【中銀チェック】ECBは利下げ織り込み、前回会合直後は据え置き期待も
【中銀チェック】ECBは利下げ織り込み、前回会合直後は据え置き期待も
16日のカナダ中銀に続いて17日にはECB理事会の結果が発表されます。カナダ同様に昨年6月に利下げを開始したECB。昨年7月の据え置きを挟み、その後は前回3月6日の会合まで5会合連続で利下げを実施。合計6回の利下げで市中金利に近い預金ファシリティ金利は4.00%から2.50%となっています(リファイナンスオペ金利は2.65%、限界ファシリティ金利は2.90%)。
前回の会合では声明で「金融政策は実質的に引き締め的でなくなりつつある」と、これまでの利下げ継続姿勢からの転換を示唆しました。また、会合後のラガルドECB総裁会見では、それまでの会見で見られた「利下げに向けた方向は明確である」との表現が控えられました。こうした状況から、前回会合の直後は4月の会合での金利据え置きを見込む動きが広がっていました。
しかし、トランプ関税をめぐる混乱と景気鈍化懸念もあり、今回も利下げ継続との見方が広がり、コンセンサスを形成しています。短期金利市場では今回の利下げを約95%、次回6月5日会合での連続利下げを約75%見込む動きとなっています。
昨年9月分が前年比+1.7%まで低下した後、今年1月分+2.5%まで反発していたユーロ圏消費者物価指数(CPI)が、3月19日に発表された2月確報値で+2.3%と再びの鈍化となっていることも、利下げ期待に寄与しています。
注目は声明や総裁会見で今後の利下げ姿勢をどこまで強く示すか。6月の連続利下げ期待に加え、今回含めて年内3回の利下げを織り込み、一部で年内4回の期待も出てきている状況。年4回利下げ期待が強まるようだと、ユーロ売りにつながる可能性が高いです。
MINKABUPRESS 山岡

執筆者 : MINKABU PRESS
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