が買われ、リスク回避ムードは一服した。金曜日に発表された5月の米雇用統計で、非農業部門雇用者数の増加が7.5万人にとどまったことで市場には米利下げ観測が高まった。さらに、週末にはトランプ米大統領が対メキシコ関税の無期限延期を表明。週明けのオセアニア市場は円安方向に窓を開けて取引を開始した。ドル円は108円台後半へと高値を伸ばしている。
一方で、今日発表された5月の中国貿易収支では輸出が+1.1%と予想外の増加となったが、輸入は-8.5%の大幅減だった。市場では中国の内需の弱さが警戒される一方で、輸出は米追加関税を控えた駆け込みとの見方がみられている。週明けの為替市場では豪ドルが下落、豪ドル円は早朝の上げを帳消しにした。
全般的には株高の地合いなどでリスク動向は落ち着いたものになっている。ただ、この後の海外市場、特にNY市場の動向次第では再びリスク警戒ムードにもどる可能性がある。メキシコ関税の取り下げた背景には、米国内の政治勢力や農業など産業界からの強い非難があったとみられている。移民問題と関税を結びつけたことはやや強引だったのかもしれない。選挙を意識してトランプ政策が揺れ動く可能性もあり、今後の市場も不安定になりそうだ。まずは、現在上げ幅を縮小してきている米株先物の動きを注視してみたいところ。
このあとの経済指標発表は、鉱工業生産(4月)、製造業生産高(4月)、商品貿易収支(4月)、GDP(4月)など英国関連の指標発表が予定されている。英生産関連指標はいずれも前回から伸びが低下する予想となっている。また、カナダでは、住宅着工件数(5月)、住宅建設許可(4月)など住宅関連指標が発表される。金融当局者の発言関連では、ホールデン英中銀委員、ソンダース英中銀委員などの講演が予定されている。
英国では、きょうが英保守党党首選の立候補届け出締め切り日となる。有力候補の一角であるゴーブ環境相が過去にコカインを使用していたことを認めると報じられている。立候補を取り下げるのかどうか気になるところ。現時点ではジョンソン前外相の下馬評が極めて高く、その言動に注目が集まりやすい。機ジョンソン前外相は強硬路線で知られており、市場で合意なき離脱観測が高まることが警戒されそうだ。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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