ＩＢＭが決算受け上昇 ハイブリッドクラウド製品への需要が拡大＝米国株個別

　ＩＢＭ＜IBM＞が上昇。前日引け後に１－３月期決算（第１四半期）を発表し、１株営業利益は予想範囲内だったものの、売上高が予想を上回った。ハイブリッドクラウド製品への需要が拡大した。今回の決算はクラウドベースのソフトウェアとコンサルティングを中心とする事業への移行が引き続き推進されていることを示唆した。

　クリシュナＣＥＯはインフラやＩＴサービスに依存してきた同社の事業を、急成長するクラウドコンピューティング市場へ移行しようとしている。同ＣＥＯは声明で「ハイブリッドクラウドとＡＩへの需要が、ソフトウェアとコンサルティングの両分野の成長を牽引した」と述べた。

　今回の決算にアナリストからも高評価が出ているが、一部からは、同社の成長見通しの耐久性を見極めたいとの声も上がっている。「ここからの焦点は、特にコンサルティング部門で、利益拡大を示せるか、マクロ環境の軟化を通じて需要のベクトルが持続するかが鍵となる」といった声や、「同社が大きな転換点を迎えているかを判断するには時期尚早であり、売上高の伸びが持続可能かどうかを見極めたい」といった声も聞かれた。

（１－３月・第１四半期）
・1株営業利益（調整後）：1.40ドル（予想：1.41ドル）
・売上高：142.0億ドル（予想：138.1億ドル）
　　コンサルティング：48.3億ドル（予想：46.2億ドル）
　　ソフトウエア：57.7億ドル（予想：57.0億ドル）
　　インフラ：32.2億ドル（予想：32.4億ドル）
　　ファイナンス：1.54億ドル（予想：1.91億ドル）
・粗利益率（調整後）：52.9％（予想：54.4％）

（通期見通し）
・売上高：１桁台半ばの上限の伸び
・FCF：100億～105億ドル

（NY時間09:45）
ＩＢＭ＜IBM＞　135.16（+6.01　+4.65%）

MINKABU PRESS編集部　野沢卓美