JPモルガンが決算受け下落 通期のNIIの見通しが予想下回る=米国株個別
JPモルガン<JPM>が取引開始前に10-12月期決算(第4四半期)を発表し、1株利益、経常収益とも予想を上回った。FRBの利上げによる金利上昇で純受取利息(NII)が予想以上に好調だった。
ただ、株価はネガティブな反応を示している。投資銀行部門が冴えなかったほか、貸倒引当金も予想以上に積み増した。また、通期のガイダンスでは予想を下回るNIIの見通しを示していた。
ダイモンCEOは声明で「米経済は消費や企業の健全性を背景に引き続き堅調に推移している。しかし、ウクライナ紛争を含む地政学的緊張、エネルギーや食糧供給の脆弱性、購買力を低下させ金利を上昇させるインフレの定着、前例のない量的引き締めなどの逆風が、最終的にどのような影響を及ぼすかはまだわからない」と述べた。また、同CEOは停止している自社株買いについて「適切と判断すれば今四半期中にも再開する可能性がある」と語った。
(10-12月・第4四半期)
・1株利益(調整後):3.57ドル(予想:3.10ドル)
・経常収益(調整後):355.7億ドル(予想:341.5億ドル)
FICCトレーディング:37.4億ドル(予想:39.1億ドル)
株式トレーディング:19.3億ドル(19.8億ドル)
投資銀行:13.9億ドル(予想:16.6億ドル)
CIB:56.7億ドル(予想:58.9億ドル)
純受取利息(NII):203.1億ドル(予想:187.9億ドル)
・融資残高:1.14兆ドル(予想:1.13兆ドル)
・利付資産利回り:2.47%(予想:2.24%)
・貸倒引当金:22.9億ドル(予想:20.5億ドル)
(通期見通し)
・純受取利息(NII):730億ドル(予想:744.3億ドル)
(NY時間09:33)
JPモルガン<JPM> 135.61(-3.88 -2.78%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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執筆者 : MINKABU PRESS
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