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米景気が想定外に堅調 その背景と今後は?

株式 

 今週は7-9月期の米GDP速報値の発表が予定されており、前期比年率換算で4.3%の高い数字が見込まれている。当初はこの時期に米景気は減速すると見込まれていたが、その観測とは裏腹に景気は加速している状況。

 今年に初めにエコノミストやFRBの高官らは、金利上昇によって支出や投資が抑制され、米経済は今頃失速しているだろうと予測していた。しかし、それとは正反対のことが起きている。最近の経済指標は、借入コスト上昇、学生ローンの返済再開、ウクライナや中東の地政学リスクにもかかわらず、景気が加速していることを示唆している。

 当初、エコノミストの多くは今年の景気後退を予想していたが、その予測を引き上げている。米大手証券のエコノミストは先週、第3四半期のGDP見通しを3.7%から4.0%に引き上げた。他のエコノミストも4.4%から4.6%に、第4四半期の予測も1.0%から1.2%に上方修正している。

 第3四半期の労働市場は依然として強く、非農業部門雇用者数(NFP)の増加幅は9月が33.6万人、8月が22.7万人、7月が23.6万人と、いずれも基準の20万人を超えている。この強い雇用が新たな支出に拍車をかけているようで、米小売売上高は7月が0.6%増、8月が0.8%増、9月は0.7%増となっている。

 最近の加速の要因はいくつか考えられるが、インフレは、期待ほどではないのかもしれないが、鈍化傾向を続ける一方、賃金上昇が依然顕著で、この組み合わせは消費を後押しする。エコノミストによると、個人の所得は昨年12月から6月にかけて、インフレ調整後の税引き後で年率7%上昇した。その結果、家計の貯蓄率は昨年12月の3.4%から5月には5.3%に上昇し、パンデミック時の景気刺激策で積み残された約1.2兆ドルの貯蓄に上乗せされた。しかし、第3四半期には、家計はこれらの貯蓄を使い果たし始め、新たな支出に拍車をかけ、貯蓄率は8月に3.9%まで低下したとの試算も出ている。

 また、ここに来て景気後退への懸念が後退していることも、家計の支出をより快適にしている可能性がある。特に、春にSVBとシグネチャー銀が破綻した影響を、米経済は受け流しているように見えるという。

 一方、FRBによる利上げが期待ほどの景気の冷え込みをもたらしていない可能性も指摘されている。パウエルFRB議長は先週の講演で、「短期金利がゼロ近傍だったパンデミック期に、企業や家計が低金利を固定化させたためかもしれない」と述べていた。実際、エコノミストからは、FRBの利上げにもかかわらず、売上高に占める企業の支払利息の割合が過去1年間で減少しているという。NY連銀の調査によると、住宅ローン金利の上昇によって新規住宅購入の資金調達が難しくなる一方で、低金利の間に約1400万人の住宅所有者が借り換えを行った。その結果、多くの家庭の住宅ローン返済額が減少しており、場合によっては住宅資産を現金化できたため、第2四半期までの家計貯蓄は約4000億ドル増加したという。

 それでは米景気はこれからどうなるのか?エコノミストは3つの可能性を指摘している。

 第1に勢いは長続きしない可能性。時給が上がっても、労働者の労働時間は減少している。インフレ調整後の週平均賃金は9月に前年比0.2%減少し、5月以来のマイナスとなった。この状態が続けば、家計の消費意欲は後退する可能性がある。

 第2に景気が引き続き好調でインフレが再び上昇する可能性。そうなるとFRBはさらに金利を引き上げ、景気を減速させ、景気後退のリスクを高める可能性がある。

 そして、第3にゴルディロックスの可能性。成長は力強く維持され、インフレは抑制されるというハッピーシナリオ。これは生産性の向上を意味し、インフレを引き起こすボトルネックなしに、経済がより多くの財やサービスを生産できることを意味する。そのため、あらゆる可能性の中で最良のものとなる。そうなれば、FRBが利下げをしなくても、より力強い成長が続く可能性がある。

 第3のシナリオはかなり楽観的かもしれないが、有望な兆候もいくつかあるという。労働力人口、つまり働いているか仕事を探している生産年齢人口の割合が過去20年以上で最も高い。このことは、雇用主が賃金を上げ過ぎて、商品価格も引き上げなければならなくなることなく、雇用増加が高水準を維持できることを示唆している。また、よりクリーンなエネルギー源への移行に対する米連邦政府の補助金が新たな企業投資を呼び起こしている。今年第2四半期の民間非住宅支出はインフレ調整後のGDPの14.7%を占め、2007年以降の最高記録となっているという。

 しかし、今のところ、多くのエコノミストはこの明るいシナリオには消極的で、労働市場のひっ迫によるインフレ圧力を心配する必要がないほど、経済はシフトしているのか甚だ疑問だという声も多い。

*米GDP(速報値)(第3四半期)26日21:30
予想 4.3% 前回 2.1%
個人消費
予想 4.0% 前回 0.8%

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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