ダウ平均は200ドル超の下げ幅 今週から決算が始まる=米国株
NY株式11日(NY時間12:51)
ダウ平均 34489.26(-231.86 -0.67%)
ナスダック 13498.38(-212.62 -1.55%)
CME日経平均先物 26895(大証終比:+75 +0.28%)
NY時間の昼に入ってダウ平均は軟調な値動きとなっており、200ドル超の下げ幅となっている。市場は引き続きFRBの金融政策とインフレ動向に注目。FRBの積極的姿勢が景気後退の引き金を引くのではとの懸念も出ている状況。きょうの米10年債利回りは3年以上ぶりの高水準に達した。利回り上昇が特にIT・ハイテク株を中心とした成長株に圧力をかけており、ナスダックはきょうも大幅安。
今週から1-3月期の決算発表が始まるが、FRBの引き締めに向けた積極姿勢、インフレ高騰、ウクライナ危機による地政学リスクが決算の見通しを不透明にしている。市場からは、ネガティブ・サプライズを警戒する声も出ているようだ。しかし、米企業の収益の伸びに対する期待はここ数週間、ほぼ維持されており、市場では1-3月期のS&P500企業の利益は前年比で約6%増を見込んでいるが、月初の予想とほぼ一致している状況。
インフレ、賃金上昇、金融引き締めが、一部企業のバランスシートを圧迫し、先行きへの期待を曇らせているのではないかと心配する声は少なくない。今回もガイダンスが注目されるが、企業が上記のコスト高を製品価格に転嫁できない限り、利益率は低下せざるを得ない。決算ではネガティブ要因を特定するのは簡単だが、それが、どれだけ株価に織り込まれているのかが重要だとの指摘も聞かれた。最近の市場の不安定さと決算シーズンに向けての神経質さを考慮すると、唯一の言えることは各企業の決算後に上下どちらかに大きく動くことだけだと言う。
セクター別では、原油価格上昇により、エネルギー株の収益は大幅に増加すると予想されており、素材部門も価格高騰の恩恵を受けると見られている。一方、今週発表予定の大手銀は、例外的に恩恵を受けた前年の反動から大きく収益を落とすと見込まれているようだ。一方、2月下旬のウクライナ侵攻を受け、マクドナルド<MCD>など米大手企業がロシアでの活動を停止している。S&P500企業全体のロシアへのエクスポージャーは比較的小さいものの、先行き不透明感に拍車をかけている。
企業がパンデミックから急回復した昨年に比べれば、今年の収益の伸びは鈍化が確実視される。昨年のS&P500企業の利益の伸び率は約52%だった。今年はいわば正常化の年になりそうで、財政刺激策や金融刺激策がすべてではない。市場はそれに適応していかなければならないとの声も聞かれた。
アップル<AAPL> 167.19(-2.91 -1.71%)
マイクロソフト<MSFT> 287.13(-9.84 -3.31%)
アマゾン<AMZN> 3044.06(-45.15 -1.46%)
アルファベットC<GOOG> 2614.77(-65.44 -2.44%)
テスラ<TSLA> 987.02(-38.47 -3.75%)
メタ・プラットフォームズ<FB> 219.13(-3.21 -1.44%)
AMD<AMD> 97.67(-3.33 -3.30%)
エヌビディア<NVDA> 219.40(-11.79 -5.10%)
ツイッター<TWTR> 47.13(+0.90 +1.95%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。