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【来週の注目材料】ジャクソンホール会議で議長は何を語るか

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【来週の注目材料】ジャクソンホール会議で議長は何を語るか

 毎年8月下旬に開催される経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」が今年も8月27日から29日の日程で行われます。具体的なプログラムは開催日27日の発表となっていますが、28日朝の基調講演についてはウォーシュFRB議長が行うことが発表されています。

 まずはジャクソンホール会議について簡単に説明します。
米カンザスシティ連銀がワイオミング州の景勝地ジャクソンホールで毎年8月下旬に開催する経済シンポジウムがジャクソンホール会議です。1978年にミズーリ州カンザスシティで始まった同会議は、1982年に当時のFRB議長ボルカー氏を招くため、同氏が趣味としていた釣りが楽しめるジャクソンホールに開催地を移し、世界各国の中銀や著名な経済学者を招いて毎年開催されています。2005年にはその後のリーマンショックを正確に予言したことで有名になった「ラジャン論文」が同会議で発表されています。

 マーケットがこの会議を夏の超重要イベントとして認識するきっかけとなったのは、2010年に当時のバーナンキFRB議長が量的緩和第2弾(QE2)の実施を示唆したことです。バーナンキ議長は2012年にもQE3の実施を同会議で示唆しました。近年では2020年にパウエル議長が一時的にインフレが2%を超えても利上げを急がないという「平均インフレ目標」について言及。コロナ禍での超緩和政策を示唆しました。2022年には同議長が、「インフレ抑制には、企業や家庭に痛みを伴う(bring some pain)」と発言し、利上げの継続を示唆、さらに2024年には「政策調整の時が来た」と発言し、利下げを示唆しています。こうした伝統を受けて、今回が同会議での初講演となるウォーシュFRB議長の講演内容に注目が集まっています。

 ウォーシュ議長は7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、ジャクソンホール会議での講演について質問を受け、「演説内容について検討すら始めていない」と発言しました。同講演について「近視眼的な議論に陥りがちだ」とも発言し、一歩引いた大局的な視点から「大きな問い」を提起するという考えを示しています。

 ウォーシュ議長は、FOMCでの声明文からフォワードガイダンスを外すなど、就任以来、市場の予断につながるガイダンスを極力減らし、市場の価格発見機能を優先するという姿勢を示しています。そのため、今回に関しても今後の政策の方向性をはっきりと示さず、今年のジャクソンホール会議全体のテーマである「Financial Innovation: Implications for Payments and Policy(金融イノベーション:決済と政策への含意)」に沿った大局的な内容に終始するとの見方が基本的なシナリオとなっています。

 この場合、今後についてはデータ次第となります。据え置きを決めた7月のFOMCでは12名中3名が利上げに投票し、9対3での据え置き決定となりました。そのため、一時は利上げに向けた期待が強まる場面が見られました。しかし、その後発表された7月の雇用統計の衝撃的な弱さ、予想通りだったとはいえ6月から伸びが鈍化した消費者物価指数、予想外の前月比マイナスとなった小売売上高などの状況から、利上げへの期待は後退してきています。ジャクソンホール会議が無風通過となった場合、9月15、16日のFOMCでの利上げ期待は現行の30%台で維持され、9月に入って発表される8月の雇用統計や物価統計などをにらむ展開となりそうです。

 リスクはタカ派・ハト派どちらかの印象が強くなった場合です。7月の米消費者物価指数は6月から鈍化したとはいえ前年比+3.4%、食品とエネルギーを除くコア指数が前年比+2.5%とやや高い水準での推移となっています。インフレの粘着性への言及などが見られた場合、9月の利上げ期待が据え置き期待を上回るところまで高まり、ドル高となる可能性があります。一方ここにきて目立つ雇用市場の厳しさに言及するようだと、利上げ期待がもう一段低下し、ドル売りが強まる可能性もあります。

MINKABUPRESS 山岡

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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