11月の米企業の人員削減は減少 それでも同月では3年ぶり高水準
米再就職支援会社チャレンジャー・グレイ&クリスマスが発表した11月の米企業による人員削減数は、急増した10月からは減少したものの、同月としては3年ぶりの高水準となった。人員削減数は7万1321人。
同社のチャレンジャーCRO(調査責任者)は「人員削減計画が先月に減少したのは、確かに前向きな兆しだが、11月の削減数は前年比で24%増加しており、同月として7万人を超えるのは2008年以降でわずか3度目だと述べている。
年内最後のFOMCを来週に控え、FRBが確認できる数少ない労働関連指標の1つ。投資家は追加利下げを確実視しているが、FRB当局者の間ではインフレ抑制のために金利を高水準で維持したいとの意見も多く、異例なほど見解は分かれている。
相次ぐ人員削減の発表に加え、企業の採用意欲も低下しており、今年は35%低下し、年初来の採用計画は2010年以来の低水準となった。これには季節雇用も含まれるが、チャレンジャー氏によれば、11月にはホリデーシーズン向けの新規採用計画は1件も発表されなかったという。
業界別で見ると、通信セクターの削減がが最も多く、このうち大半をベライゾン<VZ>が占めた。IT・ハイテクや食品、サービスの各業界でも高水準となり、多くの企業が事業再編や経済情勢を理由に挙げている。
労働統計局(BLS)は11月の米雇用統計を12月16日に発表する。当初は12月5日の予定だったが、政府機関閉鎖の影響で延期された。同統計には10月分の非農業部門雇用者数(NFP)も含まれる。BLSは一部のデータを遡って収集できなかったため、10月分の完全な統計公表は見送る方針。
執筆者 : MINKABU PRESS
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